【声劇台本】ほんの少しだけ甘い朝
◾️◾️◾️登場人物◾️◾️◾️
マユ:学級委員長。真面目で世話焼き。マイペースなカナの世話を焼いていたらカナに懐かれた。
カナ:究極のマイペースで大体寝てる。のんびりとした口調で話す。熱心に自分の世話を焼いてくれるマユに懐いた。
※途中に出てくる「ミカコ」と「ルナ」は以下作品の登場人物です。
・【声劇台本】猫耳は偉大なり
・【声劇台本】焼きそばパンのお願い
◾️◾️◾️注意など◾️◾️◾️
・使用許可は不要です。
・自作発言はしないでください。
・一人称と語尾の改変はOKです。
・本文の内容も改変可ですが、全く別の内容に変わってしまうような大きな改変は控えていただけると幸いです。
◾️◾️◾️本文◾️◾️◾️
カナ
「マユちゃ〜ん」
マユ
「あら、おはよう。カナ。今日はちゃんと起きられたのね」
カナ
「うん〜。偉いでしょ〜」
マユ
「そうね。偉いわ」
カナ
「も〜っと、褒めても良いんだよ〜? 頭なでなでしてくれても良いんだよ〜?」
マユ
「なでなでって……。たまたま起きられたくらいで調子に乗るんじゃありません」
カナ
「むぅ〜。マユちゃんのケチ〜」
マユ
「ほら、さっさと学校に行くわよ。このままだと遅刻するわ」
カナ
「は〜い」
マユ
「そういえば、忘れ物はないかしら? 今日は急遽数学の授業が古典に変更になったけど、教科書はちゃんと持ってきた?」
カナ
「うん〜。バッチリ〜」
マユ
「そう。なら良かったわ」
※※※間(3秒)※※※
カナ
「あ〜。急に思い出したんだけど〜」
マユ
「どうしたの?」
カナ
「確か、冬休み前〜。え〜っと、クリスマス前に〜」
マユ
「2ヶ月くらい前ね。何があったの?」
カナ
「なんか〜。同じクラスの男子に〜告白された〜」
マユ
「へえ。告白されたの……って、こ、告白!? 告白って……あの告白!? その、"好きです"とか、"お付き合いしたいです"っていう告白!?」
カナ
「うん〜。俺と付き合ってくださいって〜」
マユ
「誰に告白されたのよ……」
カナ
「えっと〜。サッカー部の背が高い人〜」
マユ
「ああ、あのサッカー部の副部長の……。な、なかなか格好良い男子から告白されたのね……」
カナ
「あ〜。言われてみれば〜」
マユ
「というか、なんでそんな大事なこと黙ってたのよ……」
カナ
「え〜。何でだろ〜。なんか、あんまり印象に残らなかったっていうか〜」
マユ
「ほ、本当に……? 案外、そういうものなのかしら……?」
カナ
「多分なんだけど〜、あの後、ミカコちゃんにクリスマスパーティーやろうって言われたから〜。それで印象が薄くなっちゃったのかも〜」
マユ
「ああ、あのパーティーね。そうね。割と本格的だったものね」
カナ
「豪華なケーキとか〜、凝った飾り付けのクリスマスツリーとか〜。色々準備したもんね〜」
マユ
「単なる遊びだと思ったのに、随分と苦労させられたわ」
カナ
「元々は〜、"クリスマスの日もバイトが入っていて大変なルナちゃんに盛大なパーティーをプレゼントしよう!"っていうコンセプトだったんだよね〜」
マユ
「まあ、そのルナさん本人も、何故かパーティーの前日とか前々日くらいに手伝いに参加していましたけどね」
カナ
「そうだったよね〜。でも、ルナちゃん、準備してる時も少し楽しそうだったよ〜。それに、マユちゃんも〜何だかんだ言いながら楽しそうにしてたよね〜」
マユ
「ええ? そうだったかしら?」
カナ
「そうだったよ〜」
マユ
「私としては楽しんでるつもりはなかったけど、まあ、多少は……。って、そんなことを気にしている場合ではないわ。結局、どうしたのよ」
カナ
「どうしたのって〜、何が〜?」
マユ
「返事よ。告白の返事。何て答えたのよ。YESかNOか」
カナ
「ああ〜。そういうことね〜」
マユ
「そうよ。YESなの? もうその男子とは付き合ってるの?」
カナ
「もう〜。マユちゃんったら、圧がすご〜い」
マユ
「あ……。ごめんなさいね。ちょっと気になりすぎたのよ。で、どうなのよ?」
カナ
「NOだよ〜」
マユ
「ああ……。あなたも女の子だもの、恋愛に興味はあるわよね、やっぱり付き合って……え?」
カナ
「ん〜? 私はお断りしたよ〜?」
マユ
「な、何でよ!?」
カナ
「う〜ん。別に良いかな〜って」
マユ
「い、意外とあっさりしてるのね」
カナ
「そう〜?」
マユ
「でも、いいの?」
カナ
「何が〜?」
マユ
「あなたに告白した彼、割と良い人そうじゃない。それなりに格好良いし……」
カナ
「私、今はまだ恋愛はしなくても良いかな〜って感じだもん。告白されたらお付き合いしなきゃいけないっていうルールもないし〜」
マユ
「ま、まあ、そうね。恋愛に興味がないのに、無理してお付き合いするのは難しいかもしれないわ」
カナ
「それに〜。いつもマユちゃんが私のお世話してくれるから〜今はそれで十分かな〜って」
マユ
「はあっ!? な、なな、何よ……そんな、急に……」
カナ
「あれ〜? もしかして、マユちゃん、照れてる〜?」
マユ
「べっ……別に、照れるわけないじゃないわ。大体、私はあなたがダラダラしていて生活態度が悪いから世話を焼いているのよ。私、学級委員長ですから。だらしない生徒を見過ごすわけにはいかないの。分かるかしら?」
カナ
「うん〜。いつも、ありがとうね〜♪」
マユ
「あ、可愛い……じゃない! 可愛く言われたって、私は何とも思いませんからねっ!」
カナ
「マユちゃん、顔赤いよ〜?」
マユ
「なっ……そんなわけないじゃない。あ、あなた、まだ寝ぼけているんじゃないかしら?」
カナ
「え〜。お目目パッチリだけど〜。でも、今日は、ちょっと寝不足かも〜」
マユ
「寝不足って……。何言ってるのよ。あなた、年がら年中寝ているじゃない。寝不足になることなんてあるの?」
カナ
「ちょっと睡眠時間削っちゃったんだよね〜。"これ"作ってたから〜」
マユ
「何よ、その袋」
カナ
「手作りのチョコレートが入ってるの〜。私が作ったの〜。はい、マユちゃんにあげる〜」
マユ
「ああ! そういえば今日はバレンタインだったわね。だからこんなに可愛くラッピングして……ええっ!? わ、私に? これを?」
カナ
「そうだよ〜。いつもお世話になってるから〜」
マユ
「あ……ありがとう……。嬉しい……。大切に食べるわ……って違う! ど、どういう風の吹き回しよ。あなたが私にバレンタインのチョコレートを渡すなんて。もしかして、授業中の居眠りを見逃して欲しいっていう意図があるのかしら? 別に、チョコレートを貰ったって、授業中に寝ていたら叩き起こすわよ!」
カナ
「違うよ〜。いつもマユちゃんには助けてもらってるから〜、お礼の気持ちだよ〜。チョコレート、嫌いだった〜?」
マユ
「そんなわけないわ! チョコレートは好きよ。……ま、まあ、そういうことなら受け取っておくわ。……その、ありがとう」
カナ
「どういたしまして〜」
マユ
「でも、ホワイトデーのお返しは期待しない方がいいわ。私、あんまりお菓子作りなんかしないし……」
カナ
「別にいいよ〜。いつもマユちゃんが一緒にいてくれるだけで、私はいつも楽しく過ごせてるから〜」
マユ
「わ、わわ、私と一緒にいると……た、楽しい……?」
カナ
「楽しいよ〜って、あれ? また顔が赤いよ〜?」
マユ
「そ、そんなことないわ! というか、そろそろ行かないと、本当に遅刻するわ! 走るわよ!」
カナ
「ふふ、そうだね〜。急げ〜」
◾️◾️◾️おしまい◾️◾️◾️