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親身

「しかし何だったんだアレは……」



 アリオーシュさんは警戒しながら辺りを確認する。


 僕を抱えて走っていたのだからそう遠くまで逃げられてはいないと思うが、分身の魔族や骸骨は追ってきているのだろうか?



「おーい、どこ行ったんだアリオーシュ~レイ~。置いてけぼりはミザちゃん泣いちゃうぜ~?」



 近場でミザリーさんの声がした。


 直後に僕たちの事に気が付いたらしく、小走りでこっちに寄ってきたようだ。



「こっちだミザリー。敵はどうした」

「おう、それがよ、あのでっけぇ骨のやつ味方だったぜ」

「アレがか?根拠は何だ」

「敵の大将居ただろ?あいつがあの骨と戦い始めたんだよ」

「それだけで味方と断定するのは早計過ぎるな」

「ええ?敵の敵は味方って言うし味方だろ」



 ミザリーさんは神器を手のひらでくるくると弄びながら楽観的なことを言う。



「そのあたりの判断も私がする。今のところはまだ敵性存在の扱いのままだ。それより分身する魔族の方はどうなった」

「あぁ、それなら倒したぜ」

「えっ、どうやって?」



 思わず声が出た。


 カノンが居てようやく本体を見つけられるものだと思っていたのだが、他にあの大群の中から本体を見つけ出す方法でもあったのだろうか?


 それともさっきのあの目くらましが何か勝利につながる鍵にでもなったのだろうか?


 たまたま範囲攻撃が本体に当たったのだろうか?



「なーんか1体だけアタシらやあの骨から逃げる感じで動いてる奴が居たから、そこ目掛けて巨大鉄槌ぶち込んだらそこらに居た分身も全部消えてよ。これって倒したって事でいいんだよな?」

「……どうでしょう。分身自体はあの魔族の意思でいつでも消せるみたいですし、ブラフの可能性も捨てきれないですね……」

「数では押し切れないと悟って奇襲作戦に切り替えた可能性も考慮すべきという事か。引き続き警戒は解かないようにすべきだな」

「なんだよマジメちゃんズめ。ちょっとくらい喜ばせてくれよぉ」



 もちろん本当に倒せてた可能性も無きにしも非ずだが、しかしそれでも気を抜く理由にはならない。


 ここは敵地なのだから、他の魔族も潜んでいる可能性だって捨てきれない。


 さしあたっては水属性魔法を使う魔族だ。


 あれっきり姿を見ていないが、はたしてどこへ行ったのだろうか?


 ……まあ色々考えたところで、どう足掻いても今の僕はお荷物な事に変わりは無いのだが……。



「ひとまずは状況の確認を優先しよう。一度戦闘のあった場所へ戻る。レイ、歩けるか?」

「なんとか……」

「ミザリーも少し休憩を入れろ。先頭は私が歩く。レイの補助をしつつ付いて来い」

「休憩より酒入れたいぜ……」

「帰ってからにしろ」

「しゃーねぇ。レイ、ちっと大人しくしてな」



 軽い掛け声とともに、ふっと体が持ち上げられた。


 アリオーシュさんに続きミザリーさんにも抱きかかえられてしまう。


 どうやら運んでくれるようだ……。


 アリオーシュさんもミザリーさんも結構世話焼いてくれるというか、僕に対して親身になってくれているというか。


 実際助かってるしありがたくはあるのだが、なんというかもう……不甲斐ない。


 この大怪我も元はといえば僕が招いたものなのだ。


 単に実力不足だったと言わざるを得まい。


 カノンと肩を並べ戦う為にも、僕はもっと強くならなければならない。


 そう心に決め、僕は甘んじてこのお姫様扱いを受け入れたのだった……。

先日超久々に運動をしたのですが、体力が落ちに落ちていて30分でギブアップしてしまいました。

さらには筋肉痛が3日続き、ガチめに衰えを感じています……。

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