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第三十三話:極性悪女現る

ジャンヌにリリム以外のライバル登場です!しかも三人も!?

「ちょっと起きなさい」


私は誰か女の人に身体を揺さ振られて寝ぼけた瞳を開けた。


「んんっ、飛天?」


「飛天?気安く私の恋人の名前を呼ばないでよ」


恋人?!飛天様の恋人?!


ばっと私は覚醒した。


「やっと覚醒したわね」


くすりと笑う声が上からして見上げると赤を主にした肩などが露出したドレスを着た金髪の女性が仁王立ちして私を見下ろしていた。


誰?この女?行き成りの初対面でこの高圧的な態度は何?


「貴方、誰ですか?」


本当は怒りたい所だったが、元メイドの性か感情を押し殺し敬語で尋ねた。


「私を知らない?それでよく姫様が勤まるわね」


女は侮蔑の眼差しを向けてきた。


む、ムカツク。無性に腹が立って仕方が無い。


「何しに来た?この極性悪女がっ」


傍を見るとゼオンさん達が私を護るように立っていた。


あれ?だけどゼオンさん達に混じって逞しい男の人が立っていた。


「何しに?恋人に会いに来ちゃ悪い?」


「主人は貴方のような女を恋人にした覚えはありませんよ」


「さっさと消えろ。くそ女がっ」


ゼオンさん達が女を睨んだ。


「随分と嫌われたものね」


くすりと女は笑った。


「当たり前の事じゃよ。フレイヤ」


オーディン様の言った名前に私は驚愕した。


フレイヤって言ったらオーディン様達が来る前まで北欧を支配していたヴァン族の女神じゃない。


性格は確か自由奔放で欲望に忠実という悪女の手本のような最低女神じゃないっ。


こんな性悪女を恋人にしてたなんて飛天様の趣味を些か可笑しいと思っちゃうよ。


「ちょっと貴方。さっきから私の悪口を心の中で呟いてるけど何様のつもり?」


私の心を読み取るなんて流石、女神。


私は何かが切れたのか、冷静沈着にフレイヤの言動を受け取った。


「何様とは?私はただ貴方様のような性格ブス女を恋人に持った飛天様を哀れに思っただけですよ」


「・・・・・たかが天使の分際で私によくそんな偉そうな口が聞けるわね?」


「貴方みたいな女に敬語を使う必要がありませんから」


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・」


バチッバチッと私とフレイヤの間には激しい火花が飛び散った。


そんな私とフレイヤの間に立っているゼオンさん達は身震いしてしたが、今はそんな事を気に掛けている訳にはいかない。


この女から一瞬でも逸らしたら負ける。


女の勘で私は分かった。


そんな状態を続けていると不意にドアが開き


「ただいまっ。ジャンヌ・・・・・・・・・・・って何で性格ブス女が居るんだよ?」


飛天様が嬉しそうな声を上げて部屋に入って来たが直ぐに嫌そうに顔を歪めた。


「ひーてーん!逢いたかった!?」フレイヤは私から飛天様に抱き付こうとした。


「ジャンヌ、大丈夫だったか?」


しかし飛天様はフレイヤを避け私に駆け寄ってきた。


フレイヤは床に盛大に転んだ。


くすっ、良い気味ね。


「お帰り。飛天」


私は飛天様の胸板に抱き付いた。


「ッ・・・・・・どうしたんだ?」


どうしたんだろう?少し間があったけど?


「ううん。何でもない」


「そうか。それより用事は済ませたから北欧のメインスポットを案内してやる」


「うんっ」


私は嬉しそうに飛天様の胸板に再度、抱きついた。


「ちょっと何二人でラブシーンをしてるのよ!!」


飛天様の胸板からちらりと見ると鼻を抑えながらフレイヤが怒っていた。


「飛天、早く行こうよー」


飛天様が後ろを振り返ろうとしたので急かす。


「んっ、そうだな。行くか」


私に微笑みながら飛天様は私の腰に手を回し窓に向かった。


恐らく窓から出るのだろう。


「じゃあな。爺」


「おぉ、また遊びに来い」


「あぁ」


私もオーディン様に一礼して一度だけ振り返り


「失礼します。フレイヤ様」


嫌味な笑みを浮かべ飛天様とゼオンさん達と去ろうとした。


しかし


「ひ・・・・・・・・ぎゃあ!?」


フレイヤの変な声を聞き皆で後ろを振り返ると金色の髪と水色の髪を逆立たせ鎧を纏い剣と槍を掲げた美女が仁王立ちしていた。


「スクルドっ、リュミエールっ」


飛天様は二人の美女の名前を呼んだ。


「飛天様、何処に行かれるのですか?」


「私、まだ飛天様とお話があるのですが?」


二人の美女は笑っていたが瞳がまったく笑ってなかった。


そしてその瞳が私に向けられた。


ひぃ!こ、怖いっ!?


思わず飛天様の後ろに隠れた。


「そちらの娘は何者ですか?」


「えぇ。私もそれを聞きたいのですか?」


二人の美女は私に興味を引かれた様で飛天様に尋ねた。


「あ、この娘は、だな・・・・・・・・・・・」


「まぁ、良いですわ。その娘の話は茶会でお話致しましょうか?」


「そうですね。私もスクルド様の意見に賛成です」


「・・・・飛天。諦めた方が良い」


オーディン様の小さな声が聞こえてきた。


「・・・・・・分かった」


諦めの声を飛天様は漏らしゼオンさん達も嘆息した。


こうして私と飛天様の新婚旅行は更に波乱を極める事になった。


























ジャンヌと夜叉王丸の新婚旅行は何時になったら成就するんですかね?

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