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逸話:騒がしい旅路

今回は夜叉王丸もジャンヌも出ませんので!?

「おい!まだ着かないのか?!」


「もっと急がせて下さい!?」


「・・・・静かにしてられないのか?」


後ろで怒鳴り散らすフェンリルとヨルムンガルドに呆れた眼差しを向けゼオンはため息を吐いた。


現在、二人と一匹はゼオンがベルゼブルから夜叉王丸を命懸けで護った褒美として頂いた飛竜の背中に乗って北欧に向かっていた。


ストームはベルゼブルから直々に頂いただけの事はあり速いのだが一人と一匹は更に急ぐように言った。


「悪いな。ストーム。こんな煩い奴らを乗せて」


ゼオンはストーム(旋風)と名付けた飛竜の頭を優しく撫でた。


「・・・・グゥ」ストームは心地良さそうに鳴いた。


「こら!何を馴れ親しんでるんだ!!」


「そうですよ!主人様と奥様のピンチなのに!?」


馴れ親しんでいたゼオンとストームに一人と一匹は激怒した。


「ガウッ」ジロリと睨むストーム。


「なんだ?トカゲ?この俺に逆らおうってか?」


ストームを不快そうな眼差しで見下ろすフェンリル。


「・・・・・グゥ」挑発的な眼差しでフェンリルを睨むストーム。


「上等だ。この俺に牙を向けた事を後悔させてやる」


不敵に嗤い毛を逆立たせるフェンリル。


「兄さんっ。今は喧嘩所ではありません!!」


「ヨルムの言う通りだ。ここで暴れたら全員が落ちるんだぞ」


ヨルムンガルドとゼオンの制止の声が掛かった。


「・・・・・・ちっ」舌打ちをしながら爪を収めるフェンリル。


「ストームもあんまり挑発するな」


「・・・・・・グゥ」首を垂れるストーム。


「はぁ。騒がしくて堪らないな」


心の底から嫌そうにため息を吐くゼオン。


「まったく。これじゃ旦那とジャンヌさんの新婚旅行を邪魔しに行くようなものだな」


ゼオンはため息を吐きながらストームの手綱を握り直した。


「・・・・・グゥ」ストームも主人の心情を察してか気遣うように鳴いた。


「しかし、そんなに危険な奴なのか?ヴィ・・・・・・・・ヴィスコ?ヴィザ?ヴィスタ?いや違うな。何だっけ?」


「ヴィザースだ!ヴィザース!!」


フェンリルが怒鳴り声で言った。


「そいつって強いのか?」


「俺を殺し主人を半殺しにした奴だ」苦々しく答えるフェンリル。


「それって旦那が人間の頃だろ?」


「あぁ。俺を護る為に主人は半殺しにされたんだ。怨みは晴らす」


「んー、旦那の場合は自分でやりそうだな」


「だが、以下に主人でも主神オーディンの息子のヴィザースに勝てるとは思えない」


「ダハーカが聞いたら嘲笑う台詞だな」


皮肉気に笑い声を上げるゼオン。


「何だと!?」


「お前は旦那を信じてないのか?」


「なにっ?」


「ダハーカだったら『飛天だったらヴィザースなんて敵じゃね』って豪語してるさ」


「お前もダハーカもあいつを知らないんだ!?」


「あぁ。知らん。しかしウィンド・バロンの旦那が負ける筈がない」


「・・・・・・・・・」


「俺は旦那以上に真に強い奴を知らん。旦那は最強だと俺は信じている。従者が主人を信じないでどうするんだ?」


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・すまん。俺が悪かった」


「従者が主人を信じないでどうするんだよな?本当によ」自嘲気味に笑うフェンリル。


しかし、直ぐに戻った。


「主人は信じる。しかし従者がのんびりしてる訳にもいかん」


「そうですね。主人様も奥様も私どもがいないと何も出来ないのですから」


ヨルムンガルドもくすりと笑いながら頷いた。


「ストーム。出来るだけ早く旦那の所に着くように頑張ってくれよ」


「ガウッ」主人の言葉に力強く頷きスピードを上げるストーム。


互いに主人の事を信じながら二人と一匹は北欧へと急いだ。

次からはまた新キャラ出るかも!?

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