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仕事

「いらっしゃ~い。あら、カノンちゃんじゃない。どうしたの?今日はここで食べるの?」



 出迎えてくれたのは黒くて長い髪の、おっとりとした雰囲気の女性だった。


 エプロンをしているし他に従業員らしき人はいないからこの人がマーレラさんなのだろうか。


 大きい店というわけではないが、客はそれなりに入っている。


 雰囲気としては静かな居酒屋って感じだ。



「ママさんこんばんわ~!今日はレイの臨時収入?ってやつでごちそうなんだ!」

「あ~、リッテさんの言ってた!隣のあなたがレイさんですね?」

「あ、はい、どうも……。どこかいいお店は無いかライアンさんに聞いたらここをオススメされたので」

「あら嬉しい!頑張って美味しいもの作るわね!さあさあ、空いてる席に座って!」



 そう案内され、僕たちは店内の席に着いた。


 それにしてもみんなリッテさんから僕の事を聞いてるらしいのだが、いったいどういう繋がりなんだ……?


 もし友人関係だったとしても情報横流ししすぎだろ……。



「あら~?見ない顔ね。マーレラちゃんのお知り合い?」

「えぇ、そんなところよ」



 着席するなり隣の席から声をかけられた。


 不自然に高めな、作ったような声色。


 口調のミスマッチさから一瞬判断が付きかねたが、男性の声だった。


 その方向に視線を投げるとそこには、赤い口紅を差し太めのアイラインを乗せた、やや色黒の男性がいた……。


 いや、オカマと呼ぶべきか……?


 それともオネエか…………?


 僕とは比べ物にならないくらいマッチョだし、座っていてわかりにくいが、立ったら2メートルくらいはありそうなスキンヘッドの巨漢が、グラスの酒を一人で呷っていた。


 既に空の瓶が1本テーブルに置かれている。


 今飲んでいるのは2本目のようだ……。



「またすごい濃い感じの人だなぁ……」



 と、思わず感想が漏れてしまった。



「アタシのお化粧が濃いですって!?」

「ち、違う違う違う!キャラの濃い人だなって!」



 僕は慌てて取り繕う。


 偏見だろうが怒らせたら怖そうだし、あまり迂闊な事言わないようにしないと。



「おっちゃん……ねえちゃん?初めましてだな!私はカノンだ!よろしくな!!」

「あら、礼儀正しいのねぇカワイ子ちゃん。アタシはダイアンよ、ここの常連なの、よろしくねっ♡」

「かわいこじゃなくてカノンだぞ!」

「そういう意味じゃないのだけど……カノンちゃんでいいかしら?アタシの事はダイアンお姉さまと呼んでちょうだい!」

「やだ!長い!ダイアン!」

「あなた随分物怖じしないタイプねぇ……」



 と、そんな感じで、カノンとのやり取りはダイアンさんが一歩引いて終わった。


 僕との時もそうだったけど、やはりカノンは初対面時の距離の詰め方がえぐいな……。


 到底見習えない気がする……。



「えっと、僕は篠原励です。僕たちは冒険者やってて、つい最近パーティーを組んだんです」

「良いわね冒険者、自分で仕事を選んで自由な旅をする。アタシもちょっと憧れてるのよね~」

「正直ちゃんとした仕事があるならそっちの方がいいと思いますけどね……。新人の僕が言うのもなんですけど」



 魔物討伐だったりを請け負う以上ある程度の危険は付きまとうし、依頼の報酬金額を思い出すとせいぜいその日暮らしができるくらいの収入しかなさそうだし。


 僕たちが受けたお国からの依頼でもそんなに大した額じゃなかったはずだ。



「アタシはお城で兵隊さんたちの剣の指導とかをやっているんだけれど、収入は良くてもロマンが無いのよ~。当然お城の中で恋愛なんてできるわけも無いし、毎日毎日退屈なの~」

「お城でって……王城でですか!?普通にすごいじゃないですか!」

「よくそう言われるんだけどねぇ、なりたくてなったわけじゃないのよぉ。ほとんど成り行きって感じで、お国からの指名じゃなかなか断れないしぃ~」

「偉い人のところで仕事するのも大変なんですね」

「そうなのよ~!もう、ごめんなさいね、初対面なのにこんなに愚痴っちゃって~」



 ダイアンさんはグラスにお酒を注ぎグイっと飲み干した。

なんか最近あとがきにしょうもない事しか書いてなくてすみません。

でも定型文だと味気ない気がするので今後もしょうもない事書きます。

ニシノフラワーかわいい!

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