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側面

 カノン、戦う気ではいないだろうな……?


 いや、ヴアルさんの為にカノンは戦ってしまうのだろう。


 カノンは度々目の前の事しか見えなくなってしまうやつだ。


 ここ最近は魔物を討伐しに行く事もほぼ皆無であまりそうなる事は無かったから懐かしい感じもするが、今は一刻を争う状況……。


 感傷に浸っている場合ではないが、僕にできる事なんてもう何も無い。


 メメント以外の魔族が先に居る事すら想定できなかった僕の脳みそももはや頼りにならない。


 ちょっと考えれば分かった事だろうに。


 地下を揺らす轟音もかなり近くなってきている気がする。


 ……もう、賭けに出るしかないか……。



「……タルタロスさん、僕を置いてスピネのとこに行ってください。身動きできないのはもうどうしようもないので……。僕の事は気にせず一旦逃げてください」

「……何を言っているのかねレイ君。正気か?」

「こうなったのもヴアルさんを助けに行くって決めた僕の責任ですし……、それに、もしかしたら見逃してくれる可能性があるじゃないですか。力量的には僕たちの事を容易く殺せるくらいの実力のはずなのに、あれだけ手にかけるのを渋ってた奴ですよ。どうにかすれば取り入れると思いませんか?」

「そんな確証も無いものに命を賭けるつもりか!?くっ……、おいカノン君!!早く戻って来るんだ!レイ君が命を投げ出す前に!!!」



 初めて聞くタルタロスさんの大声。


 カノンの耳には届いているのだろうか。


 見張りと戦っているのかどうかはこの場所ではいまいち分からない。


 激しい戦闘音は聞こえないから、膠着状態になっているか、既に決着が付いているのか……。


 はっきりと聞こえたのはヴアルさんを出せというカノンの言葉っきりで、その後に相手がどう答えたのかは聞き取れなかった。



「メメントに追い付かれて全員捕まったらどうしようもないですよ。スピネが視認できる位置まで近付けるかは分からないですけど、まあやってみないよりはいいかと……」

「いつまで馬鹿な事を言っている。そもそもの話、君が死んだらスピネ君の隷属も解かれるんだぞ。今は君の隷属化で上書きしているからいいものの、それが解かれればスピネ君は再び敵側へ付かざるを得なくなるだろう」

「…………でもそれは僕が死んだらの話で……」

「現時点で既に瀕死なんだぞ君は。奴は人間を見逃す程度の趣向はあっても助ける程の義理は──」



 言葉を遮るように、ドゴォンッ!!と近くで何かが粉砕するような、今までで一番大きい音がした。


 肩をビクつかせたタルタロスさんは恐る恐るといった様子で振り向く。


 僕もその方向へ視線だけを動かした。



「よもやこんな所まで辿り着かれておったとは、やりおるのう。転移の魔法か能力でも使いおったか?外の方へ逃げるフリをしたのもこっちへ来るための布石じゃろう?まったく小賢しい奴じゃ。小賢しい人間もまた好きじゃがの」



 通路を塞いだ意味はあったのかなかったのか、通路の側面の壁を蹴破られ、隣の通路あるいは部屋からメメントが現れる。


 ああは言っているが、案の定というか……メメントの表情は不機嫌なように見える。



「おしまいだ……」



 ひどくか細い声で、タルタロスさんの口からそう零れた。

バーガーはバーガーキングが一番好きなんですが、如何せん値が張るせいで気軽に入れないですよね……。

期間限定のとかになると普通に大きめのステーキ肉買えそうな値段したりしますし。

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