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立地

「着いたのです、ここがリタのお店です!」



 白い外観の建物の入り口付近で止まる。


 思っていたより大きいし、扉の装飾も凝っている。



「へぇ……、意外と豪華そうなお店なんですね……」

「あっ、そっちはただのご近所さんなのです。怖いお兄さんの居る宝石店なので入ると何かしら買わされる羽目になるのです。リタのお店はこっちなのです」



 リタさんの指差した先は白い建物とレンガの建物の間、そこにはギリギリ人が二人並んで通れるくらいの隙間があった。


 この路地裏に店があるという事らしい……。



「あの……、せめて看板置かないと、この先に店があるって分からなく無いですか……?」

「看板置こうとすると宝石屋のお兄さんに怒られるのです……」

「なんていうか、立地悪すぎじゃありません?」

「で、でも商業区にしてはかなりの安値だったのですよ!?こんな物件なかなか無いから今決めないと次来た時には売れちゃってるかもって……」

「まんまと口車に乗せられちゃってるじゃないですか……」



 正直そんな感じで商人やってて大丈夫なのかと心配になってくる……。


 僕たちは路地を通った突き当りの店に入った。


 リタさんは貸し切りの立札を店の前に置く。


 店の仲は浴場特有の湿気が立ち込めている。


 立地的にほとんどが他の建物に囲われている形になっているが、換気とかちゃんとできているのだろうか?



「じゃあ、貸し切りのお代だけいただくのです。お客さんは今は居ないので好きに使ってくれていいのです。あとこれ、タオルと荷物置き用の部屋の鍵です、貸し切りなので盗難とかは無いと思うのですが念のため」



 ロッカー代わりに個室になっているのか。


 場所は取るかもしれないがそう言うところはちゃんとしているんだなぁ。


 タオルを貸してくれるのも良心的だし、店としてはかなりしっかりしているんじゃなかろうか?


 でも立地がなぁ……。



「それじゃあ入りますか。タルタロスさん、カノンの事よろしくお願いしますね」

「承知した」

「レイは入らないのか?」

「いや入るけど、……男湯と女湯別々だからな?」

「えぇ~、レイと入りたかったのに!」

「いやいや、お店なんだからちゃんとルール守らないとダメだろ?」

「貸し切りですし別にいいのですよ?」

「ちょっ!?」

「いいってさ!行くぞレイ!」



 だからこの歳で混浴は色々アウトなんだって!


 ……いやでも、僕とカノンは夫婦なわけだし、別に問題無いのか……?


 なんだかもう僕の倫理観が正しいのか分からなくなってきた……。



「あ、あの……、タルタロスさんはどう思います?」

「ふむ、君とは下の世話までしてもらった仲だ。今更裸を見られたところでどうとも思わんよ」

「えっ、あ、いや、そういう事ではなく……」

「むしろボクばかり見られたのでは不公平ではないか。君のも見せたまえ」

「まっ……!り、リタさん助けて!」

「民事不介入なのです」

「見捨てられた!?」



 僕はカノンに連行され、タルタロスさんの協力により身ぐるみを剥がされてしまったのだった……。

リコリコはいいぞぉ……。

個人的にメイドインアビスと並んで今期の良アニメトップですね。

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