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夜警

 このあたりに生息してる魔物は王国で戦っていた魔物より強い。


 攻撃をバックラーで弾いた程度じゃ怯まないし、時々フェイントなんかも織り交ぜて来て厄介だ。


 慎重に、相手の攻撃に合わせて動かなければこちらの攻撃も当たらない。


 時々攻撃をいなしきれない事もあるが、幸い装備のおかげで深い傷はまだ無い。


 ただその分レベルの上がる速度は早かった。


 シカの魔物1匹、イノシシの魔物4匹、オオカミの魔物3匹を倒したあたりでレベルは19まで上がり、日は空を赤く染めていた。


 そろそろカノンが寝る時間だとか言い始める頃だろう。



「カノン!今日はもう終わりにしようか!」

「わかった~!私も丁度眠くなってきたとこだ!」



 カノンは僕が孤立した1匹と戦ってる間の暇潰しに他の群れを蹴散らしていたのを止め、軽く伸びをした後に走って戻ってくる。


 今日は朝から晩まで戦い詰めになってしまって少しカノンの事を心配していたが、微塵も疲労感を見せない立ち振る舞いだ。


 本当に疲れてないのか瘦せ我慢なのかは僕には分からないが、この調子だとカノンを3日くらい森に放ったら魔物が根こそぎ居なくなるんじゃなかろうか……。


 生態系が危ういかもしれない。


 魔物に生態系があるのかは知らないけど。



「晩御飯はシカでも焼いて食べようか、魔物だけど元が草食動物だからそんなに味は悪くないんじゃないかな?」

「私はお肉ならなんでもいいぞ!」



 ファイアーボールはステータスリセットした時に使えなくなったからまた取得し直さないと着火用に使えないが、必要スキルポイントは1だし火が使えると何かと便利そうだから取得しておいた。


 これで目標レベルは27になってしまったが誤差だろう……、誤差だといいな……。


 ちなみに魔法の契約ごとリセットされていたから、それも毎回やり直さなきゃいけないようだ。


 魔法書が手放せないのはちょっと面倒だな。




 僕たちは森林から出てちょっと離れた場所の岩陰をキャンプ地とすることにした。


 食べる分のシカと焚き火用の木材を用意して料理を始める。


 僕はシカの足1本、カノンはそれ以外の食べれる部位全部だ。


 水属性魔法の初期魔法、ウォーターショットで汚れを落とし、焚き火をつけ焼いていく。


 いい感じに焼けたところで肉にかぶりつく。


 味はそんなに悪くはない、ちょっと硬いかなってくらいだ。


 塩胡椒が欲しくなるのは依然と変わりはない。


 カノンは左手で肉を焼き、右手で焼けた肉を食べている。


 両手に肉を持ちながら目は既にウトウトし始めていた。



「大丈夫か?今日はもう寝て明日食べればどうだ?」

「ん……」



 カノンの食べるスピードはどんどん減速し、しまいには肉を咥えたまま大岩に背を預け眠ってしまったようだ。


 昼間と比べるとめちゃくちゃ静かですごい落差だ。


 起こさないように体を横にしてやり、シカから剥いだ毛皮をかける。


 ちゃんと加工してないから多少獣臭いし生臭いけど、掛布団としての役割は果たせるだろう。



「はぁぁ、今日は疲れたなぁ……」



 僕も仰向けに寝転がる。


 日は既に姿を消し、今は星が空を埋め尽くしていた。


 異世界でも太陽と月は変わらず存在している。


 それが地球と同じものであるかは定かではないけれど、こうして空だけを見てると異世界であることが忘れられるような気がする。


 だが、いつまでもそう呑気にしてはいられない。


 昨日の失敗を繰り返さないようにしなければ。


 僕は上体を起こし岩に腰掛ける。



「ゲームが無いと暇だなぁ……、魔法の仕様の検証でもしてるか……」



 魔物が出る危険地帯で夜警は必須なはずだ。


 カノンにお世話になった分、こういったところで返していくことにしよう。


 朝になってカノンが起きたら、少し仮眠を取ってまたレベル上げだ。


 僕はファイアボールをポコポコ撃ちながら、時折眠気を覚ますためにウォーターショットを打ち上げ水浴びをしながら、夜が明けるのを待った。

メジロブライト好き。

ほっぺもちもちしたい。

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