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領土

 ルブルム王国は所有する領土の西側に王国を築いている。


 グランブルク領土やリベルグ領土に近く、他国との抗争が発生した場合真っ先に主戦力を投じる事ができるようにという狙いらしい。


 人間界の南の土地を支配しているリベルグ帝国はステラ神治国に苦手意識があるらしく、領土のやや東側に国を築いている。


 おかげでこの国からリベルグ帝国までは案外遠くない。


 馬車で片道およそ7日間だ。


 とりあえず余裕を持って8日分の保存のきく食料を買い、方々に挨拶を済ませ、僕たちは旅の準備を終えた。


 南門で待ち合わせていたリタさんと合流し、日が高いうちに出発する。


 ちなみに7日間の旅路を快適に過ごすために、馬車内で使うための絨毯やクッション、毛布なんかもしっかり準備してきた。


 これからだんだんと肌寒くなってくる時期らしい。


 この世界にも四季があるようだ。


 リベルグ帝国は四大国の中でも最も寒さが厳しいらしいので備えは万全だ。


 まあ今の時期的にはまだ秋の始めあたりだからそんなに身構えなくてもいいかもしれないが。



「そういえばこの積んである荷物は?」



 馬の手綱を握るリタさんに尋ねる。


 馬車内には僕たちの荷物の他に木箱が2つ積んであった。


 結構な重量がありそうだ。



「ああ、それは温石なのですよ」

「温石……?」

「熱すると長時間一定の温度を保ち続けてくれる石なのです。お風呂の温度を保つために使ってる物なのですが、余りがあるのでリベルグで売りさばこうかと思ったのです。布で包んでおくとずっと温かいので寒い時期の必須アイテムなのですよ」

「へぇ……そんなのがあるんですね」

「旅の護衛で稼いで、旅先で余りものを売って稼いで、ついでに馬車の預け代も浮く。一石三鳥なのです!」



 そういうところは結構しっかりしているというかちゃっかりしているというか。


 もしかしたら店舗を持たずに旅の商人を続けていた方が儲かるんじゃないだろうか……?


 そう思ってそれとなく聞いてみたら。



「リタが目指してるのは働かなくてもお金が入ってくるようにすることなのです。お店を持って従業員を雇って、売り上げから経営にかかる費用を差し引いて出た利益で細々と生活できればそれでいいのですよ」



 と言った。


 ものぐさな考えだが共感はできる。


 だからこそ大衆浴場という、ルブルム王国には普及していない穴狙いの店を開いて一発当てようとしたのだろう。


 まあ一発目は撃沈したわけだが……。


 そんな話をしたりして暇をつぶしながら、保存食ばかりだと飽きるから時々狩りをして肉を焼いて食べる。


 3日経ったあたりで国境の関所に着いた。


 お互いの国の動きを監視するための場所だが、ここでリベルグ帝国の硬貨を買ったりすることもできる。


 貨幣価値としては等価で交換できるのだが、手数料は取られる。


 全額換金するのではなく、必要最低限だけにしよう。


 多分帰りに換金する時もさらに手数料を取られる流れだ。


 換金した分は使い切る気持ちで行こう。


 そんな感じで僕たちはリベルグの領土に足を踏み入れたのだった。

スタバに寄ったら新しくマローネカシスフラペチーノというのがあったので飲んでみました。

カシス要らないと思います。

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