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止血

「貴様ら、戦いを諦めたのか?」

「……戦う理由が無いので」

「我にそんな風にされてもか?」

「全部そっちの正当防衛でこっちの自業自得ですよ、これ以上無駄な事する必要無いでしょう。それに魔物化の魔術に対する対処法も既にこっちにはある。もう僕たちから仕掛けることは無いです」

「……チッ、興が削がれてしまった。だが良い判断だ。自らをそんな姿にされても尚、私情より仲間を選ぶとはな」



 たしかに、この姿どうしよう……。


 鏡が無いからちゃんと確認できないけど、完全に見た目化物だよな多分……。


 ていうかタルタロスさんもよく見たら額の角が伸びてないか……?


 これもう町に入れないし国にも戻れないでしょ……。


 いや今はそんな事よりタルタロスさんの手当てをしないと!



「タルタロスさん!傷口見せてください!」



 タルタロスさんは何も言わず傷口を押さえていた手を退けた。


 矢は深々と突き刺さるどころか背まで貫通してしまっている。


 白い肌が赤黒く腫れてしまって見ていてとても痛々しい……。



「……まずこの矢を抜かないと……」

「幸い鏃にかえしが無いですので抜こうと思えばサッと抜けるのですが……、抜く前に止血剤を用意した方がいいのですよ」

「止血なら僕ができます。触った感じ、自分以外の血も操れるみたいで……」

「血を操るだと?そうか、君の腕もそれで……うっ……」

「あ、あまり喋らない方が……」



 タルタロスさんも初めて能力を使った時はこんな感覚だったのだろうか?


 色々試してみたい好奇心に駆られるが、今はそんな場合ではない。



「じゃあ抜くのはリタに任せて欲しいのです、一応弓専門ですので。抜く時は勢いが大事なので一気に行くのですよ!」

「やめっ……待ちたまえっ……、まだボクのこ……心の準備が……」

「じゃあ三のタイミングで抜くのですよ!」

「わ、わかっ……」

「南無三っ!!」

「うあ゛あっ!!?」



 ひでぇ……。


 いやでも不意にやった方が変に力まなくていいんだっけ……?


 ひとまず止血だ、自分の血じゃないからか結構集中しなきゃいけないけど、溢れる血を止めることはできた。


 タルタロスさんは不意打ちで矢を引き抜いたリタさんを恨みがましげに右足でゲシゲシと蹴っている。


 ここまであの皇帝が何もして来ないのを考えると、やはりこっちから仕掛けないと何もして来ないという推測が正しかったのかもしれない。


 どうしてそんな縛りプレイをしているのか分からないが、こちらにとっては都合がいい。


 どう足掻いても勝てはしなさそうだし、できる事ならこのままやり過ごさせてもらうとしよう。

今週のメイドインアビスのナナチとベラフの登場シーンの構図がかっこよすぎて好き……。

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