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少女王女お買い上げとご褒美

俺はとうとうパラディスの王都に到着した。長い旅だったぜ…しかし感動するのは後だ。早速、お城に向かう。


「む? なんだ貴様は!」


「ちょっと待て…こいつ! 王女を部屋に侵入した奴だぞ!」


知っている奴がいたか…面倒臭い。俺は兵士に囲まれると鞄一杯の金塊を見せる。


『ッ!?』


全員目の色を変える。俺はそれを冷めた目で見る。醜い。


「き、貴様! 一体何者だ!」


「こ、これは没収だ!」


「はぁ~…雑魚は失せろ。王に伝えろ。大量の金塊を持った男が交渉を望んでいるとな」


俺は兵士に囲まれたまま、王に面会する。


「そ…そなたか? 金塊を大量に持っている男というのは?」


あんな可愛い女の子の両親がこいつらか…さっきからずっと目線は金塊に向けられている。まさしく金の亡者のような王様と女王だ。世も末だな。あの子と似ているのは女王の髪の色だけだ。国王は黒だったがどうでもいいな。やっぱり幼女こそ人類の救いだ。


「回りくどいのは嫌いなんだ。要件を言おう。このリュックには金塊がパンパンに入っている。俺はこれでユーフィリア王女を買い取りたい」


「いや…そうは言われてもな」


「なら、掛金を上げようか? こちらのリックもやる。同じ量が入っている。どうするよ? 王様?」


「それ全て金塊だと!?」


全員がざわつく。すると周りの人が慌てて進言する。


「お、王様! この条件、呑むべきです!」


「金額はサニーラ王国が提示した金額の4倍以上になると思われます! しかも条件は王女のみ。何より我々を下に見ているサニーラ王国の鼻を折れます!」


「そ、そうだな! よし! その条件を呑もう!」


おーおー。あっさり子供を売りやがったよ。この王国はたぶん長持ちしないな…こういう国の末路は悲惨な物だ。それは俺がいた世界の歴史が証明している。


まぁ、俺はユーフィリア王女を救い出せたらそれでいい。他の奴等がどうなろうと俺の知ったことではない。その後、俺はユーフィリア王女と再開する。


「あなたはあの時、私の部屋に突然現れた人! 確か牢屋送りにされた筈では?」


「それが…実は逃げられまして。王様が彼に姫様を嫁がせることを決定しました」


嫁がせるねぇ…完全にお金でお買い上げしているようにしか見えないんだが。


「どうしてそんなことに…」


「仕方がないことなんです。これからは外の世界で彼と生活を共にしてください」


卑猥にしか聞こえない俺はダメな大人なんだろうな~。


「…わかりました。少し待ってください。準備だけしてきます」


そして荷物を持ったユーフィリア王女と空になったリックを持った俺はお城を後にした。最後に王様が俺に聞いた。


「待て。お前は一体何者だ?」


「俺か? 俺はロリコンだ」


ふ…決まったぜ。


俺はユーフィリア王女とパラディス王国の王都の歩くとユーフィリア王女は物珍しそうに町並みを見渡している。


「もしかしてお城から外に出たことがないのか?」


「え!? あ、はい。初めてです」


話し掛けただけで怖がられている…ショック!でも、仕方ないかぁ。出会いが最悪だったからなぁ。


「気になるお店があるなら入ってみるか?」


「…いいんですか?」


「もちろん」


それからユーフィリア王女は片っ端からお店を入った。そこでユーフィリア王女のことを色々知った。


まず、お金を知らなかった。外に出たことなく欲しいものは言えば手に入るお城生活ではお金を知る機会がなかったみたいだ。


ただお金という物のせいで両親は喧嘩し、自分はお金のせいでお城からいられなくなるという認識だった。因みにその両親から一切お金を渡されなかったようだ。持たされたのは服と杖のみ。あの国王たちがゴミに見えるのは俺が異世界出身者だからだろうか?


俺はお金について、実際にユーフィリア王女が欲しいものを買い説明するとユーフィリア王女はお金をすぐに理解した。ユーフィリア王女はかなり賢いな。


「あの…今更ですがお金は大丈夫なんですか?」


「俺はお金持ちだから大丈夫だ。だから遠慮することないぞ」


たぶんサニーラ王国の宝物庫から盗んだお金だけど、証拠はない。


「いえ…もう大丈夫です」


そうは見えないけどな。遠慮しているのかな?


「ところで家にはどのくらいの時間で着くんですか?」


「俺は家をまだ持ってないから今日は宿屋に泊まろう」


宿屋で二人部屋に入る。ベッドが二つあり、シャワーとトイレがある。普通の宿だ。問題など起こるはずがない。その筈だった。


俺が先にシャワーを浴びて、ベッドで寛いでいると事件は起きた。


「お…お待たせ…しました」


「別に待ってなーー」


そこにはセクシーランジェリー姿のユーフィリア王女がいた。というか下着まで見えているんですけど!?ここは天国か!そうだ!きっとそうに違いない!暗い空間に大人の女神しかいない空間が天国の筈がない!俺は遂に天国を発見したぞ!


俺が大混乱しているとユーフィリア王女は俺に近付いてくると意を決して、手を退かす。


やばい…これはどう見てもやっちまうパターンだ。ユーフィリア王女は実はとんでもない痴女だったのか!?大ショック!でも嬉しいロリコンである。


「私を…これから抱くんですよね?」


ん?ユーフィリア王女をよく見ると震えている。顔は凛々しいが怯えているみたいだ。その様子から俺はある推測が頭に過り、熱が冷めた。


「…抱かない。そんな服装で寝たら、風邪を引くぞ? 普通の寝着はあるのか?」


「え? な、ないです」


「なら買いに行くぞ。外に出る服に着替えてきてくれ」


「は、はい! …あの、なんで?」


なんでか…疑問に思われるのは悲しいな。


「どうせお城で嫁いだら、その服を着て抱かれるように言われているんだろう?」


ユーフィリア王女は目を見開く。それから小さく頷く。そんなことだと思ったよ…だったら俺はロリコンとしてユーフィリア王女を抱くわけには行かない。


「俺はロリコンだ。無理矢理抱くのは主義に反する」


「ロリコン? ロリコンとはなんですか」


ロリコンを知らないか…ならば教えなければならないな。


「ロリコンとは小さな女の子しか愛せない者の総称だ。無理矢理抱くのは真の愛じゃない。だから俺は君を抱きはしない」


ロリコンが異常性癖者なのは認めよう。普通から小さな女の子を除外するなら、当然それを愛する者は異常なのだろう。だがロリコンを犯罪者とするのは決して認められない。


そりゃあ小さな女の子を誘拐したり、無理矢理襲ったりするのは間違いなく犯罪だ。しかし小さな女の子を愛することが罪か?小さな女の子に発情するのは犯罪なのか?断じてノーだ。


もしこれを犯罪というなら女に発情した男は全て犯罪者ということになる。俺たちロリコンが小さな女の子に感じている感情は普通の男が愛する感情と同じなのだから。


「え? では、なぜ私を?」


「君がサニーラ王国に売られると聞いた。俺はロリコンとして君を救う義務がある」


あの瞬間、俺は彼女の涙を見てしまった。ならばロリコンとしてやらねばなるまい。


「君が自分からサニーラ王国に本当に行きたいと言うなら、俺は君を止めない。俺と一緒に居たくないなら離れるのも自由だ。君が一番したいことを選ぶといい」


これが俺がユーフィリア王女に出来る最大限の愛だ。もちろん非常に残念な気持ちはあるが仕方がない。すると予想外の回答がユーフィリア王女からきた。


「…凄い我が儘を言っていいですか?」


「いいぞ?」


「私は…色々な世界を見てみたいです!」


うそ!?俺の能力に気付いている!?


「この国以外の景色を見てみたいんです!」


あー…そういう意味ね。


「なら明日から別の国に行くか」


「はい! ありがとうございます!」


初めて心からの笑顔を見た気がする。ロリの笑顔こそ至宝なり。


 「えーっと…あの…お名前は?」


「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はケーゴ。好きなように呼んでくれ」


「ケーゴさんですね。私はユーフィリア。長いのでユーフィと呼んでください」


ユーフィか…いい名前だ。さて、俺もそろそろ限界が近い。


「ユーフィだな。非常に残念なんだが着替えてくれるか? 出血大量で死んでしまう」


俺の鼻から鼻血が流れ続けていた。それを聞くと自分がずっとセクシーランジェリー姿をしていることに気付いたユーフィは顔を真っ赤にして、私服を持ち、浴室に向かっていった。その反応が俺の止めとなった。


その後ユーフィの寝着を買い、普通に寝たのだがユーフィのセクシーランジェリー姿が消えることがなかった。この世界最大の事件を俺は一生忘れることは無いだろう。

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