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第八話:夫婦円満お買い物

神様なんて大嫌い!!の天使、ジャンヌです(笑) 今回は、飛天様と二人で買い物の話しです(恥)  では、どうぞ!!

屋敷を出た私と飛天様は万魔殿の市場に来ていた。


「凄いっ」目の前の市場に目を回す。


「こんな広い市場は初めてか?」私の様子を見ながら楽しそうに笑う飛天様。


「首都の万神殿には、一度しか行った事ないし私の地方の都は、ひ、飛天が、滅ぼしたから・・・・・」恥ずかしく答える。


「お前の住んでた都を滅ぼしたの俺?」人差し指で自分を差す飛天様。


「う、うん」


「悪い。覚えてない」しれっと答える飛天様。


そりゃ、天界の十二個ある内の四つに、おまけとばかりに地方都市も滅ぼしたんだから、そんな覚えてる訳ないだろうけどさ・・・・・・・・


「なぁに、不貞腐れた顔してんだよ」私の顔を覗き込む飛天様。


「・・・・・別に不貞腐れてません」


「嘘つけ。顔に書いてあるぞ」えっ!嘘!!


「・・・・冗談だ」だ、騙された。


「飛天の意地悪!!」顔を真っ赤にして怒鳴る。


「そう。怒るな」怒りますよ!!


「悪い悪い」全然、反省してないじゃないですか!


「おっ、夜叉王丸様のお出ましだぞ!」口喧嘩をしている内に市場の人達に囲まれた。


みんな、人間や天使と同じ姿だった。


噂と全然ちがう容姿に戸惑う。


噂では醜悪だと聞いていたのに、どういう事なんだろう?


「夜叉王丸様も年貢の納め時ですか?」緑のエプロンを掛けた二十代前半の男が話し掛けてきた。


「もう広がったのか?情報が速いじゃねぇか」苦笑する飛天様。


「そりゃあ、自他共に認める人生破綻者の夜叉王丸様が結婚するんだから」皆が頷く。


「人生破綻者?」聞き慣れない言葉に首を傾げる。


「俺みたいに最果ての地で暮らす変人の事さ」へ、変人って・・・・・


「そいつは違いない」飛天様の言葉に笑い出した。


「所で今日は、どんな用事で?」


「あっ!俺達に、熱々新婚ホヤホヤの所を見せびらかしに来たんでしょ?」ニヤニヤした顔つきだった。


・・・・・嫌な事を思い出しちゃった。


「おい。ジャンヌが怯えただろうが」私の様子を見て飛天様が怒った。


「ま、まぁまぁまぁ!そんな殺気混じりの視線を向けないで下さいよ!!」男は慌てて謝った。


「ひ、飛天っ。私は大丈夫だから・・・・・・」飛天様の手を掴み止める。


「ちょっと寒かっただけだから・・・・・」言い切る前に私は、飛天様の羽織った黒いマントの中に抱き締められた。


そう!抱き締められたんです!!


飛天様に!しかも皆の目の前で?!


「ひ、飛・・・むぐっ」赤面して叫ぼうとしたが強く胸に押し付けられた。


逞しくて、温かい・・・・・・・・・じゃなくて離して下さい!!


「おい。この紙に書いてある材料を、俺の屋敷に持って来い」誰かに紙を渡したようだ。


「えー!そんな・・・・・・・・わ、分かりました分かりましたから、睨まないで下さい!!」涙声で叫ぶ男の声がした。


「・・・・・ジャンヌ、帰るぞ」


帰るって言っても抱き締められてる私に選択肢は、あるのですか?


私に選択肢など、ある訳もなく飛天様に姫様抱っこをされて、馬車まで運ばれ屋敷に帰って行った。






夜叉王丸が立ち去った市場は唖然としていた。


「夜叉王丸様が、あんな事をするとは・・・・・・・・・・・・」


夜叉王丸の性格を知っている民衆は信じられない様子だった。


「・・・・・ありゃ、かなり重症だな」一人の民衆が断言した。


「・・・それを本人の前で言えるのか?」もう一人の言葉に身震いした。


「あの“血風男爵”の異名を持つ夜叉王丸様の前で言ったら八つ裂きにされっちまうよっ」


「だろうな。あの方を本気で怒らせて生き残った奴なんていねぇよ」


血風男爵とは、夜叉王丸のもう一つの異名だ。


風のように敵を倒し血の雨を降らせ、その血が風に乗って来る事から、名付けられた。


「それが嫌なら速く材料を持って行きな」忠告のような言い様だが、表情は笑っていた。


「だな。さもないと本当に八つ裂きにされそうだ」一同は笑った。


血風男爵と怖れられているが、普段の夜叉王丸は、貴族なのに慢らず民衆の気持ちを組んでいる。


子供達には、優しく接し勉学や武術を教える先生。


戦じゃない限り夜叉王丸が“血風男爵”にはならないから安心だと笑っていられるのだ。


「さぁ、後は仕事しながら話し合おうぜ」その言葉に持ち場に戻った。


「しかし、あの娘さん。美人だったな」魚を木箱に入れながら男がニヤケながら言った。


「夜叉王丸様も、あの白銀の美しさに惚れたんだ」断言する物言いだ。


「なによ!私達だって機会さえあれば、夜叉王丸様のハートを掴めたわよ!」女性達が反論した。


「粗暴な女じゃあ、無理だなー」何気なく口に出す。


「なんですって!!」この言葉に女性達は、キレた。


斯くして、市場は大乱闘となった。


後に材料を届けに行った時に、戦でなくても“血風男爵”になると民衆達は、身を持って分かる事になる。

もう!皆の前で、あんな恥ずかしい事して!!   まだ身体が暑いよー!!夏だから更に暑いし・・・・・・・・        次回は恥ずかしい場面がありませんように(祈)

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