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白輝伝:出会い  作者: らくしゅ
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第4話 封気師

パトカーや救急車の明かりで賑わう工事現場を走り回り息を切らしながら大穴から這い上がった安住野は、埋没品が並ぶライトの中で掘り出された壷に描かれた文字を見ている五十代・長身の男に駆け寄り荒い息を整えながら状況を報告した。




「榊さん…鈴木さんを穴の中で見つけました。左肘から食い千切られ重体ですが、まだ生きています。いま応急手当を終え運び上げてます」




榊はうなずきゆっくりと救急車の後ろに向かい救急隊員より傷の手当を受けている監督に近づき言葉をかけた。




「川島さん…鈴木さんの生存が、確認されました」


「生きて…た…よかった」




青年の安否を心配していた川島は安堵の吐息を吐くと涙を拭ぐった。程なく鈴木は担架で救急車に運び込まれ板倉に付き添われ病院に搬送されて行った。救急車を見送る川島を促し榊は鑑識員達が、出入りする事務所に入り改めて自己紹介をした。




「五倫・封気師の榊です。


鈴木さんに同行したのは治癒の板倉・彼女には鈴木さんの治療に当たってもらいます。


結界の岩代・情報連絡に安住野…我々が妖魔を封じます。まず状況を教えてください」




川島は今までの事を語り「そして…鈴木君を助けようとしたら俺も外に引きずり出され危ないところを助けてもらい…ありがとうございました」恐怖に脅え震えが止まらない川島は言葉を続けた。




「あの化け物は、いったい何んですか。俺達は封印された鬼を掘り返して…伝承どおりここは、禁忌の土地だったのでは」




榊を見上げ答えを待つ川島に榊は、頷き返しゆっくり語り始めた。




「あれは妖魔を六封印と髪糸で閉じ込めたもの。封印の力が弱り、今掘り出さずともいずれは覚醒した者達です」




「しかし…掘りだした為、鈴木君は腕を失い」


後悔の思いで唇を噛み・きつく拳を握り締める川島に岩代が言う。




「川島さん・あなたが妖魔に立ち向かわなければ、恐らく鈴木さんの命は無かったはずです。そして私達もあなたが、いなければ無事では済みませんでした」




榊達が現場に到着したのは、約束より遅い六時半過ぎだった。車より降りるとき妖魔に襲われたが、川島が投げたスコップに妖魔が、怯み反撃捕まえる事が出来た。川島の機転がなければ誰かが、傷を負っていただろう。




「あなたが責任を感じる必要はありません。幸い封印の手掛かりが、手元に残っています。掘り出した妖魔石は五個…ですか」


「ええ…岩は五個でした」


「とすると二体捕まえたから…残り三体ですね」安住野が、指を折り数える。




「アズ・お前は陣所に戻り壷の文字を解読。必要なら宮継の古書も使わせて貰い奴らの弱点を見つけろ。俺と岩代は奴らの気を追う」


「あれっ…俺…一緒じゃないんですか」


榊達と同行するつもりだった安住野は残念そうに言う。




「板倉の車を陣所まで頼む」板倉より預かっていた車のカギを安住野の手に握らせ八才年上の岩代は、にっこりほほ笑んだ。




「いつも岩代さんばかり」「悔しかったらもう少し気の鍛練をするんだな…坊や」




長髪を一つに束ね安住野より少し大きい岩代は、年下の封気師を何時もからかいの種にしていた。




十九才まだ経験の浅い安住野は、反撃する事も出来ず頬を膨らませていた。




死人は出なかったもののまだ気が、許せない中にじゃれ始めた二人の頭を軽く小突き榊は、次ぎの指示を出す。




「アズ・二時間後携帯に連絡・合流しろ。川島さん…私達はこれで」「あの…あれはどうしましょう」




不安気に川島が、休憩所の片隅を示す。そこには結界石を使い幾重にも張られた結界の中・岩代の髪と麻糸で作った髪糸に縛られ眠る妖魔が二体いた。




「あのままでは何も出来ませんよ。封印方法が、判りしだい処理しますので、このまま置いといてください。警備の者も居ますし大丈夫です。送らせますので川島さんも病院で板倉より治療を受け休んでください」




「ありがとうございました…どうかよろしくお願いします」


川島は深々と会釈をした。




榊は近くに居た顔見知りの警官に手短く現場の指示を出し病院へ向かう川島と別れ車に向かった。




途中パトカーの無線を使い交信している男を見かけ近寄った。


事件担当の警部・原田健吾が、榊に気付き「配布終わり・全員パトロールに向かいました」




大男には不釣り合いな色鮮やかな布袋の束を手に下げ軽く敬礼をする原田。五倫に在籍する警察関係者で榊と同じ攻撃を得意とする武官である。




危険な妖魔の封印・退治・気の乱れの修正を組織で請け負うことで、個人のリスクを減少させ・農民より下だった封気師達の身分向上を図る目的で、宮継家の祖先が、江戸時代に関東各地に散らばる封気師達を統括組織化させ封気衆を作ったが、昭和に入り近代化が進み仕事の減少・封気師の不足・分裂などの問題が、起こり始めるなか、三十六代目総主・宮継絖守が封気衆を解散した。




封気衆解散後・絖守の補佐役を務めた榊弘輔が、若手を集めた封気組織五倫を結成。




関東近郊の封気師二十人程が、在籍それぞれ本業を持ちながら依頼を受けていた。榊の妹である橋本綾江が、香坊綾を切り盛りするかたわら、封気の依頼を受付け適任者への連絡・配置その他雑務や、封気衆解散後各地に散らばった封気師達の相談も引き受けていた。




妖魔が絡む事件は、警察と五倫で捜査・解決を行っており危険な容疑者イコール妖魔の相手は、封気師が務める。警察は五倫出身の原田警部の元・住民の安全・情報収集・騒動の鎮圧を行っていた。




以前逃げた妖魔が、巡回中の警官を襲い死亡した事件が、起こり、それ以後巡回に回る警官・関係者全員には、原田がぶら下げ持っている対妖魔グッズ袋を携帯させ、万が一妖魔と遭遇した場合は、沈邪香玉を投げ付け砕け飛ぶ香の粉に妖魔が酔い眠った処で結界石を四隅に置き封じるか、自分の回りに結界を張り危険を避けろと指導されていた。既に一度妖魔と戦った榊は、原田に相手の情報を伝える。




「今回の奴らは二〇〇年生き抜いた吸血タイプ三体だ。外観は猿人種・ジャンプ力・筋力も強いまともにぶつかり合えば、こちらがやられる。気を締めかかれ、奴らの弱点及び封印方法は、アズが調べ連絡する。それと休憩所に二体眠らせている。


仲間が戻るかもしれない付近の警備を強化するよう指示を出した。


後を頼むくれぐれも無茶はするなよ」




榊は血の気の多い原田に釘を指し、岩代が待つ車に同乗する。


車はエンジン音を立てながら夜まだ明るい町へと消えていった。

文章の句読点どこで区切るか?出来ません(汗)


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