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食事

「それじゃあいい時間だし、そろそろアタシはお暇するわね。乙女の朝は早いのよっ!」



 よっ!の勢いで酒瓶に4分の1程度残っていた酒を一気に飲み干した。


 風呂上がりの牛乳みたいな勢いで酒を一気飲みする乙女があるか。



「マーレラちゃ~ん!お代ここに置いておくわね~!」

「は~い!」



 厨房の方からマーレラさんの返事が返ってくる。


 ダイアンさんはポケットから大きい銀貨を一枚取り出しテーブルに置いて席を立った。


 常連ということもあってか、やりとりが小慣れていて少しかっこいいとすら感じてしまった。


 願わくばもっとハードボイルドなオジサンとかだったらもっと良かった。



「ダイアーン!また明日な~!」

「ええ、明日はアタシの愛剣も持ってくるから楽しみにしててねっ♡」



 カノンは肉にかじりつきながら手を振って見送る。


 僕も合わせて軽く手を振った。



「さて、そろそろ僕も食べるか……」

「おう!好きなのどんどん頼め!」

「さも自分の奢りみたいに振舞ってるけど僕が払うんだからな?」

「この肉巻き焼き肉ってやつ美味いぞ!」

「聞いちゃいないし。……それ結局ただの肉じゃね?」



 その後は2人で黙々とディナーを楽しんだ。


 マーレラさんの料理はどれも美味しかったし、数日振りのまともな食事ということもあってか、ついつい食べ過ぎてしまった。


 カノンも一目で分かるくらい腹が膨れる程食べていた。


 13歳の、しかも臍の出た服装でそのルックスは、規制がかかりかねない危うさを孕んでいた……。






 大満足で食事を終えた後宿屋に戻りすぐ、僕とカノンはそれぞれの借りた部屋で眠りについた。


 すっかり早寝が身に沁みついてしまった。


 カノンに引っ付かれずに寝る事が出来たのだが、何というかこれはこれで寂しさがある。


 いや、カノンと同衾したいという意味では決して無いが。


 そんなこと言いだした日には即日お縄だ。


 翌日目覚め、そのまま数刻ベッドの上でダラダラした後、水場を借り顔を洗い、アイラちゃんに用意してもらった軽い朝食を食べながら出掛ける準備をした。


 アイラちゃん、朝からちゃんと仕事しててえらいなぁ。


 ちなみにカノンはライアンさん曰く、アイラちゃんが起きるよりも前に外へ行ってしまったようだ。


 どうせギルドで魔物討伐の依頼でも受けに行ったのだろう。


 できれば単独行動はなるべくよして欲しいのだけど……。


 探すのに時間がかかるから……。


 まあ、ギルドでリッテさんに昨日の調査報告の結果を聞くついでに、カノンがどこに行ったかも聞いておこう。


 僕は準備を終えると宿を出る。



「よし、それじゃあ行ってきます」

「レイさん行ってらっしゃーい!」

「ま、もう一日分宿代を払わなきゃ寝床はねぇけどな!」

「もうお父さん!そういうのを無粋って言うんだよ!」

「おお!難しい言葉も知ってるじゃねぇか!さすが俺の娘だぜ!」



 と、アイラちゃんとライアンさんに見送られながら、ギルドへ向かった。

"規制がかかりかねない危うさを孕んでいた"の行の後に、"腹ん出いるだけに"とか入れようかと一瞬魔が差しました。

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