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脱出

「か、カノン!!大丈夫か!?」



 僕は慌てて駆け寄った。


 倒れるカノンを抱き上げると普通に息をしていることを確認できた。


 特に外傷も見当たらない……。



「すや~~~……」

「寝てただけかい!!!」



 あんな大立ち回りの後にぶっ倒れられたら紛らわしいことこの上ない。


 ていうか「すやー」って言いながら寝るな。



「まあまあレイ君、魔物の残党を全て始末してから倒れてくれたんだから良しとしようではないか。それよりカノン君が始末してくれた魔物の残骸を集めてくれないかね?」

「え?は、はい。でも集めてどうするんですか?」



 まとめて供養でもするのかなとか思ったけどそういう事する人じゃないし……。



「供物にするのだよ」

「供物?」



 一文字だけ合ってた。



「ボクがどうやって先程の魔術を行使したと思っているのかね?」

「そりゃ魔法陣描いて……ああ、そういえば供物が必要なんでしたね」

「そう、カノン君が予め用意してくれていた大量の魔物の亡骸を供物としてくべた。その過程を悟られないよう目隠しを頼んだのだよ。魔術の知識がある者なら攻撃の規模が推測できてしまうからね、発動前に逃げられては元も子もない」

「あーたしかに山積みになってた死骸が綺麗さっぱりだ……。アハ体験じゃん」

「あは……とは何だね?」

「あぁいえ、こっちの話です」



 こっちの世界の話だ。



「それにしてももう戦闘も終わったのに何の魔術使うんですか?」

「このままだとボクが閉じ込められたままではないか。魔術で作った檻を魔術で壊すのだよ」



 カンカンと鉄格子を叩いて鳴らす。


 必殺の魔術の檻に対抗する術は同じく魔術だというわけだ。



「自分が脱出する分の事考えてなかったんですか……」

「なに、討伐が上手く行けばボクの事は君たちが助けてくれるだろう?」

「上手く行かず僕たちが二人ともやられてたら一生そのままだったわけじゃないですか……」



 なんだか、タルタロスさんって結構危ない橋を躊躇なく渡る人だよなぁ……。


 思えば魔族の調査に自ら魔界へ足を運ぶ人だ。


 頭脳派な上に勇猛果敢なのがこの人なのかもしれない。


 カノンと違った意味でなかなか無敵感のある人だ。


 僕はそんなタルタロスさんを救出するため、すやすやと眠るカノンをそのまま寝かせ、せっせと魔物の死骸を収集するのであった。




 タルタロスさんの救出が終わったところで、僕はストーンウォールによって焦げずに残った草むらの上で休息をとる事にした。


 カノンほどではないとはいえ僕も疲れた。


 多少焦げ臭い匂いが漂ってくるが気にしない。


 タルタロスさんが馬や荷物をこっちへ持ってきてくれるとのことなので、お言葉に甘えてカノンに倣い大の字に寝転がった。


 しばらくして馬の足音が聞こえ、タルタロスさんが戻って来たのかと思ったが……。


 足音はどう聞いても馬3頭をはるかに超える数だった。

観たいアニメが多くて大変だぁ(歓喜)

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