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商売

 それから数時間荷台で揺られ、空が赤くなり始めたあたりで馬車が止まり、今日のところは道の脇で野営することになった。


 さすがに馬車とはいえ1日以上はかかるか。


 それにただ馬に乗って移動するのでは無く、色々と荷物も運んでいる。


 ペースはカノンの足より全然遅い。



「そういえば自己紹介忘れてたのです!リタはフェリタって名前なのです!リタって呼ぶといいです!」



 焚き火を組み、3人がそれを囲んで夕食を摂ろうとなった時に、御者は元気にそう名乗った。


 一人称が「リタ」で、名前が「フェリタ」とのことだ。



「リタさんですか、僕は篠原励です、皆からはレイって呼ばれてます。それでそこに横たわってるのがタルタロスさんです」

「たるた……?なんか美味しそうな名前ですね!」

「タルタルソースじゃないですからね!?」



 僕も初見時そういう小ボケ入れようか迷ったことあるけど!


 名前でいじるの良くないと思って自重してたのに。


 っていうかこの世界にもタルタルソースって存在してたのか。



「美味しいですよねタルタルソース!ルブルム王国にも広まればいいのにって思うのです」



 たしかにルブルム王国では見なかったが、地域限定なのか。


 異世界人であるという身元を隠すためにも、そういう知識面の事も隠さなければならなかったな……。


 幸いあまり詮索はされずに彼女は次の話題へ移った。



「ところでタルタ……ロスさんはどうしてそんな全身不随状態に……?」

「呼びにくかったらタローと呼んでくれてもかまわないよ」



 と、タルタロスさんが口を挟む。


 結構気に入ってるのか?


 その呼ばれ方。



「タローさん!元気な感じがしていいですね!」

「今のボクは元気も活気も皆無だがね」

「病気か何かですか……?」

「魔物にやられたのだよ。野営をしようと洞窟へ入ったのだが、そこはキノコの魔物の住処だったようでね。幸い出入口付近だったから彼に何とか救出してもらったが、ボクは麻痺毒でこの有様というわけなのだよ」

「そ、それは災難ですね……」



 タルタロスさんは上手い事僕のユニークスキルの事は伏せて話してくれている。


 事前に口裏合わせをしておいて正解だった。



「ところでリタさんは何をしにルブルム王国へ?」

「それはもう商売ですよ!」

「じゃあ積み荷も商品だったんですね」

「そうです!本当はルブルム王国まで遠出することはあまりないのですが、大急ぎで王国に届けて欲しいものがあると頼まれたので、届けるついでに地方産のものを売ってひと稼ぎしようと思ったのです!」



 やっぱりちょっとがめついなこの子……。

「焼売」って単語だけ出されたら一瞬読めなくないですか?

「焼」と書いて「しゅー」と読み、「売」と書いて「まい」と読むっていうのがパッと出てきません。

広東語由来のようなので日本語話者が困惑するのもさもありなんって感じですけど。

そもそも「広」と書いて「かん」と読むのも出てこないですよね。

「東」を「とん」と読むのは麻雀プレイヤーなのでいけます。

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