打開
まあ何はともあれ捜索のヒントを生んでくれた事には感謝しよう。
地下への入り口……今のところそれっぽいものは見当たらなかったはずだが、西側の方にあるのだろうか?
実際まだ東側の半面しか探索してないし、探剣が指した方向は西方向だ。
そう思い僕たちは遺跡西側も探索したのだが、階段も梯子も見当たらなかった。
西側で再度ミザリーさんに探剣を発動してもらったのだが、今度は東方向を指した。
つまり地下は遺跡の中央付近にあるという事だ。
ちなみにまだ探剣の発動はまだ慣れていないらしく、今回も数回失敗した後にようやく成功した。
「──という訳で一旦中央まで戻って来たわけですが……、別にこの付近に入り口があるとも限らないですよね……」
「なぁ、ひとつ思ったんだけどよ、あのモグラの魔族が元々存在しねぇ地下空間を作ってた可能性とかもあんじゃねぇか?レイの話じゃ攫ったのもその魔族なんだろ?」
「あぁ……たしかにその可能性もありますね……。だとしたら出入口が遺跡の外にある可能性も出てくるので、探すのがさらに難しくなりますけど……」
「一応この状況を打開できる手っ取り早い方法があるにはあるんだけどよ、流石のミザちゃんも気が引けるっつーかなんつーか……」
「……ちなみにどんな方法なんですか?」
ミザリーさんは神器を巨大な金槌に変えた。
打ち付ける方の反対側がピッケル状に尖っている。
「コレで地面をぶち抜く」
「ぶち抜く……ですか。たしかに行けるかもしれないですが、他国の遺跡ぶち壊したら国際問題になりかねないですもんね……。でも大丈夫だと思います。正直皇帝との付き合いは短いですが、あの人って結構そこらへん大雑把っていうか……、自分の目的の為なら結構なりふり構わない人なので、ヴアルさんを助けるためっていう大義名分があるならここの歴史的価値とかもあの人にとって二の次だと思います」
「本当かぁ?」
「それになんだかんだ義は通す人ですし、遠回りですが僕たちに助けを求めていたって事は、ある程度は僕たちがやり方を決めていいはずです」
「おっ、レイの責任って事でいいなら派手にやってやるぜ!」
「……まあ僕の責任って事でいいですけど、年長者としてその発言はどうなんですか……」
「カタい事言うなって。ほら、あぶねぇからちっと離れてな!」
とはいえ実際手っ取り早いのは事実だ。
僕が話した皇帝の性格も別に口八丁じゃない。
短いとはいえ2ヶ月間皇帝の事を間近で見てきた。
その上で仮に皇帝が今ここに居たとすれば、迷わず地面に穴を空けていただろう。
ていうか遺跡を保護するという意思があるのなら、あんながしゃどくろのような魔術で森林を荒らすようなこともしないだろうし……。
「いくぜオラァっ!」
「容赦ないですね……」
「こういうのは思い切りが大事なんだよ」
さっきの態度とは裏腹に、ミザリーさんは全くの遠慮なく地面をガツガツと掘り始めた。
石造の地面がどんどんと抉れ、みるみるうちに穴が深くなっていく。
土が見える事は一向に無く、ずっと岩のようなサイズのブロックが続いていた
そして、1m程度掘ったあたりで空洞に当たり、ある程度まで穴を広げると、ミザリーさんは僕を背負って地下へと降下したのだった。
先日急に運動をしたせいか足を痛めてしまいました。
とても老いを感じる……。




