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生徒会  作者: 久方光
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終章

《終章》

学校はいろんな人が集まる場所である。

その中には苦手な人や好きな人も出てくるだろう。

そんな中で意見を一つにまとめる事は非常に困難な事である。

だが、自分の主張を持ち、違う主張を持つもの同士が「話し合う」ことよって本来予想も出来ないような、良い結論を生み出せたりする。 それは結論のみが大事なのではなく、そこへ至るまでの過程が良ければ、それはよい話し合いをした。という事になるだろう。

 でも、もう一度言うがそれは本当に困難で、難しい事である。

 自分の主張の本当に中心を残して、それ以外は相手の意見に譲らなければいけない時が来るかも知れない。相手に否定されても自分の意見を言うことはとても勇気がいる。

 でもそれを出来たならば。実行する事が出来るなら、とても素晴らしい結果を生むと、私は思う。

 途中で投げ出さず、相手の話も聞き、自分と重なる所を見つけ、双方によい形となることを導き出す。その時大事なのは自分の意見の「核」がしっかりしているかにもかかってくる。

 話し合いの場で大切な事は自分をしっかり持つ事、諦めず、聞き、発見する事だと思う。

 それは、別に話し合いの場に限られた事ではない。

 今期生徒会のその後を見てみよう。


文化祭——————

 生徒会室にて。

 「今回の議題は、募金をどこの募金にするか、と言う事です。昨日各種募金を調べてくるよう言いましたが皆さん調べてきましたか?」

 全員返事。

 生徒会役員で言われた事をやってこない人はいなくなった。

 何も生徒会で出た宿題のみではなく、学業のプリントなどもだ。

 「では琴音さんから順番にお願いします。」

 この頃には意見を言う順番は決まっていて、琴音→裕志先輩→怜→由香の順だった。

 「はい。私はやはり今年の三月十一日に起きた「震災復興支援募金」が良いと思います。知名度も高く、この近くにある郵便局でも送れるため、送るお金があまりかからないのではないかと思いました。」

 「俺は、例年通り「ユニセフ募金」で良いと思います。テレビで、ユニセフも震災に手助け出来てるっていうし、世界規模でやっている方が安心かなと思います。」

 「私は琴音さんと同じで「東日本大震災復興支援募金」が良いと思います。来てくれるお客様を考えても今最も有名で募金してくれそうな所だと思います。」

 「私も琴音さんと怜さんと同じで「震災募金」が良いと思います。理由も被るんですが、やはり来てくれる人がよく知っているし、今震災に募金しないでどうするって感じもあるし、何より日本での事に日本人が助けないでどうするって感じがするからです。」

 「みんなの意見を聞くと、俺も「震災募金」が一番良いと思いました。外国の力を借りるのも必要な時あるけど、知名度的にも日本が助け合うと言う面でも「震災募金」の方が今回生徒会として集める募金に相応しいと思いました。」

 「では満場一致で「東日本大震災復興支援募金」でよろしいですか」

 「「「いいです」」」三人の声が揃う。

 「では次に当日持って回る募金箱についてですが・・・・・・」


 初回に比べ、初めに案を出す時から理由をつけられるようになってきている。

 まだ自分の主張の核を掴み切れていなかったり、理由に多少具体性が欠ける所もあるが、大きく進歩していると言えるだろう。

 変わってきたのは生徒会内だけではない。


 某教室。

 「これ分かんないんだけどっ!」

 友達と勉強してる女子生徒のうち片方が相方に聞いている様子。

 「どれ。それは確かこうやってやるんだよ。」

 「ホント~?」

 「そうだよ、こうやって計算して・・・・・答え合わない!?」

 「ほら間違ってるンじゃん。」

 「先生に聞くしかないか。」

 「しゃあないね。まぁ前より先生もピリピリして無くて質問しやすくなったよね~」

 「だよねー」

 と話に花を咲かせる二人。

 同教室に明らかに勉強熱心でみんなから「ガリ勉君」または「博士」と呼ばれる男子生徒がいるにもかかわらず先生に聞く事になるのはやはりまだ少し遠慮がある様子。

 だが、生徒会の活動内容である「休み時間勉強やろう週間」や「後期中間予想プリント」などのおかげで、今まで休み時間勉強する生徒など皆無だったのに、今はどの教室もちらほら見かけるようになってきた。はっきりとした成長である。


 廊下にて。

 由香が会議をしようと廊下を通ると何人かに「こんにちは。」と言われた。

 声はギリギリ聞こえる大きさ。なんとかオッケイ。

今までは相手から挨拶してくれるなんて思わなかったから由香は自分たちの目標へ進んでいると言う気分になった。

生徒会室までの足取りが軽くなった。


文化祭実行委員会バザー部。

うちの学校は文化祭準備期間それぞれ各学年から5名ずつになるように多種多様の部ができる。大道具部や装飾(花)部のように。

その中から今期の目玉活動の一つ「ご意見箱」に入っていたバザー部のことを話そう。

『バザー部は食券を作ったり当日のバザー役員の分担をする部だ。

バザーの食券を作る時パソコンを使うんだけどパソコンの使い方が分からなかった時、偶然バザー部にレクで仲良くなった先輩がいて、その先輩に教えて貰いながら楽しく作業出来ました。生徒会の皆さん有難うございます。』

と言う事もあったらしい。

こう言う所で、信頼関係の面での向上が伺える。


まあ文化祭は後期が始まってすぐ。実際注意してみないと分からないほどの変化しかなかった。


二学期終盤——————

 生徒会室にて。

 「今期の反省をします。細かい所は省いて良いので、三学期こうしたい。改善していきたい点があれば言って下さい。」

 「はい。私は今のまま続けていきたいです。後期中間予想問題も見事当たって現在好評価を得ているので、みんなも手伝ってくれると思います。」

 「俺も琴音ちゃんに賛成だ。今のまま続けて欲しいな。それ以上は思いつかない。出来るならもう少し生徒会便りを発行出来たらいいなと思うな。」

 「私は個別、クラス別の苦手対策と、得意科目の百点を目指すプリントの発行が出来ればいいと思います。確かに後期中間は結構当たりましたが後期期末は学年末なので範囲も広いし一年生は特に困ると思うので早めにプリント発行をしたいですね。」

 「学力向上はそうだね。後期に入って挨拶も増えて、勉強する姿も増えたと先生方からもお褒めの言葉を貰ってます。学年末が終わったら、テスト明けという事でまたレクしたいですね。」

 「テストが終わったら見直しがッ……」

 「このくそ真面目な怜ちゃんの言う事はあまり聞こえないようにしておきましょうね。まぁでも怜ちゃんには感謝ですよね。プリントの範囲、問題決めたのは彼女ですから。」

 「そんなの先生の言動を聞いていれば大体わかるじゃないですか……」

 「ということで、三学期も最後まで頑張りましょう!」

 

 生徒会の話し合いは和気藹々とした中で話し合えて、意見もだいぶ出やすくなっていた。それは、生徒会便りに載っているので、今プチ生徒会役員ブームが起こっていた。


 某教室にて。

 一人の少女を女子が取り囲んでいる。

 「ねぇねぇ、プリントの範囲決めたの怜ちゃんってホント?」

 「凄い当たってたよね~」

 「半信半疑でやったら全く同じ問題とか出てビックリ!」

 「生徒会のプリントやりまくったら自己最高得点だったよ~!」

 「あのプリント問題の的中率も凄いけど解説も超分かり易かったよね~」

 「そうそう。怜ちゃん様々だよね!」

 「今度も宜しくね!頼りにしてるよ!」

 そう言うとのくも子を散らすように女子はいなくなっていった。

 一人になった少女に一人の女子が近づいてきた。

 「あははっ。怜人気者だね~。」

 気が抜けたのか、机にぐったりしてる少女は覇気のない声で答える。

 「人気者じゃない。近くで騒がれてるだけだよ……疲れる。」

 「一人よりは良いんじゃないの?」

 「……由香と二人で話してる方が、生徒会で会議してる方がずっと楽。」

 「あっはっはっ。嬉しい事言ってくれるね。でも友達は増やさなきゃ。生きる糧だよ!」

 「出た……由香の持論。由香独特の持論多すぎて訳わからん。」

 「まぁいいじゃんいいじゃん。持論なんて話してるの怜だけだから。」

 ケラケラと笑う女子。

 「いっつもそうなんだから……」

 と呆れる少女。

 そんな風景は日常となっていた。

 

 ふとその教室を見渡すと、男女固まって談笑しているのがよく見られる。みんな机に向かってるようだ。

 休み時間勉強も定着しつつあるのだった。

 定期テストじゃなく、単元テストや、小テストでも点数が上がってきたのがその証拠になるだろう。


三月——

  生徒会室にて。

  生徒会役員四名が集まっている。

 「皆さん、半年間お疲れ様でした!これから半年間、後期の反省を言って貰います。」

 「はい。私は目標にあった事は全て達成出来ていて、良かったと思います。」

 「はい。俺も、琴音ちゃんと同じで全て達成出来て良かったです!平均点対策は三年生的に凄く助かりました。周りが勉強していないと自分だけ変に感じていましたが、学校全体で勉強のモードにしてくれたので助かりました。という声を三年生から沢山貰いました。勿論俺もそう思っているうちの一人です。これからも続けて下さいっ!」

 「はい。私は結果として全クラス目標に掲げた点数を達成したので良かったと思います。ですが、ここで頂点とするのではなく、次期生徒会はさらに上を目指して欲しいですね。特に苦手克服に重点を置いたせいで、得意な所を伸ばす対策があまり出来なかったのでそこに重点を置いて欲しいですね。」

 「いや~最後まで厳しいね怜ちゃんは。」

 「先輩、途中でちゃちゃ入れないであげて下さい。」

 「ただ、今後や伸ばせる事が発見出来たのは今回の生徒会が目標を達成出来たおかげだと思っています。本当に今回の生徒会は凄くよく働いていたと思います。」

 「じゃあ最後に私は、まだ出てない反省をまず言おうかな?一つ目の助け合って仲良くだよね。正直ここまでとは思いませんでした。

半年前はホントにギスギスしてた校内が学力向上目的の組対抗点数争いで他学年が教えに来たりして一気に交流が進みましたよね。怜ちゃんが三年生に教えに言ってるとは思いませんでしたが……。

それに交流を深めるレクという事で毎月や、テスト後に「全校レク」をして時には体を使って思いっきり遊んだり、クイズで頭を使ったりしましたよね。それで学年関係なく組を作る事で、一人一人の交友関係も広がっていきましたよね。

後、挨拶&積極的は生徒会の評価が上がるにつれ見る見る変わっていきましたね。まずすれ違う度挨拶をしてくれるようになりましたし、そのまま少し談笑する光景もよく見るようになりました。クラスや話し合いの場も、「思いついたら手を挙げよう。手を挙げていない人を当てよう運動」が良かったですよね。

ホントにくだらない意見も出るようになったら、発言のハードルが下がってみんなが手を挙げられるようにもなりましたし、手を挙げてないひとを当てて、「考え中なんだね、後でまた聞くから考えといてね」って上げてなかったら必ず言われるから結構なプレッシャーにもなってみんなの中の「自分は必ず当たるんだ」という意識が高まって何でもすぐ考えるようになったよね。

「ご意見箱」もみんなの疑問や感想が入ってて嬉しかったし。この生徒会メンバーも会議の内容、かなり変わったよね。初めなんて脱線してばっかりだったけど今じゃ時計見ながら意見を固められるまでになったし。

今回の生徒会は最高でした。みんな、ありがとう!また来年もそれぞれ頑張ろうね!」


 「「「はいっ!」」」 それそれの今後の活躍は、まだ先のお話。      終。  

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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