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第二十七話:主神は流離人

今回は北欧が舞台の話ですので新しく登場するキャラに期待して下さい!!

「ここが北欧の神界?」


「あぁ。あれがヴァルハラだ」


飛天様が指差した所には光り輝く黄金と白銀と幾多の宝石で飾られた宮殿が見えた。


あれが北欧の主神、オーディン様の居城。


「じゃあ、あそこの中庭に降りろ」


「え?!ちょ、飛天っ。あそこはオーディン様の居城だよ!幾らなんでも駄目だよ!?」


「なぁに心配するな」


私の静止も聞かずに飛天様はダハーカさんに降りるように命令した。


「ギャウ」


ダハーカさんは軽く頷くとゆっくりと高度を落としてヴァルハラに近づいた。


うわぁー!!どうするのよ!?神界の宮殿に不法侵入なんて知れたら、お家断絶家名断絶一族郎党死刑だよ!?


「ひーてんっ」私が涙目で懇願するも飛天様は笑うだけだった。


「いやぁー!まだ死にたくないよー!!」


泣き喚く私を他所に飛天様はダハーカさんの手綱を巧みに裁き地上に着地した。


「あー、久し振りのヴァルハラだ!」ダハーカさんから降りると飛天様は天高く腕を伸ばした。


「・・・・・・ひ、飛天っ」私はびくびくして辺りを見回した。


不法侵入した事が外れたら捕まっちゃうよ!!


「そんなに怯えないでおくれ。娘さん」


え?誰かいるの?


辺りを見回すが誰も見当たらない。


「ふぉふぉふぉ、ここじゃよ。娘さん」




上から声がして見上げると宙に車椅子に乗ったつば広の帽子を被り左目が無く長い白髭を持った老人が浮いていた。


「相変わらずの悪戯好きだな。オーディン」軽い口調で老人の名を呼ぶ飛天様。


「お、お、オーディン様!?」私は飛天様が言った言葉に驚愕した。


オーディンって言ったら北欧神話の最高神で類まれなる魔術の知識を持ち神族の中でも上位クラスの神だ。


そんなオーディン様を呼び捨てで言う事は・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・ねぇ、飛天。もしかして友人って・・・・・・・・・」


「この車椅子に乗った爺さんだ」私の質問にあっさり答える飛天様。


うわぁー!?主神オーディン様を爺さんなんて暴言を吐いたよ!!


「娘さん。そう悲観しないでおくれ。こ奴の態度をわしは嬉しく思っているのだから」


私が沈んでいるとオーディン様は人懐っこい笑みを浮かべて笑った。


「だから言ったろ?心配するなって」ニヤリと笑う飛天様。


「それより何時まで上から見下ろしている気だ?」


「おぉ、失礼した。すぐに降りる」オーディン様は次の瞬間には私の隣にいた。


す、凄いっ。さすが、北欧の主神の事はある。


あれ?だけど、オーディーン様って魔神ロキの息子、フェンリル狼に食べられたはすじゃ?


「お若いのに随分と知識が豊富な娘さんだな」


私の考えていたのを読み取ったのかオーディン様が小さく笑った。


「きょ、恐縮ですっ」


「ジャンヌ、こんな知識欲丸出しの爺に敬語なんて必要ねぇよ」


「何を言ってるの!?飛天は!?」


「ふぉふぉふぉ、何とも愉快な娘さんだ。さすがは飛天が熱を上げる花嫁だ」


「ふんっ」


「さぁ立ち話はこの辺にして積もる話は茶でも飲みながら話そうではないか」


車椅子を漕ぎながらオーディン様は言った。


「そうだな。行くぞ。ジャンヌ、ダハーカ」私の腕を掴んで引き寄せる飛天様。


「ガウ」対してダハーカさんは反対側に擦り寄った。


「ふぉふぉふぉ。人望の熱い男だ」


愉快そうに笑いながらオーディン様は宮殿の中に入り飛天様と私とダハーカさんも後を追って中に入った。


宮殿の中に入ると色鮮やかな彫刻、綺麗に並べられた画に貴金属で飾られた家具類に目を回した。


「相も変わらず贅の限りを尽くした造りだな」ため息を吐きながら飛天様は呆れていた。


「お前の国の宮殿は質素だが無駄が無く品に溢れていているな」


「まぁな」


「娘さんは飛天の国に行った事はあるのかな?」


「は、はいっ。だけど、人が大勢いて、よく分かりませんでした」


不意に話しを持ち込まれ焦ったが何とか返答する。


「まぁ、首都だから仕方ねぇよ。今度は鎌倉か奈良みたいな物静かな場所に連れて行ってやるよ」


「うんっ。楽しみにしてるからね!」


「仲が良い夫婦だ」


そんな世間話をしている内にオーディン様の私室に着いた。


「・・・・・・さぁ、入って下され」金細工のドアが一人で開いた。


オーディン様の私室は、大量の本の山で埋め尽くされていた。


「す、凄い本の量・・・・・・・・・」唖然とした表情で部屋を見る私。


「たまには部屋の掃除くらいしろ。爺」飛天様は呆れた口調でオーディン様を見た。


「ガウガウ」ダハーカさんも呆れたように頷いた。


「散らかっていた方が落ち着くし直ぐに戻る」開き直ったように言い返すオーディン様。


何だか最高神っていうより気さくなお爺ちゃんみたいだ。


失礼な事だと思うが、端から見れば孫と他愛ない会話を楽しむお爺ちゃんに見えてしまう。


「わしの部屋の話より貴様の旅話を聞かせてくれ」


オーディン様は私と飛天様を適当に作ったスペースに座らせると手帳とペンを取り出し話をせがんだ。


「分かった分かった。今から話す」


飛天様は空いたスペースに座り私の肩を掴んで引き寄せダハーカさんは足元に甘えるように座った。


「それじゃ初めは・・・・・・・・・・・・」


それから飛天様とオーディン様の会話を私は楽しく聞いた。

近い内に登場人物紹介をする予定なので、宜しくお願いします!?

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