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接点

 3日間カノンと過ごして、カノンの変化を実感した。


 前みたいに一人で勝手にどこかへ行くことが無いし、ワガママもほどほどになった。


 聞けば「もう子供じゃないから」と答る。


 あくまでも予想だが、母親と喧嘩をする原因になった「大人になれ」という言葉に反発して、今まで過剰に子供のように振る舞っていたんじゃないだろうか。


 一周回って今の方がちゃんと歳相応の子供らしい気がする。


 さて、今日はハインリーネ様に呼ばれた当日だが、カノンも行くというので連れてきた。


 手紙では一緒じゃなくてもいいとのことだったが、別に連れてくるなとは書いてなかったし大丈夫だろう。


 王宮の番をしている兵に招待状を見せ、僕とカノンとタルタロスさんの3人は城内へ入った。



「げっ……」

「げっとはなんだ。それはむしろ俺のセリフだ」



 書類を運んでいるオーフェンさんと鉢合わせてしまった。



「お前女二人も侍らせてんのにうちの妹にも手を出してたのか殺すぞ」

「いやだから手を出してるとかじゃないですって……」



 オーフェンさんは相変わらず隈のついた眼でじっとりと僕を睨みつけてくる。



「なんだね、カノン君以外にも嫁候補がいたのかね?」

「タルタロスさんまで茶化さないでくださいよ……」

「お、おい……今タルタロスって言ったか!?」



 あっ……。


 そういえばオーフェンさんはタルタロスっていう名前を知っている人の一人だった……。


 それとなくアイコンタクトでその事をタルタロスさんに伝える。



「ああ、ボクがタルタロスだ」

「偶然か……?400年以上前の人物だぞ……?」

「ボクの名を知ってるのかい?とは言ってもこの名は世襲制で、君の知っている相手がボクかは分からないのだが」



 世襲制(初代)である。


 オーフェンさんはその回答に「なるほど……」と呟き、ひとまずは納得したようだった。



「えっと……、この方は王国の魔術研究機関の人で……」

「勝手に紹介するな。自己紹介くらい自分でできる」



 オーフェンさんが僕の言葉を遮ってタルタロスさんの前に出る。



「俺はルブルム王国の魔術研究機関、魔術解析部部長のオーフェン・マーキスだ」

「ご紹介の通り、ボクはタルタロスだ。専攻は魔術。オーフェン君のお眼鏡に適うかは分からないが、魔術解析部部長なんて肩書の君とは魔術について語らいたいものだね。だが今は騎士団長様にお呼ばれしているからこれで失礼するよ」

「あ、ちょ……」



 引き留めたそうにしているオーフェンさんを振り切ってタルタロスさんが先に行ってしまうので、僕もそれに倣って付いて行った。


 詮索される前に立ち去ったのは正解かもしれない。


 オーフェンさんは割と強引な人だし……。


 今回タルタロスさんと接点を持ったことでまたややこしい事にならなければいいけど……。

毎週メイドインアビスでSAN値削られてますが元気です。

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