第三十四話:気まずい茶会
なんだか手抜きみたくなってすいません!!
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
昼の生暖かい日差しを受けながら中庭で開かれた茶会は緊迫した雰囲気であった。
否、男性陣は明るかったが女性陣は緊迫していたのだ。
「・・・・先ずは自己紹介をしてはどうかしら?」
フレイヤが小さくも棘が篭った声でジャンヌに尋ねた。
「そうですね。是非とも知りたいですわ」
「私も思いますわ」
フレイヤにスクルドとリュミエールも賛成した。
「私は天界から飛天夜叉王丸男爵様の元に嫁いできたジャンヌ・シエル・ベルサイドと言います」
ジャンヌはニッコリと笑い自己紹介を済ませた。
しかし、その笑みはどう見ても営業スマイルだった。
「初めまして。私はフレイヤ。飛天の恋人よ」
「お前みたいな女の恋人になった覚えは無い」
夜叉王丸が即座に否定した。
「確かに。主人には恋人は何人かいましたが、貴方様のような女性はいませんでしたね」
夜叉王丸を弁護するようにヨルムンガルドが口を開いた。
「私の夫はこう言っていますから、フレイヤ様の言葉は嘘になりますね」
嘲笑の笑みを浮かべるジャンヌ。
「・・・・・・・・・」
その姿を見ていた夜叉王丸は人知れず涙を流し従者とオーディンは静かに肩を叩いた。
「フレイヤ様。嘘を言って飛天様を困らせるのは感心しませんね」
スクルドが低い声でフレイヤを叱咤し
「スクルド様の言う通りです。あまり飛天様を困らせてはいけません」
リュミエールも追い討ちを掛けるようにフレイヤを叱咤した。
「・・・・・・・・・・」
二人の攻撃にフレイヤは何も言えずに苦虫を噛み潰したように唇を噛んで冷めた紅茶を飲んだ。
「しかし、飛天様にに奥方がいるとは初耳ですね」
「そうですね。ずっと独身だった飛天様に奥方が出来たなど信じ難い話です」
フレイヤには用が無いとばかりに視線を外すと紅茶を飲んでいたジャンヌを凝視した。
「私は正真正銘、飛天の妻です」
二人の視線に怒った口調で答えるジャンヌ。
「ねぇ?飛天。私と飛天は夫婦だよね?」
「あ?あぁ。俺とジャンヌは夫婦だ」
夜叉王丸もジャンヌを弁護するようにスクルドとリュミエールを見た。
「・・・・そんな・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・ッ」
二人は哀しみの表情に満ちその場を動けなかった。
「それじゃ私達はこれで失礼します」
「行きましょう。飛天」
ジャンヌは夜叉王丸の腕を掴むと自らの腕を絡ませ中庭を後にした。
後に残った従者達も慌てて二人の後を追い残されたのはオーディンと悲観にくれるフレイヤ、スクルド、リュミエールだけだった。
これからはもっと精進して読者の皆さんを不快な思いにさせないように努力します。