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【LUNA】  作者: 冬月 真人
9/13

【古本さん】

読んでくれよ・・・・

いつまで此処に並べとくんだ?

どうして君は僕を買って来たんだ?

ったくもう!

見栄やステータスで並べたって知識にはならないんだよ。


ブツブツブツ・・・・


なんだよ、五月蝿いな。

ほっといて・・・・

うわぁぁ!!

なんだよ、誰だアンタは?

それにどうして僕と話せる?

えっ!?

僕が人の言葉を話してる!?

またまたぁ、そんなアホな。

【事実は小説より奇なり】ってアンタ、ウマイこと言うなぁ。

まぁいいわ。

せっかくだから何かの縁。

僕の話を聞いて頂戴。

あぁ、その前に名前ね。

背表紙の通り【スゲーボッター秘密の飲み屋】長いからスゲボタでよろしく。


持ち主は僕を買って来てスグに彼女と別れたらしいんだよ。

彼女がスゲボタシリーズが好きで、映画より先に読んで見栄を張るつもりが・・・・ね。

もうソッコー本棚。

しかも僕は二巻なんだよね。

一巻も三巻も無しで単体二巻。

なんだろねこのハンパ感。

両隣には話題の新刊。

あっ、今の韻、なんだかラップっぽくない?

どうでもいい?

すみません。

初めから古本に出すつもりでの購入がとりあえずまだ読んでないから本棚にって。

そのとりあえずがもう五年。

ちまたじゃ映画もシリーズ四弾目。

もう値段はつかないね。

百円になれば良いとこかな?

人気新書版新刊なら八百円以上はカタイんだけどね。


今の彼女は旅行が趣味らしいからさ、本より通帳とパンフをよく見てるわ。

興味は本棚よりもタンスの引き出し。

そうそう。

上から二段目、違う違う、右側のそうそう、パンツの下。

それそれ。

その通帳ばっかり見てさ。

ってアンタなんで通帳ポケットに入れてるのさ!?

アンタ、空き巣だったの!?

ひぇぇ~、僕を燃やしたり濡らしたりしないで下さい。


・・・!!

ねぇねぇ、泥棒の旦那。 (なぜ卑屈になる俺!)

この家には金目の貴金属は無いけれど、古本を売ってお金にしません?

通帳だけじゃお金もおろせませんから、本棚からどんとさっぱり持って行って!


(ヨシ、これで僕も誰かに読んでもらえる!)


ドキドキ

ワクワク



・・・って両隣だけかい!






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