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神話

 本棚の書籍はジャンルごとに分けられていて、神話系の本を探すと決めればすぐに見つける事が出来た。


 しかし、僕は図鑑的な設定資料集が欲しかったのだが、置いてある本は小説みたいなものばかりだった。


 ゲームに出てくるような神話のキャラの名前とちょっとした設定くらいしか知らないから、図鑑とかで知識のすり合わせをしたかったのだが、物語を読まなきゃいけないとなるとそれなりに時間がかかる……。


 ただ、ザっと見て分かったのは、だいたいの有名どころの神話は網羅されているということだ。


 この世界の人が元の世界と同じような物語を思いついて書き記したのか、元の世界から来た転移者が元の世界の神話を伝えたのか。


 正直どっちとも断言できない。


 あるいはこの世界が元の世界から分離したパラレルワールドで、何らかの要因で魔力やら瘴気やらが発生してこんな状態になっていると考えることだってできる。


 なんて、本棚に並ぶ背表紙を眺めながら考えていると、突然後ろから声を掛けられた。



「もしかして神話がお好きなんですか……?」

「わぁっ!びっくりしたぁ」



 振り返ると、僕の視点のやや下に紫がかった黒髪の頭があった。


 猫背で丸眼鏡の女性だ。



「ああ……受付に居た人……」



 髪が長くて猫背の女性が音もなく後ろに立ってて突然声をかけられるとか普通にホラーなんだが?



「す、すみませんっ!神話の棚を熱心に見られてたので……、そういうのが好きなのかと……」

「好きというか……、まあ興味があって色々調べようとしてるとこです」

「ちなみに気になっているのはどういったものですか……?私は北欧神話が一番詳しいのですが、日本神話もギリシャ神話もエジプト神話も履修済みです……!」



 さっきはあんまり僕と関わりたくなさそうだったのにいきなりグイグイ来る……。


 さては神話オタクだな?



「っていうか日本神話とかもあるんですね。もしかして日本っていう地名がどこかにあったりするんですか?」

「いや……、この世界にそんな地名とか国は存在しないですが、異世界の日本という国を舞台にした神話だから日本神話と名付けられてると伝えられてます……」

「ということはこの世界で生まれた神話じゃなくて、異世界から伝わった神話って事ですか?」

「出典は定かではないですが、何千年も前に異世界からやって来た勇者が語った物語だと言われていますね……。色々な神話の中に出てくる神々から取って子供の名前を付ける人も居たりしますね……」

「なるほど、それは神々しく育ちそうですね」



 原点は元の世界からだったか。


 いやはや気になっていたことがサクッと解決して棚から牡丹餅って感じだ。



「あ、でも……、一つだけ名前の無い神話もあるんです……。勇者の話よりももっと昔からあるらしくて……。この世界を作った創世神の話なんですけど、これだけはこの世界についての神話らしいんです……。この神様を信仰している宗教国家もあるみたいですよ……?」

「その神様が実在すると信じられてるってことですか?」

「正直眉唾物ですが、その宗教では存在すると信じられているので……、信徒の前で存在を否定するような発言をすると良い顔はされないですね……」



 まあそれはそうだよな。


 元の世界だってそれは変わらないし、相手が過激派だったら事件にもなりかねない。


 気を付けとこ……。

ネイチャ欲しい……でもターボ師匠のために溜めなきゃ……でも欲しい……。

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