表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

387/424

割入

「はぁ……はぁ……ようやく来たか」

「なんだ、あの程度で息を上げておるのか。歳を取ったな伯父上よ。あるいは魔人の力が原因か?」



 基本的に魔族や魔人に老化は無いはず。


 何百年と生きている魔族も時々現れる。


 魔界にでも行けばおそらくもっとぞろぞろと居るのだろう。


 元々身体能力が低いという訳もあるまいし、つまり能力の影響である可能性が高いだろう。


 私たちと同じような体力や精神力を代償とする能力なのだろうか。



「ふん、この程度……。貴様こそ様子見はもう終いか?いつまで日和っているのかと思ったぞ」

「伯父上殿ともあろう者がよもや戦いにおいて相手を知る事の価値を知らぬとは。武官であった頃に一体何を学んでおったのだ?」

「貴様……!貴様らが生まれて来なければ我は今も……」

「まあ、伯父上の怒りも解らんでもないがな。しかしヴアルに責任のある問題とも言い切れんだろう。アレは不慮の事故だ。とはいえ、不慮の事故が生んだであろう貴様を処理する事は親族である我の責任ではあるだろうな」

「やって見せろ小童が!」



 その言葉を皮切りに二人は剣を交える。


 間合いは刀の方が有利に見えるが、皇帝は小回りの利くグラディウスで上手くいなし躱し、今のところ一太刀も有効打は無い。


 皇帝は隙を見て一歩詰めるも、魔人は一歩引き自分に有利な間合いを維持する。


 骸骨の護りなんか無くても十分やれるではないか。


 単純な武の才は私やミザリーよりも間違いなく上だ。


 まああの馬鹿単品の武芸は皇帝より劣るとはいえ、武曲の能力と合わせてより真価を発揮するタイプだ。


 実際一対一で戦わせてみないと総合的にはどちらが上とも言い難いが。


 それはさておき今は戦いの行方だ。


 皇帝も魔人もどうやら魔法や魔術など一切使わず、ひたすらに剣戟を繰り広げる。


 皇帝の持つ剣も今のところただのグラディウスだ。


 魔術で出したグラディウスだからそれが魔術であると言えなくもないが。


 剣術で決着を付けたいのだろうか?


 はたして何を考えているのかは私には皆目見当もつかない。


 戦いは次第に皇帝が魔人を押し始める。



「どうした?魔人の力は使わぬのか」

「くっ……簡単に言ってくれる!残念だが貴様の秘術のように都合のいい力ではないのだ……」

「このままでは一矢も報いる事無く終わってしまうぞ伯父上よ」



 これはもうセンスの差と言うしか無いだろう、グラディウスの倍近いリーチを持つ刀を持ってして、その刃はどうしても皇帝には届かない。



「はてどうしたものか、もはや手加減も飽いてきたのだが」

「ど、どこまでコケにすれば気が済むのだ貴様ァ!」



 逆上した魔人は急所などを狙った細々した斬撃から一転、上段の大振りを仕掛ける。


 相手を武器ごと叩き斬ろうかという気迫だ。


 どう見ても隙が大きすぎるが、相打ち覚悟とでもいうのだろうか。


 しかし、ガキンッ……とグラディウスは上段振りを受け流すのでもなく軽く弾き返した。


 そして魔人の懐には先程より大きな隙が発生する。


 皇帝はひどく落胆した表情で剣の切っ先を魔人に突き立てようとしたが、その瞬間……。



「テオ様……っ!」



 地面から何かせり上がり、皇帝と魔人の間に割って入った。

今期のアニメ、フリーレンだったりシャンフロだったり薬屋のひとりごとだったりラグナクリムゾンだったり、

ちょっと豊作すぎません……???

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ