三雲side③
「止めろ」
えっ?本田…?
「んだテメエ、こいつらの知り合いか?」
無理やり私と肩を組んだ男が凄む。
「僕はこの人達のクラスメートだ」
堂々としている姿はいつもどことなくオドオドしている本田とはまるで別人のようだ。
「ただのクラスメートがなんのようだぁ?これは俺達の問題だ、怪我したくなきゃひっこんでろ」
もう1人の男が本田のことをなめ回すように見ながらそう嘯く。どうやら相当なめているようだ。当然だろう。男は相当筋肉がついていてがっしりしている。しかも2人だ。本田はお世辞にもがっしりしているとは言いがたい。しかもたった1人。敵うはずがない。
「きっ…君!気持ちは嬉しいけど…流石に危ないよ!」
梓が堪えきれなくなったように言った
「そっ…そうだよ本田!敵うわけないよ!私達がちょっと我慢すればいいんだから…」
「ほらほら、彼女達もこう言っていることだし、ほら退いてよ。これからダブルデートするからさ」
男はそう言うと本田を押し退けて前に進む。
本田はうつむいて唇を噛んでいた。…こんなときにあれだけど私は本田のことを少し見直した。
ハァァ~最高の1日になると思ったのにまさかこんなことになるなんてなぁ……しかも柊也には見捨てられて……
「待て!」
いきなり本田が叫んだ。
「もう一度言う。止めろ、彼女達をはなせ」
「ちっ…うっせぇガキだな!!」
梓の手を引いて歩いていた男が本田に殴りかかった。
「やめてぇ!!!」
思わず目を閉じる。
「ギャアアア!!!!!」
悲鳴が響き渡る。本田…やられちゃったんだ…
恐る恐る目を開ける。
…………
「え?」
…………
本田が殴りかかっていた男の肩関節を逆に決めて地面に押さえつけていた。男は苦悶の声をあげている。本田が私の横にいる男の顔を睨み付ける。男の顔が青ざめていくのがわかる。
本田がかすれた声で
「行け」
と言うと男は何も言わずに走り去った。
本田は押さえつけていた男も同じように追い払う。
本田はゆっくりと腕時計を見る。
「あっ!メイド喫茶しまっちゃう!!」
とだけ言うと本田は走り去った。
それからは少し大変だった。柊也は逃げたんじゃなくて警察を呼びに行っていたらしい。警察を連れて戻ってきた。
が、男達はもういなかったので少し小言を言って去っていった。
「何事もなくて良かったよ」
と柊也は爽やかに笑った。
逃げておいて何を今さらと言う気持ちで一杯だった。
一緒に遊ぼうと誘われたのを断って帰ることにした。
私と梓は何も言わずに歩いた。
梓の家の前に着いたとき梓は口を開いた。
「今日、大変だったね」
「うん…そうだね」
「私達のこと助けてくれた人ってひよりのクラスメート?」
「うん…そうだよ」
「そうなんだ…本田君だっけ…?」
「そう、本田」
「本田君って彼女とかいるのかな…?」
え?梓?
「ごめんね!!何でもない!それじゃバイバイ!!」
そう言って梓は家に入っていった。
なんだろう…なんでこんなにモヤモヤするんだろう……
次て三雲side終わりです!!
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