2話
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どれくらい時間が経ったのか、光輝はふと目を覚まし辺りを見回した。
光輝は真っ黒な地面の上に横たわっており、上を目上げると眩いばかり一面の星空が広がっていた。
とても人間世界では見ることの出来ない風景に光輝はただただ見惚れていた。
「…………」
声もだせない。
いつまでも空を見ていて首が疲れた光輝は自分の状況を整理することにした。
「昨日は確かビール飲みながら寝落ちして…やっべ!
会社完全に遅刻だよ!!これ多分夢だよな?
マジで早く起きないと…てか今、何時?」
光輝にはまだ理解が及ばないが、時間という概念が存在しない空間でも尚、会社の通勤時間を心配する辺り社畜の鑑である。
ふと焦る光輝の耳元て囁きが聞こえる。
「こんにち田中光輝くん。体調はどうかな?」
「!!!!」
光輝は驚いて声のする方から離れるように四足歩行で離れる。
「ははは♪急に驚かせてごめんよー。」
声の主はすごく良い笑顔で光輝を見る。
「あ、あのーどちら様ですか?てか、これ俺の夢だよな?早く起きなきゃなんだ…けど…」
光輝は喋りながら声の主を見てみると再び驚いた。
「うーん?どうしたの?なんか歯切れ悪くなっちゃったよー?」
声の主は美少女とも美少年とも言えるくらいに中性的かつ人形のような清廉さがあった。また光輝を驚かせた最たる特徴として背中に純白と漆黒の双対の翼がついていた。
「そんなに見つめられると照れるんだけど…///」
「ご、ごめん。ちょっと状況がよく分かってなくて…これって夢なんだよな?早く起きて出社しないと首になるんだけど…あと、君はどちら様?」
「あっ!ごめんねー!自己紹介が遅れたね。あたしの名前はイリス昔はイザナミとか、シヴァって人間達に呼ばれてたけど今は一番この名前が気に入ってるんだよねー♪」
光輝はいきなり聞いたことのある神の名前を聞いてますます混乱する。
「イ、イザナミ?君は神様なの?」
「うーん?そう言われた時期もあったねー♪
なつかしい!まぁ神様と言えばそうだけど、今は地球とか別の世界を管轄してる管理者的な事をしてるんだよ♪
あ、ちなみにさっき光輝くんは夢とか言ってたけど今ここでの話は全部現実ね!光輝くんは不運にも死んじゃったのでーす!だから、今からあなたを転生させまーす♪」
「へっ?死んだって…?俺が?」
「はいw」
「し、死因は…?」
「寝落ちる寸前に飲んだビールによる溺死ですw
次の世界ではせめて、ちゃんと飲み干してから寝ましょうね?」