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隷属

「というわけで、今のボクは人畜無害だ」

「それ自分で言います?」



 まあ実際タルタロスさん自体はそこまで戦闘力は無さそうだが……、それでも魔術に長けているし自衛の手段はいくつも持ち合わせてるだろうから侮れない。


 敵対している人間を捕らえるくらいの事は普通にやってのけるだろう。



「そんなことより報酬の話に移ろうじゃないか。豪華景品を用意した、せっかくだから何か当ててみたまえ」

「なんですか勿体ぶって……。この基地まるごとくれたりするんですか?」

「良い線行くではないか」

「えぇ……、僕正直お金とかで大丈夫なんですけど……」

「安心したまえ、それも含まれている」

「じゃあ何なんですか?豪華景品って」

「ボク」

「……は?」



 タルタロスさんは自身を指差して言う。


 つまりボクをあげますって事か……?


 なんだそのギャルゲーみたいな選択肢は!?



「いやいやいや!それこそ冗談ですよね!?」

「冗談なんかではないさ」

「えっ……、じゃあ貞操を捧げる的な……」

「いや、言葉通りの意味として捉えたまえ。まあ君が望むなら純潔を散らすこともやぶさかではない。なんなら隷属した後にそう命令すればいい」

「ぼ……僕まだ未成年なんで!!!!!」



 衣服をはだけようとするタルタロスさんの手を慌てて止める。


 どうしてそんな爆弾発言をすんなり言えるんだ!?



「っていうか隷属とか言いました!?えっ?奴隷制度とかあるんですかこの世界!?」

「なんだ、知らなかったのかい?……あぁ、ルブルムではそういうのは無いのだったかな?だがグランブルクではおそらく今も奴隷を扱っているだろう」

「は、初めて知りました……。グランブルクに居た時はほとんど王宮で過ごしてたので……」

「隷属契約は魔導契約と違って一方的な契約の押し付けでね。主人の方には何の制約もなく使える魔術だ。……そろそろ手を離したまえ、刻印ができないだろう」

「あ、はい……。えっ?刻印!?」



 タルタロスさんは僕が手を離した隙に胸元をはだけさせ、お茶(?)と共にいつの間にか火にくべられていた棒状のものを拾い上げる。


 先端は赤く灼熱している。


 まさか……焼きごてという奴では……?



「ちょっ!?何やってるんですか!?」



 タルタロスさんはその焼きごてを、止める間もなくはだけさせた自身の胸元に当てた。



「う……っ!ぐっ…………」



 額に玉汗を浮かばせながら1秒弱ほど押し当て、離した胸元には赤く腫れた上に小さく魔法陣が焦げ付いていた。


 僕はその痛々しい光景を見るに堪えず目を逸らしてしまった。



「……ふう。レイ君、血をくれ。唾液でもいい、早く」

「そ、そんな急に……」

「早くしないと僕が無駄に自傷しただけになってしまうだろう」



 血……?


 指先を少し切ってとかか……?


 とはいってもこの場に刃物は僕の剣くらいしかないし、剣でやると深く切ってしまいそうだし……。


 いや、唾液でもいいって言ってたか?



「じゃ、じゃあ唾液で……」

「それでいい、では刻印に唾液を」



 そう言われて僕は恐る恐るその刻印を舌で触れた。


 刻印の部分はまだ熱を帯びていて、ザラッとした感触が舌から伝わる。


 するとその刻印は淡く光った。



「よし、これで契約完了だ。ボクが君に隷属したことによって、ボクの資産もこの研究所も所有権は君に移った。ではこれからよろしく頼むぞ、ご主人様?」

「そんな強引な……、何でこんなことを……?っていうかご主人様っていうのやめてください……」

「ではこれまで通りレイ君と呼ぶことにしよう。こんなことをした理由は簡単に言うと、人と人という関係ではなく人と所有物という関係にするためだ」

「それに何の意味が……?」

「料理中包丁で手を切ったとしても包丁が罪に問われることが無いように、ボクが君を実験対象にしても法的には問題無くなるというわけさ」

「サイコパスかよ!?人畜無害って話どこ行ったんだ!?ってか人体実験する気満々じゃねーか!!?」

「人畜ではあるだろう?」

「一番取っちゃいけないところを取るんじゃねえ!」

会話メインの物語が好きなもので、意識せず書いているとずっとキャラが喋ってるだけの話になりかねないんですよね……。

特にこの作品は基本一人称視点なので余計描写が難しい気がします。

精進します。

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