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臨時

 第二部隊が抑えてくれているが、それでも隙間から溢れる敵を倒しながら進む。


 僕やハインリーネ様はもちろん、ルーナさんもタルタロスさんを左腕で抱え、右手でレイピアを使い敵を撃退している。


 相手してみて分かったが、この魔族単体としては僕でも普通に相手できるくらいに強くない。


 これなら体力オバケのカノンと戦闘狂なんて呼ばれてるリーヴァ様なら、キリが無かろうとも負ける事はないだろう。



「よし抜けた!レイ君、カノンちゃんを頼んだよ!」

「は、はい!」



 中心部ではいつも通り戦うカノンと、双剣で華麗に敵を捌くリーヴァ様の姿があった。


 排水溝へと流れる水のように押し寄せる魔族を二人で難なく相手取っていた。


 双剣だからという訳でもないだろうが、リーヴァ様はカノンの倍以上の数を相手にしていて、全体の7割近くをカバーしている。


 そこへハインリーネ様も加わり、処理速度は十分となっただろう。


 僕も僕の仕事をしなくては。



「カノン!あとは騎士団が全部やってくれるから僕たちは戻るぞ!」

「嫌だ!ママも今戦ってるんだぞ!」

「お母さんの事も騎士団が何とかしてくれるから!」

「ママは私が助ける!」

「今回ばかりはワガママ言ってられないって!」



 やはり言っても聞かないようだ。


 力ずくで連れ戻すしかない。


 僕は腰巾着の中身を探る。


 以前手こずらされたキノコの魔物の胞子をタルタロスさんの指示でいくらか回収したものがある。


 元々敵相手に使うつもりだったものだが、これで大人しくさせるにはこれを使うしかない。


 本当に無理矢理になるが、腕力では勝ち目がないし、これが一番被害の出ない方法なはずだ。


 戦闘中なら不意を突けるはず……。



「まあ待てよレイ、たしかに騎士団としては一般人は帰さなきゃなんねぇ。けど一つ抜け道もあるんだぜ」

「教えろシショー!」

「ちょ、ちょっとリーヴァ様!?」



 ってか今師匠って呼んだ!?


 2人きりの間に一体何があったんだ!?



「実際見て分かった。カノンはオレの団員と肩ぁ並べられるくらいには強え。カノン、騎士団に入れ。それで臨時でいいからオレの下に付けばお前も連れてってやる」

「リーヴァさん!?今こんな所でだなんて!」

「ハインもこいつの実力は認めてんだろ?一回断られたからってまたスカウトしちゃいけねー決まりなんてねーだろ?」

「それはそうですけど……」

「カノン、今決めろ。騎士団に入ればお前も戦っていい、嫌だったらオレも力ずくでお前を帰らせる」



 一瞬カノンの動きが止まる。



「……わかった。入る」



 ……そこまでして自分の手で母親を助けたいのか……?



「よし、じゃあまずは入団試験だ。ここはオレたちに任せて、このうじゃうじゃ魔族の本体を倒せ!」

「わかった!」

Steamで「Despotism 3k」という倫理観の欠片もないゲームが期間限定で無料で手に入るそうです。

なかなか難易度が高いですけど良いゲームなのでこの機会に是非。

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