三雲side④
あれから1ヶ月がたった。あの時感じたモヤモヤはまだ消えていない。梓ともなんとなく気まずくて連絡を取っていない。
こんなの始めてだよ…
「ひよっちどーしたの?ボーッとしたりなんかして?」
クラスで1番仲の良い比奈が話しかけてくる。しまった、ボーッとしてたか…急いで笑顔になって答える。
「ううん、何でもないよ!」
「そお?でも最近のひよっちなんかボーッとしてること多いからひな心配だよ~」
柊也が苦笑いしながら口を開く。
「まぁまぁ…三雲はゴールデンウィークの一件が相当こたえてるんだよ。とはいっても、あれからもう1ヶ月だ。いい加減元の三雲に戻れよ!いつもの三雲のほうが可愛いぜ!!」
は?あの時逃げたあんたがなに言ってんの?だいたいたかが2ヶ月ぐらいの付き合いで『いつもの三雲』とかわかったようなこと言わないでほしいんだけど!……………流石にそんなこと言えないか…取り敢えず愛想笑いしておこう…
「あっ!それでね!駅前にオープンしたカレー屋さんのバターチキンカレーがすごく美味しいの!ひな皆で行きたいな~」
…カレーか…最近食べてないな…よし今夜はカレー決定だね!!確かジャガイモと人参きらしてたな…
本田に買ってきてもらおう。
『今日の夕食カレー、ジャガイモと人参買ってこい』
送信っと。なんとなく本田の席を見る。
本田は今日も1人でで本を読んでいる。
ボッチで寂しくないのかな?
目元を隠してるあの前髪邪魔じゃないのかな…?
ダメだ…やっぱり本田のことを視ているとモヤモヤがどんどん強くなってくよ…
あっ!目があった!反射的に目をそらす。顔が赤くなっていくのがわかる。
なんなんだろう…私ちょっとおかしいよ…
「ひよっち!もぉ~またボーッとしてる~」
比奈の一言でハッと我にかえる。
「ごめん、ごめん。ちょっと考え事」
「もぉ…やっぱり最近のひよっちおかしいよぉ!まぁそこは取り敢えずおいといて、今日さ皆でカラオケいかない?」
「カラオケ?」
「そうそう!ひよっち最近ちょっと疲れてるみたいだし、パ~と歌ってストレス発散しようよ!」
たまには良いかもしれないな
「…うん!行く!」
「よ~し、それじゃあ今日のメンバーはひなと~ひょっちと森山ちゃん、柊也君と戸田と光大だね!!」
よ~し!このモヤモヤ忘れて歌うぞ~!!
と、3時間前は思っていた。
つい10分前私は皆と喧嘩してカラオケを飛び出した。
最初の1時間は皆でひたすら歌いまくった。私もモヤモヤを忘れてたくさん歌った。
それからみんなでポテトを摘まみながら少し話をした。くだらない話ばかりだったけどとても楽しかった。
でも光大君が
「そうえばさ、先週の休みに本田がメイドカフェ入ってくのみたぜ!!」
と言ったところで流れが変わった。そこからは本田の悪口大会になってしまった。
「アイツ本読みながらニヤニヤしてるよねマジキモくね?」
「話しかけたらめっちゃキョドるし!」
「つかさ、推しキャラのことはめっちゃ語るし」
「自己紹介マジヤバかった、誰も聞いてないっての」
なんだろう…どんどんモヤモヤが強くなっていく…それだけじゃない、本田を馬鹿にされてイライラがどんどん強くなっていく…
「やめて!!!!」
おもわず叫んでしまった。みんなが黙る
「やめて…本田のこと悪く言わないで…」
絞り出すように言う。比奈が恐る恐る口を開く
「アレ…もしかして…ひよっち、本田のこと好きなの?」
へ?…私が本田のことを…?顔が赤くなっていくのがわかる。
「べっ!べつにそんなんじゃ…」
柊也がやれやれというようにたちあがる。
「まったく、三雲が本田なんかを好きになるわけないだろ?」
なんかを?
「まぁ、俺たちも少し言い過ぎたあんまり陰口は…(パァン!!)うブッ!!」
私は柊也のことを平手打ちした。
「ちょっ!!ひよっち!!」
「なんかって何よ…」
「へ…?」
「なんかって何よ!!あの時…不良に絡まれた時あんたなにしたの?…逃げたでしょ!!私達おいて!!」
「そっ…それは警察呼びに…」
「何も言わずに?なんか一言ぐらい言えなかったの?」
「あ…」
「私達あの時見捨てられてすごく怖かったんだよ!みんな見て見ぬふりをして…でも、本田は違った…本田だけは私達のこと助けてくれた!!」
「本田が…?」
「あんたなんかより本田のほうが100万倍かっこいいよ!!」
それだけ言うと私はカラオケを飛び出した。
長くなってしまったので、もう一話だけ三雲side続きます
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