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鼓膜

「レイピアなんて持って、まさか師匠と同じく双剣になれば戦えるなんて安易な考えで実行したのか?どう思うよレイ君」

「ど、どうでしょう?カノンって結構その場のノリで行動しがちなところもありますけど、遊んでる場合じゃないっていうのはカノンも分かってるはずです……。なんだかんだ戦いのセンスは並のそれではないので……」

「ですが、双剣を使うにしても見よう見まねでできるとは思えません。左右の剣の重さも違うでしょうし、かえってバランスを崩す可能性の方が高いかと……」



 ルーナさんが言う通り、むしろ弱体化してしまうんじゃないかと僕も思う。


 何か考えがあっての行動なのだろうか……。



「何戦おうとしてんだカノン!さっさと戻れ!」

「さっきの小娘か。懲りずに向かってきたと思えばなんだその爪楊枝は?リーヴァの猿真似でもすれば私に太刀打ちできるとでも思ったか?」



 カノンはそんな挑発に応答せず相手との距離を詰めた。


 ハルクの拳を右手の聖剣で受け流し跳躍する。


 狙いは首から上へ。


 リーヴァ様と同じく目を狙うのかと思ったが、違った。


 カノンが攻撃したのは耳。


 耳孔へとレイピアを突き立てる。



「があっ!?」



 ハルクは大きくよろめく。


 もしかしてカノンの攻撃が通用したのか……?



「ほう、なるほどな」

「なるほどって、どういうことですかタルタロスさん」

「カノン君は文字通り鼓膜を攻撃したのだよ。鼓膜は人体でトップレベルに薄い皮だ。その上音を……空気の振動を受信し脳に送るという役割上、硬化させればその役割を果たせなくなる。奴の弱点の一つだったという訳だ」

「弱点の一つって事は他にも弱点が……?」

「内臓だよ。鼓膜と同じく、人体の機能としての役割を果たす都合上、硬化してしまう事で不都合が起こる可能性は高いだろうね」



 思い返せばハルク自身が「鼓膜にならダメージを」なんてことを言っていた気がする。


 それをヒントにレイピアを使うに至ったのだろうか。


 脳まで貫通できていたのなら致命傷のはずだが……。



「きっ……貴様あああああ!!!!!」



 おそらくそこまで至っていなかったのだろう。


 この結果はむしろ相手の怒りを買う事に繋がってしまう。


 ハルクは再び拳を振る。


 今までのあしらうような拳ではなく、相手を潰さんとする覇気が込められた一撃であることが僕にも伝わってくる。


 カノンも聖剣を正中に構えた。



「カノンちゃん!剣で受けてはダメだ!!!」



 ハインリーネ様が叫びながら魔法を使う。


 カノンの前に結界が張られるが、ハルクの拳はそれをいともたやすく貫通した。


 向かってくる拳に剣を合わせる。


 受け止められるはずがない。


 誰もがそう思ったはずだ。


 しかし、拳と剣が接触する直前、カノンは剣から手を離したのだった。

在宅での仕事なので日中は結構快適なんですが、壁が日中の日の熱さを蓄えるのか、夜になると昼間より蒸し暑いんですよね……。

壁にヒートシンクとか付けれたりしないですか?

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