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第二十六話:大勢でハネムーン

逸話より短くてすいません

「うわぁー、綺麗!!」


北欧に訪れた私と飛天様は空から眺める自然に感嘆の声を上げた。


「あんまり動くな。落っこちるぞ」


しっかりと私の腰を抱きながら飛天様は注意した。


「ダハーカ、西へ飛べ」飛天様はダハーカさんに命令した。


「ガウ」ダハーカさんは頷いて旋回した。


「ねぇ、北欧に来たのは良いけど何処に行くの?」


「神界だ」


神界の言葉を聞いても大して驚かない私は自分に驚いた。


この人生破綻者の夫の幅広い人脈にもう慣れてしまったようだ。


「ふぅん」


「まぁ、用って言っても単なる旅の話だけどな」


「旅の話?」


「そいつも旅が好きで旅をしてたんだが、もう旅に出れないから俺が旅をした国々の話をしてやるんだ」


「飛天って優しいんだね」


「何だ?今頃、気付いたのか?」ふざけた口調で笑う飛天様。


「用事を済ませたら、ゆっくり北欧のメインスポットを案内してやるよ」


私の髪を優しく撫でる大きな手に心地良さを感じる。


「うん!楽しみにしてるからね」大きく頷く私を見て飛天様は満足気に笑った。







一方、魔界に残された従者はというと


「この大馬鹿者がぁぁぁぁぁあああああ!!」


「「「ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」」」逃げた夜叉王丸夫妻の代わりにビレト、ザパンの特大雷を浴びていた。


「なんで、俺達が怒られないといけないんだ?」小声でフェンリルが愚痴を漏らす。


「仕方がありません。主人様と奥方様の為」ヨルムが小声で返答する。


「そうだ。旦那とジャンヌさんの為にも耐えるんだ」


ゼオンもヨルムの意見に賛同の声を漏らす。


「「なにを話している!?誰も話して良いなど言ってないぞ!!??」」


「「「ひぃ!すいません!?」」」ビレト、ザパンの怒鳴り声に耐える従者達。


「相変わらず大声ですね」


足を組み哀れみの眼差しで従者達を見るペイモン。


「鼓膜が破れそうだ」


苦痛に顔を歪めるアスモデウス。


「ところで、ペイモン。飛天とジャンヌ姫は何処に行ったのかな?」


「北欧の神界です」


「神界?」


「はっ、主神オーディンに用があるとの事」


「ふぅん」


「まぁ、オーディンは流離人さすらいびとだから飛天と旅の話でもするのだろうな」


天井を眺めたアスモデウスは不意に立ち上がった。



「じゃあ俺は帰る」


「はっ、お気を付けて」


一礼してアスモデウスを見送るとペイモンは未だに叱られている従者を一瞥し客室を後にした。









「・・・・・はぁ、つ、疲れた」ビレト、ザパンの説教が終わったのは夕方だった。


「も、もう駄目っ。身体が持たない」


「あの爺、半ば八つ当たりじゃねぇかよ」


「・・・・・畜生っ、いつか仕返ししてやる」口々に愚痴や批判の言葉を零していた。


「そう言えば主人と奥方様は何処に逃げたんだ?」


フェンリルの問いにヨルムンガルドとゼオンは


「何処に行くって言ってたっけ?」


「何処でしたっけ?」


「どうするんだよ?」


三人が悩んでいるとデュランが手紙を口に挟んで部屋に入って来た。


手紙には


“北欧の神界に行ってくるわね(はぁと)ペイモン”


っと書かれていた。


「北欧の神界って事はヴィザースの糞野郎がいるな」


「雷神トールもいます」


フェンリルとヨルムンガルドの目付きが殺気を出し始めた。


「トォールの奴はどうでも良い。ヴィザースの野郎は主人を傷を付けた借りがある」


漆黒の毛皮を逆立たせるフェンリル。


「俺を護る為に主人は瀕死の重体になったんだ」


「良い機会だ。この機会に奴の頭蓋骨を噛み砕いてやる」


綺麗に並べられた牙を剥き出して笑うフェンリル。


「・・・・・では」


ヨルムンガルドとゼオンを見てフェンリルは


「俺達も北欧に行くぞ」


「二度も主人を傷付けられて堪るか」


「今度は俺が主人を護る番だ」


「私は兄さんの意見に従います」


ヨルムンガルドはフェンリルの意見に従い


「旦那とジャンヌさんに害があるなら斬り殺す」ゼオンも意見に賛同した。


「これで決まったな」


「前は急げだ。早く旅仕度をしようぜ」


いそいそと自分の部屋に戻る中でデュランは自分はどうしたら良いのか途方に暮れていた。

他の二つの物語も出来るだけ更新します!!

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