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質量

 彼女は背中に背負った剣を引き抜き構える。


 僕はそこから少し離れたところで止まり、麻袋の中をまさぐる。


 火属性魔法の他に、水属性、風属性、地属性、聖属性の魔法書があったはず。


 この中で効果がありそうな魔法はどれだ……?


 ポケモンだったらいわタイプに相性が良いのはみずタイプだが、流石に脳死で水属性魔法を取るのは安直すぎる気がする。


 魔法云々は置いておくとして物理法則は今のところ元の世界と同じなんだ、岩にダメージを与えるには相当な水圧をかけるか相当な年月をかけて水を浴びせ続けるしかないんじゃなかろうか?



「我が名はカノン!聖剣に選ばれしゆうぅぅううわぁっ!!!おい貴様!名乗り上げている途中に攻撃するとはなんと卑劣な……っのわぁあ!!!」



 ゴーレムに名乗っても意味ないんじゃなかろうか。


 少女の名乗りを無視してゴーレムは巨大な拳で少女に攻撃を仕掛ける。



「我が名はっ……わがっ!ちょ……、我が名はカノっ……貴様ぁ!ちょっとは待たんか!!!」



 やってることは阿呆だが、なんだかんだゴーレムの拳を躱し続けている。


 あの子意外と高レベルなのかもしれない。


 とはいえ早く打開策を考えなければ……。


 あの攻撃を食らってしまったらひとたまりもないだろう。


 地面に拳の跡が残る程の威力だ、人の体で耐えられるはずもない。



「人の話はっ……!最後まで聞きなさいとっ……!お母さんにっ……!教わらなかったんですかっ!!!」



 そもそもゴーレムにお母さんとか居ないだろ。


 とか思いながら打開策を考えているとその時、攻撃を避けた少女の背後にあった岩に拳が衝突した。


 岩は無残にも砕け散ったが、ゴーレムの拳の装甲が少し割れ飛んで行ったのを僕は見逃さなかった。


 そうだ、よく考えれば簡単な事だ。


 硬いものには硬いものをぶつければいい話じゃないか!



「地属性魔法だ……!取得できる中で何か一番威力の高そうな魔法は……!」



 地属性魔法の契約をサッと済ませ、ステータスウィンドウを開いて魔法ページのスキルツリーを確認する。


 今のスキルポイントで取得できる魔法は「ストーンビット」「ストーンウォール」「ロックスパイク」「グランドディテクション」の4つ。


 魔法書で読んだ説明によると、ストーンビットは一番最初の魔法で、ファイアーボールの石バージョンみたいなやつ。


 ストーンウォールは地面から石の壁を出現させて防御する魔法。


 ロックスパイクは尖った岩を地面から伸ばして攻撃する魔法。


 グランドディテクションは探知系の魔法だから今は必要無し。


 この中なら一番攻撃力の高そうなロックスパイクを選ぼうかと思ったが……。



「違う……、硬さがほとんど同じなら必要なのは鋭さじゃなくて質量だ……!」



 鋼鉄とかでもない限り尖ったものを岩に打ち付ければ簡単に先端が潰れてしまうだろう。


 ならば面には面を打ち付ければいい。


 同じ条件なら質量とスピードが大きい方が勝つ!

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