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面談

 魔法陣がどうとか僕が見ても何も分からない。



「それは本当に魔法陣なのか?ボクの全く知らない式が……」

「本来魔法陣の式は印なんかを組み合わせて魔術を発動させるらしいんだけど、なんか俺だとこのミミズが這ったような魔法陣でできちゃうんだよね。いや、一応他人でもこれとまるっきり同じ魔法陣を使えば同じことはできるんだけど」

「……タルタロスさん、僕にも分かりやすいように解説お願いできませんか……?」



 魔術の話はなんとなくの知識しかない僕にとって蚊帳の外だ。


 カノンの相手をしているのもいいが、個人的にも魔術の話には興味がある。


 せっかくだからこの機会に色々と教えてもらいたい。



「魔術というのは言わば物質の変換だ。魔法陣は元となる物質を何に変換するか、どう形作るか、どう操作するかなど、おおまかに言えばそれらを決める役割がある。操作の部分に関しては言葉で代替することも可能だったりするがね。そしてそれらの情報を魔法陣に書き込む時、特定の印……分かりやすく言うと文字だ、それを掛け合わせ組み立てていくことで元の物質を糧にあらゆる事象を発生させることができるのだよ」

「実演して見せたらどうかな?はい、紙とペンと供物の銀貨」

「あ、ああ……」



 ノヴァ様がどこからか道具を取り出しタルタロスさんに渡す。


 そこにタルタロスさんが魔法陣を描き始める。



「例に倣ってスープを温め直す式だ。温度は適当だが同じように皿を乗せるだけで魔術が発動する作りにしてある」

「見比べてみよう。……これが俺の作っただいたい同じ効果の魔法陣だ。全然違うだろう?」



 ノヴァ様が光で魔法陣を描く。


 たしかに比べてみると一目瞭然だった。


 印がそれぞれ何を表しているかまでは分からないが、タルタロスさんの魔法陣に書かれた印は文字として認識できるが、ノヴァ様の魔法陣は印というより幾何学的な模様のようなものだった。


 そして効果は同じく、スープから湯気が立ち始めた。



「ね?意味分かんないでしょ?俺も意味分かんない」

「で、でもノヴァ様はそれで成功するって知ってるわけですよね?」

「知ってるっていうか、こうしたいなって思った通りにできる魔法陣が自然と頭に浮かんでくるんだよね。それが何でなのかはマジで分かんないんだ」

「問題はそこだけではない。供物の変換に関して、密度に対し質量の大きい物質ほど、純度の高い物質ほど変換の効率が良くなる。ボクは今銀を使ったが、陛下は片手で持てる程度の岩を供物にした。変換効率は相当低いはずだが、銀貨と同等の性能を発揮している。そんなことがあり得るのか……?」

「そうなんだよね、なんかよく分かんないけど俺が作った魔法陣だと変換効率がすごい高いみたいなんだ」

「……はぁ、こんなものを訳も分からず使用しているというのか……。だが、再現可能という事は魔術としてのルールを逸脱していないという事だ。仕組みが解明できれば魔術が大きく進歩するぞ……」



 タルタロスさんはノヴァ様の魔術に興味津々といった感じだ。



「実はこの国の魔術研究機関の研究対象はほぼ俺の魔術の事について研究してるんだ」

「そうか、ならボクはその部署に就くことにしよう」

「おっけー、そう手配しとくよ」



 どうやらタルタロスさんの所属が決まったようだ。


 もしかしてこの会食はそういった面談も兼ねているのだろうか……?

RPGってやり始めの熱量のまま一気にクリアしないと途中で飽きてやめちゃうんですよね。

その点ローグライクゲームってクリアまでのスパンが短いし、何度も最初からを味わえるので好きなんですよ。

似たような所でいくとAPEXとかも好きですね、長くても20分台で終わるので。

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