逸話:ブラコンな王女
今回は夜叉王丸とジャンヌは名前だけの登場です!?
「どういう事ですか!お母様!?」
夜叉王丸とジャンヌが帰って牢から釈放されたリリムは母親のリリスに食って掛かった。
「一般的な行動をしただけだけど」しれっと答えるリリス。
「お母様は嫌じゃないんですか?!飛天様をあんな下級天使に取られて?!」
「別に飛天さんは嫌がってないしベルゼブルさん達も何も言わないし問題ないんじゃない?」
「問題大有りです!!」髪の毛を逆立たせて怒鳴るリリム。
「あんな娘に飛天様を任せたら駄目になってしまいます!?」握り拳を作りながら力説するリリム。
「問題なのは貴方の方よ」
そんな娘をリリスは嘆息しながら見た。
「何時までお兄ちゃん子のつもり?」
「貴方も大人なんだから少しは行動を控えめなさい」
「お母様だって義息子離れしたら良いじゃないですか?!」
言われ続けてきたリリムが反撃に出た。
「お母様だって飛天様をお父様が持ってきた結婚話から遠ざけてたくせに」
「あら?私は飛天さんが困っていたから助けて上げただけよ」
「マイダーリンが持ってくる結婚話を嫌がってたから助けただけ。だけど、貴方はその逆でしょ?」
リリムの反撃に少しも怯るまず逆に倍返した。
「夜会に出たくない飛天さんを無理やり出させたり、お茶会に来させたり・・・・・・・」
それから延々と語る過去の罪状?を語った。
「寝ている飛天さんの寸法を計って特製の抱き枕を作って、それを抱いて眠ったりしたわよね?」
「後は飛天さんが口を付けたカップに間接キスをしたりもしたわね」
「その他は飛天さんが城の大浴槽に入っている間に脱いであった服を嗅いだりもしてたわね」
更に言おうとするリリスに
「もう止めて下さい!!」
顔を真っ赤に染めて怒鳴った。
「事実を言ったまでよ」睨んでくるリリムを軽く遇うリリス。
「この話を飛天さんが聞いたらどうなるかしらね?」
悪魔な笑みを浮かべるリリス。
「飛天さんに嫌われたくないなら、ジャンヌちゃんに変に手を出さない事ね」
「・・・・・・・・」
リリムはリリスを睨んだが直ぐに視線を逸らし部屋を出て行った。
「・・・・・お見事でしたね。リリス様」窓に視線を送るとペイモンが座って見ていた。
「名演技だったでしょ?」
ふふふふ、と妖艶な笑みを浮かべるリリス。
「そっちはどう?飛天さんとジャンヌちゃんは帰った?」
「はい。飛天がしっかり警護してました」
「私が控えているのを分かっていながら手抜きをしませんでしたよ」
夜叉王丸とジャンヌが座っていた席に腰掛ける。
「くすっ。まるで姫を護る騎士みたいでしたよ」
「そんな姿をビレトさんが見たら泣いて喜ぶわね」リリスも席に座る。
「影の保護者は伊達ではありませんから」リリスの言葉に苦笑するペイモン。
「本当の事でしょ?」
「はい。この分だとジャンヌちゃんが懐妊したら陛下と手を取り合って喜びそうです」
「鬼の教官と異名を取るビレトさんが孫馬鹿になるなんて面白そうね」
「佐用ですね」
二人は談笑しながら屋敷に帰っていった二人を話題に茶会を楽しんだ。
ブラコンなリリムと息子に甘いリリスでした!?