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第七話:魔界での新婚生活

ふぅー、更新が遅れてすいませんっ(汗汗)    今回は万魔殿に引っ越す内容です。        どうぞ、楽しんで読んで下さい!!

「ジャンヌ、そっちの荷物を取ってくれ」部屋の戸締りを確認しながら私に命令する男爵様。


魔界の最果ての地、バラテにある飛天様の家で一夜を明かして翌日、万魔殿の屋敷に引っ越す準備をしていた。


とは言っても私は、幾つか買って貰った服、男爵様も旅行バックが一つあれば十分な荷物しかないから大して準備は掛からないんだけどね。


「よしっ。準備も出来たし行くか?」馬車の荷台に荷物を放り込み乗り込む。


私に右手を差し出した。


なんですか?この手は?


「早く乗りな」手を取らない私に苛立ったのか、腰に手を回して私を荷台に乗せた。


誰も見てなくても、やっぱり赤面しちゃうよ・・・・・・・


「さぁ、行くぞ」馬に鞭を打って走らせる男爵様。


私は右から男爵様の横顔を見た。


右からだと眼帯で見えないけど、何処か楽しそうな雰囲気を出していた。


相変わらず髭と髪は伸ばし放題だけど、引かれる力があった。       


「・・・・・ん?俺の顔に何か付いてるのか?」視線に気付いたのか横を向く男爵様。


黒い闇と視線が絡み合い全てを包み込まれそう・・・・・・・・


「い、いいえっ!何でもありません!男爵様っ」言い繕ったが、男爵様は眉を細めた。


「・・・・・あのさ、一つ言って良いか?」


「は、はいっ」うぅぅ、視線が怖いよ。


「その“男爵様”って呼ぶの止めてくれないか?」


「えっ?」予想外の言葉に戸惑ってしまう。


「俺、貴族って柄じゃないし好きで男爵になった訳じゃないから」淡々と説明された。


「では、何故、男爵の爵位を?」


「俺を殺そうとした奴が男爵で、返り打ちにしたらベルゼブルに無理矢理に押し付けられた」


・・・・・生々しい話ですね。


「ったく。面倒臭せぇ」愚痴を言いながら煙草を取り出した。


「まぁ、そんな訳だから俺の事は男爵って呼ばなくて良いから」


「では、何と呼んだら良いのですか?」


「そう・・・だな」男爵様はマッチで火を点けた。


「・・・飛天って呼んでくれ。この名は、親しい奴しか言わない」そんな名を私が言って良いのかな?


「式は挙げてないが夫婦だから呼んで良い」紫煙を吐きながら返答した。


「じゃあ、飛天さ」


「様は付けるな」飛天様と言おうとしたが、釘を打たれた。


「・・・・・ひ、飛天」赤面しながら名前を呼ぶ。


うぅぅ、男の人を呼び捨てにするなんて・・・・・・・・・・・・


飛天様は満足そうに笑って私の頭を撫でた。


頭を撫でる手は、力強くて父親のような感じがして良かった。


「屋敷に着いたら掃除を最初にしないとな」頭から手を離すと飛天様は紫煙を吐いた。


「手入れとかしてなかったんですか?」


「あぁ。三、四年くらい放置してた」一日で片付くのかな?


「まぁ、風呂と寝室だけでも掃除をしようぜ」馬の尻に鞭を打って加速させる飛天様。


掃除は大変そうだけど、飛天様となら楽しく掃除が出来そう。






「・・・・・着いたぞ」万魔殿の中にそびえ立つ見慣れない屋敷に着いた。


「ここが屋敷ですか?」見た事のない形の屋敷。


「まぁ、俺の住んでた国の独自の屋敷だから見慣れないかもな」私の表情を読み取ったように答えた。


「えっ?だ・・・・・飛天って生まれた時から悪魔じゃないのですか?」男爵様って言いそうになったのを圧し止めた。


「俺、元人間だ。んで出身国は日本だ」確かに、悪魔にしては漢字なんて珍しいとは思っていたけど・・・・・・・・・・・・


「あ、もう着いたんですか?旦那」馬車を止め門を潜ると、屋敷の中から男が出て来た。


誰だろう?見た所、平民かな?


「よぉ、ゼオン」飛天様は片手を上げて微笑んだ。


「そちらが旦那の花嫁さん?」男は横に立つ私を茶眼で見た。


「妻のジャンヌだ」男に私を紹介する飛天様。


「初めまして。ジャンヌです」


「初めまして。俺は傭兵のゼオンと言います」男、ゼオンは頭を下げた。


「今日は、どうした?」


「旦那がバルトから万魔殿に引っ越すと聞いたんで、部下を引き連れ屋敷の掃除を・・・・・」照れたように笑う。


「そいつは悪いな」軽く笑いながら、私を連れ屋敷の中に入った。


「もう少しで終わるので縁側で茶でも飲んでいて下さい」ゼオンさんは、私と飛天様を縁側に座らせ茶を出した。


「では、掃除に戻るので失礼します」一礼して立ち去った。


「何だか、私達が客人みたいですね」可笑しくて笑い出した。


「そうだな」飛天様も面白そうに笑いながら、煙草を取り出し口にくわえた。


二人で手入れをされた庭を見る。


私が仕えていた屋敷の庭とは違う雰囲気の庭だった。


草木が伸び伸びと成長し朗らかに生活しているように見えた。


まるで、飛天様のように見える。


横で煙草を蒸かす飛天様を見た。


まだ、詳しくは知らないけど飛天様は、誰にも命令されないで、自由気儘に生きてきたんだ。


その飛天様の生き方が草木に表れてる。


・・・・・羨ましいと思わずには、いられない。


自分で決めて、自由気儘に生きる。


この人は、飛天様には実行するだけの力がある。


私も、飛天様のように生きれたら良いな・・・・・・・・・・・


「・・・・・よしっ。決めた!」突然、飛天様が立ち上がった。


な、何ですかっ?一体・・・・・・?!


「今日は、ゼオン達に手料理をご馳走してやるか」独り言のように喋る。


「そうと決まれば、買い物に行くぞ。ジャンヌ」私の手首を掴むと歩み始めた。


飛天様っ、ちょ、強引ですよ!!


あ、足が、も、もつれちゃいますよっ。


そんな私に気付いていないのか、ずんずん歩き続ける飛天様。


本当に自由気儘な人・・・・・・じゃなくて悪魔なんだからっ(涙)


悪魔は、自由意志だから仕方ないけど、少しは私の意志を尊重して下さいっ。


言わずにはいられない。


これじゃ、あんまりですよ!!


ふぇー!神様、この哀れな小羊を助けて下さいっ。


こんな生活が続いたら身体も精神も持ちませんよ!


だから、助けて下さい!


私は涙声で青く晴れやかな天に叫んだ。


『・・・自分の力で何とかするんだな』天から降ってきたのは、無情で無責任な言葉。


えっ?嘘?嘘でしょ?


全知全能の神様の言葉じゃないよね?


そうよ、きっと嘘。


神様が、こんな無責任な言葉を言う訳が・・・・・・・・・・・・


『いや、さっきの言葉はマジだから』再び降ってきた言葉に絶句した。


そ、そんな・・・・・・・・・・・・


そんなぁぁぁぁぁあ!?


心の中で大絶叫して力が抜ける私。


嗚呼、なんか口から白い気体が抜けるような・・・・・・・・・・


半ば引き摺られるような形で私と飛天様は屋敷を後にした。


うぅぅぅ、神様、一生、怨みますからね。


私は怨めしく天を睨み上げた。


そんな私を嘲笑うように青く晴れやかで、太陽が私と飛天様を照らした。


「何を作るかな?」私を引き摺りながら飛天様は、料理を何にするかを思案していた。


「お前は、どんな料理が良いと思う?ジャンヌ?」前を見ながら尋ねる飛天様。


もう!?みんな無責任なんだから!!


皆の無責任に私は誰も見てないのに、子供のように頬を膨らませた。


もう、知らないんだからね!!

今回、初登場のゼオンだ!いやぁー、見たかい?旦那とジャンヌさんのラブラブ振り?         どこが?分かんない?  まぁ、まだ始まったばかりだからかな?      次回を楽しみに!

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