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病床

 ほどなくしてカノンは力なく膝を付き倒れ込んでしまった。


 満身創痍のカノンの介抱をし、そのまま背負って一旦拠点へと戻った。


 突然現れたあの仮面の男はいったい何だったのだろう。


 タルタロスさんも黙っちゃうし、リーヴァ様は不機嫌だし、ハインリーネ様は腕組して考え事してるし。


 一応魔族の撃退には成功したはずなのだが、どうしても空気が重い。


 勝った気がしない。


 事実倒せたのはあまり強くない魔族ばかりで、割と厄介だった分身能力の魔族やハルクにダメージを与える事は出来たものの取り逃がしてしまっているし、仮面の男の事も地中から刃を生やすエリアを作っていた敵の事もよく分からずに終わってしまった。


 大規模で侵攻してきたわりにはあっさりと身を引くし、分からない事だらけだ。


 だが、それより今は早くカノンにちゃんとした治療を受けさせてもらわないと……。


 第三部隊は役割上後方待機が多いため、医療班としての仕事も兼任しているらしい。


 エリカさんは既にそこで治療を受けている。


 カノンもそこへ連れて行く。



「───カノンさんは命に別状なしですが、右腕2個所と右手の人差し指と中指、肋骨が3個所骨折、後頭部と骨盤にヒビが入っています。少なくとも2ヶ月は絶対安静です。もう一人の方は両腕と左足と肋骨の複数個所骨折、背骨にも損傷あり、折れた肋骨が右肺に刺さっていて現在それを取り除くための手術中。その他複数の臓器にも損傷が見られ、手術が上手く行ったとしても助かるかどうか。むしろこの状態で生きていることが不思議なくらいですよ」



 フレーマ様が僕たちにそう報告する。



「まったく、団長が3人も居ながら何してたんですか。その場の勢いで子供を騎士団に勧誘するわその子の暴走を止められないわ、しまいには敵を取り逃がすわ。そもそも敵の主力にダメージを与えることができたのがカノンさんただ一人って、団長の面目丸潰れじゃないですか」

「返す言葉もない……」

「私たちがカノンちゃんを止められなかったせいで大怪我もさせてしまいましたわ」

「その辺はカノンを部下にした以上全部オレの責任だ、対応は後で考える。とりあえず今は取り逃がした魔族についてだ」



 その辺について団長同士での会議をするそうなので、ひとまず部外者の僕とタルタロスさんはカノンの病床まで案内された。


 カノンは既に意識を取り戻していたようで、僕を見るなりママのところへ連れて行って欲しいと頼まれた。


 アドレナリンの作用も切れ、もはや介助無しではうまく歩けないカノンに肩を貸し、ゆっくりとエリカさんの病床へ向かった。

ラーメンのスープ全部飲んだせいか胃の調子がよくないです。

でも寝れば治る。きっと。

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