5話 かっこかわいい再登場確実の御方
「行ってらっしゃいませ!」
セシリーがそう言って指をパチンと鳴らすと白い光に包まれた。
そして…
私は大きな爆発音と共に宙に放り出された。一瞬何が起こったか分からず目をパチパチさせていたが、だんだんと地面が近づいていることに気がついた。そして視界の隅には窓ガラスが割れ、煙が出ている部屋が見えた。あっ、これ今私落ちてる…?
「……。終わった…。ていうか私もうすでに人生終わってるんですけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!2回目ってどうなるの?いやそもそも私は生きていると言えるのか!?ちがぁぁぁぁう!そんなことは今どうでもいいんだ!えーっとえーっと…と、とにかく頭を守らなきゃああああ!もうそんな時間ないいい!」
どこかでパチンと指を鳴らす音がした。セシリーさんのよりいい音だった。すると私の体がフワっと浮き上がりゆっくりと下降し始めた。
「きゃっ!」
「大丈夫かい?」とキリッとしたかっこいい顔とそれに合ったタキシード姿&かっこいい声の人が私に顔を近づけてくる。今、なんと私は、この人に、いわゆるお姫様抱っこをされています。
やっば、こんなかっこいい人初めて見たかもしれない。どどど、どうしよう、今まで男の人にこんな見つめられたことないし困るんだけど!はわわわわわ、ドキドキしてきた。うわぁぁぁぁぁ元の世界では可愛い女の子達にしかときめいてなかったのにーーーーーー!!!なんでーーーー!あっ!そうだ!この人が女の子って可能性もあるじゃないか!なんで今まで気づかなかったんだろう…。
「おおっ!ボクを女だと見抜くとは…さすが選ばれただけあるな…」
「あっ、やっぱりそうだったんですね!まさか本当に当たってたとは……ん?私なんも喋ってなかったのに!?また心読まれてるーーーーーー!!!」
「ははっ、当たり前だろう。ボクは神だからね。それくらいできて当然だよ。」
「あ〜、そうですよね…」
あれ?でもセシリーさんついさっきその能力手に入れてたけど…しかもそれまでそんな存在すら知らないって感じだったし…
「あ〜、セシリー君はまだ生まれたばかりでね、まだ100歳手前ぐらいだったと思うけど…。あぁ、あと元からああいう感じなんだよ。」
そう言って、黒焦げになった部屋から出てくる同じく黒焦げのセシリーさんをちらっとみた。
「あぁ君はあの子の失敗に巻き込まれて落ちてきたのか…。セシリー君に代わって…すまないね、まだあまりこちらの世界に慣れていない時にあんなことになってしまって…」
「あぁ!いやいや、全然大丈夫ですから!そんな頭を下げないでください!」
「本当にすまないね…」そう言って頭を上げた。
「代わりにと言ってはなんだけど、君を選んだ人と知り合いだからその人のもとまで連れて行くというのはどうだろうか…?」
「えっ、いいんですか?ありがとうございます!」
「いいやこちらこそありがとう、それじゃあ…よっと」
そう言って私をお姫様抱っこしたまま空へ飛んだ。…飛んだ!?へ?このまま飛ぶの?
「そうだけど、いや、だったかな?」
「いや、そういう訳ではないんですけど…」
「けど…?」
「誰かに見られたら恥ずかしいな…って思ったんですけど…送って貰えるだけありがたいことなので…全然平気です!」
「そんな気を遣わなくて大丈夫だから……あぁ!そうだもう少し高めで飛ぼうか…?そうしたら周りからは大抵見えないから…」
「そんなことして貰っていいんですか?高所恐怖症とかでは無いので大丈夫ですけど…」
「じゃあそうしよう。」
地面をけるかのように空気を蹴った。すると一瞬のうちに周りにあった建物が消え、下を見るとこの辺り一帯がはっきり見えた。マンションのような建物(セシリーさんの所)もあれば小さなかわいいおうちもあって、The豪邸、みたいなのもあった。でも、色々な建物があり、カラフルでとても綺麗で、優しい感じがした。
「うわぁ…凄い…。」
「そうだろう…ボクもこの景色が好きでたまにここまで見に来るんだ。」
「そうなんですね〜」
「…もうすぐ着くよ、君が今から行く所はあのちょっと目立ってる家だよ」
「…え?あれ…ですか…?」
それはちょっとどころじゃないくらいおかしな家だった。
ここまで書いて、御方、御方言って、名前書いてなかった