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人形

 声を掛けられるまで接近に気付かなかった。


 何故か裸足なせいで足音がしないし、……なんだろう、敵意が感じられない?


 そのせいかアリオーシュさんも攻撃していいのか少し迷っているようだ。



「ねぇ、質問しているの、答えて。……あ、キミたちの質問が先だったね。わたしはフラフィ、よろしく、ね」

「お、おう……。アタシはミザリーだ、よろしく……な?」

「よろしくするな馬鹿者。相手は魔族だぞ」

「それで、答えは?知ってるの?知らないの?」



 カクンと首を傾ける。


 一見可愛げのある所作も継ぎ接ぎの首が取れそうで怖い。



「右手がもこもこしてるっつったか?」

「ふわふわ」

「右腕がぬいぐるみみたいになってる分身する能力の魔族なら知ってるぜ。アタシが叩き潰して倒した」

「死を確認したわけでは無いから確定ではないがな」

「……そう、ならあの子はもう、死んでるみたいね。反応が無くなったから」

「って事はなんだ?あの魔族の仇討ちにでも来たのか?ならアタシが相手してやるぜ」



 ミザリーさんは僕を下ろして神器を構える。



「仇討ち?別に。あの子たいして、可愛くなかったから。言われたから腕を作ってあげたけど、キミに殺されたのなら、その程度ってコト」

「……敵ながらひでぇ言われようだな。擁護するわけじゃねぇがなんだかんだ能力は厄介だったぜ?アレで戦闘技術が高かったらもっと苦戦してただろうな」

「戦闘能力が無いからその程度なの。有象無象が増えたところで結局有象無象」

「それは、そうなんだけどよ……」



 仲間なのに構わず貶すなぁ……。


 魔族同士ってやっぱり仲悪いのかなぁ?


 まあそれはともかく、この魔族が言う事が本当ならあの厄介な分身の魔族も倒せてるという事だ。


 これまでに倒した魔族はいくつだ?


 見張りの2体と、翼の魔族、戦闘要員の魔族2体、手斧の魔族、地中の魔族、分身の魔族……そんなところか。


 僕たちだけで8体は倒した。


 良くて全体の3分の1程度だろうか……、その他に皇帝が相対した魔族も居るだろうが、それについては把握できないので今は考えないようにするとしても、結構な損害は与えられているんじゃないだろうか。



「わたしはただ、様子を見に来ただけ。ガムちゃんが待ってるから、すぐ帰るよ。でも」

「でも、何だ」

「お人形を大事にしない子は、嫌い。右腕だけでも、あの子は、わたしの子」



 その言葉を聞いたミザリーさんはそれを開戦の合図と認知したのだろう、神器「四化星・権」を大太刀に変え、フラフィを叩き切った。


 大太刀は見事にフラフィを真っ二つにしたのだが、どうやらそれは致命の一撃にはならなかったようだ。


 斬られた断面からモコモコと綿のようなものが飛び出し、切断され二つになったものを繋ぎ合わせていく。


 それを見たアリオーシュさんも追撃でフラフィの胸を釣ら向くが、僕が観察する限り特にダメージは無いように見える。



「キミたち、嫌い」



 フラフィの体の裂け目から何かが飛び出した。


 それは小さなネズミのぬいぐるみに見える。


 ひとりでに動くそれはアリオーシュさんの前で止まったかと思えば、ボカンと小さな爆発を起こし、爆風によってアリオーシュさんが軽く吹き飛ばされた。



「ぐっ……!」

「キミも嫌い、お人形を大事にしない子は、みんな嫌い」



 斬られた断面もすっかり修復したらしい魔族はそう言うと、体の一部の縫い目を解き始めた。



「……様子を見に来ただけはのは本当。だけど、お人形を潰したキミは殺す。今はあまり構ってあげられないけど、また今度、ね」



 魔族はそう言うと、内側から裏返るように、その姿を変えたのだった。

 呆気にとられた僕たちの目の前に残されたのは、綺麗な縫い目のクマのぬいぐるみ1つだけだった。



「…………ったく、、いったい何だったんだよアレ、正直分身あの大将よりヤバい感じがビシビシ伝わって来たぜ……」

「……それに関しては同感だ。並の魔族ではない事は確かだろうな。おそらくあれが本体というわけでもなかったのだろう。これに関しては司教様に報告せねばなるまい」

「正直、僕にはあの魔族の実力があまり分からなかったんですが、そんなにヤバそうな魔族だったんですか?」



 そう言って僕はあの魔族が残したクマの人形を拾い上げた。



「迂闊に触るな。万が一爆発でもしたらどうする。敵が残して行ったものだぞ」

「あっ、すみません……。でも何ともないみたいですよ?むしろモフモフしてて触り心地は良いくらいですが、ミザリーさんも触ってみます?」

「おっ、マジ?じゃあ遠慮なく……って痛ってぇ!」

「えっ!?」



 ミザリーさんの指先から赤い血が垂れ流れていた。


 よく見るとミザリーさんの触った部分から針が飛び出ている……。


 その後アリオーシュさんも触ろうとしたのだが、ミザリーさんと同じく、触ろうとした個所に針が飛び出ることが分かった。


 ……僕が触っても問題無いのは一体どういうことなのだろうか……?

GW、たいしたこともせず飲んだくれて終わりそうです。

飲んだくれて書いてるので、もし誤字脱字があったら遠慮なく指摘してくれるとありがたいです。

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