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分析

 前方から物音が聞こえてきた。


 金属同士を打ち鳴らす音や何者とも分からない咆哮が響いている。


 カノンの声は聞こえないが、彼女は元々戦闘中はいつものようにやかましくない。


 つまり現時点でのカノンの安否はまだ分からないということだ。


 物音的には戦闘音のはずだが、あまり大規模な戦闘ではなさそうだ。


 ここからはひとまず隠密を意識して馬から降りて近づく。


 上りの斜面があり、物音はその先からのようだ。


 斜面に身を隠すようにそちらを覗き込む。


 声もより鮮明に聞こえてきた。



「クソッ!クソッ!なんなんだあのガキは!いつになったらくたばるんだ!?」



 ひときわ目立つ存在が向かって右方向に居る巨大な体躯のゾウだ。


 今の声の主はそのゾウの上に乗っている。


 この距離でも目視で角が確認でき、普通の人間ではない事が分かる。


 さらにそれを取り囲むかのように無数の動物たちがひしめいていた。


 動物の群れと対面するように、左側には小柄なツインテールの少女、カノンが居た。


 そしてそれを取り囲むかのように無数の動物の死体が転がっている。


 死屍累々を言葉通りに具現化したかのような惨状な上、続々と奥の森の方から動物たちが現れてはカノンと戦い倒されていく。


 だが明らかにいつものカノンよりは動きが鈍い。


 少なくとも朝からずっと戦い続けてるのだろう、もう限界が近いのかもしれない。



「タルタロスさん、あれって……」

「十中八九魔族だろうね、瘴気の度合いが違う。だが自らは戦わないタイプのようだ、おそらく魔物を操って戦わせているね」

「さすがにカノンといえどあんな人海戦術されたら持たないですよ!助けに行きましょう!」

「人海戦術というよりは獣海戦術だが、まず助けに行くより前に作戦を練ろう。無策に突っ込んだところで状況は変わらないだろう。幸いここからは割と距離がある、まだこっちには気付かれていないはずだ」



 そう言って僕の服を引っ張り坂の影へひっこめた。


 たしかにオオカミ4体で苦戦していた僕が行ったところでむしろ足手まといになりかねないが……。



「まだ大丈夫だ。カノン君はあの数を相手にいまだ傷一つ負っていない。少なくとも急を要する状態ではないはずだ」

「そうかもしれないですけど……」

「ああいうのは司令塔を叩かなければキリがない。とはいえ小娘1人を相手にしているにもかかわらず自身を護衛する部隊をきっちりと抱えている、意外と慎重派のようだな。口調の小物感とは裏腹になかなか手強い相手のようだ」



 タルタロスさんなりの分析を口にする。


 僕もだいたいは同じ意見だ。


 背後を取っても取り巻きに気付かれるだろうし、取れたとしても僕の魔法では決定打に欠けるだろう。


 タルタロスさんがどう戦うのかはまだ分からないが、本丸の相手はタルタロスさんかカノンに任せるしかない。



「僕にできる事は……、遠距離攻撃でのかく乱くらいですかね?」

「かく乱も重要な役割だ。魔法に頼るのも癪だがプランをひとつ思いついた。もしそれがダメだったら……その時はその時だ」

「大丈夫なんですかそれ!!?」

今更ですけどデーモンキューブってデーモンコアっぽくて役割のわりに名前負けが凄いですよね。

経験値箱みたいな適当な名前にすればよかったかな?

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