第十七話:突然の来訪者
今回は友達が考えたオリキャラが登場するので楽しみにしていて下さい!?
飛天様にキスをされてから私はあまりの衝撃で寝込んでしまった。
うぅぅ、情けないよ・・・・・・・・
「大丈夫ですか?奥様」心配そうに問うヨルムさん。
「えぇ。大丈夫です」安心させるように微笑む。
「なら、質問させて貰います」
「昨夜、主人様と何かあったのですか?」行き成りの問いに戸惑った。
「えーと、その・・・・・・・・・」
強引に口付けされました、なんて本当の事を言える訳がない。あのキスが私のファーストキスだったのに・・・・・・・・・・・・キスと初めては、好きな人とって決めてたのに・・・・・・・・・・・・・・
まぁ、飛天様と政略結婚した時点で、そんな乙女チックな夢は粉々に砕け散ったけど、やっぱり、初めてのキス位、ムードが出てる所で甘い言葉を掛けられてからして欲しかったのに・・・・・・・・・・・・
あんなムードも何もない状況でキスされるなんて、運が無さ過ぎるよ。・・・・・・・・くすんっ(泣)
「どうなのですか?奥様」
顔を近づけるヨルムさん。
そんな端整な顔を近づけないで下さい!!意識しちゃうよ!?
「べ、別に、何もありませんでしたよっ」慌てて答えたから声が裏返っちゃったよ。
「・・・では、何故、主人様とダハーカが人界に行ったのですか?」必死に聞き出そうとするヨルムさん。
「そ、それは、分かりません・・・・・・・・」
「最後まで主人様といたのは奥様なのですよ。分からないはずがありません」
取調べの刑事みたいに自供しろ、と眼で言っているヨルムさん。
うぅぅぅぅぅ、どうしよう?!
「ちょっと、ヨルム。いつまでジャンヌちゃんの部屋に入るの?そんな所を飛天に見られたら八つ裂き所か灰にされるわよ?」
困り果てているとペイモン様が部屋に入って来てヨルムさんの肩を扇で叩いた。
「しかし、このままでは兄さんやゼオンも納得が・・・・・・・・・・」ペイモン様の言葉に食い下がるヨルムさん。
「ここは女の私に任せなさい。それに飛天の事だから直ぐに帰って来るわよ」
流石は愛人。飛天様の性格を熟知している。
「ほら、部屋から出る」
渋るヨルムさんの背中を無理矢理、押して部屋から追い出すペイモン様。
ふぅ、助かったっと思ったら
「・・・・・さぁ、邪魔者は消えた事だし、話して貰おうかしら?」ドアに鍵を掛け腕を組んで不敵に笑うペイモン様。
一難去ってまた一難。
飛天様、速く帰って来て!!
一方、人間界に来た夜叉王丸とダハーカは日本の栃木県のと在る温泉宿にいた。
「・・・・・はぁー、良い湯だっ」
部屋にある露天風呂に浸かりながら人間姿になったダハーカは、外の景色を堪能していた。
「お前も昼間から酒ばっか飲んでないで景色を堪能しろよ」ダハーカは、部屋の片隅で日本酒を煽る夜叉王丸を見た。
「・・・ふん」素っ気無くダハーカを一瞥し、お猪口に酒を注ぐ。
「そんな気に病むなよ。その内、過労で倒れるぞ?」
不機嫌な相棒に苦笑するダハーカ。
「女に優しいのは良い事だが、自分の身体も気を付けろよ?」
「ヨルム達が五月蝿く(うるさく)て適わん」
「・・・分かっている。分かっているが・・・・・・・・・・」苦しそうに顔を歪める夜叉王丸。
「あの天使の嬢ちゃんに顔向け出来ないんだろ?」
「お前ほど女の気持ちが解る奴はいないが、同時に自分の欲望に苦しむ奴もいない」
「女を大切にするのは良いが、自分の欲望にも忠実になれ」
「あの嬢ちゃんを抱けないなら、ペイモンや神界の性悪やツンデレ女神達を抱けば良いだろ?」
「あいつ等も、お前に会うのを楽しみにしてるだろうよ」くくくくく、口元を引き攣らせて笑うダハーカ。
「あの女神達の相手なんてしてみろ。日干しになっちまう」
「あはははは、違いない」
「で、どうするんだ?このまま行くと本当に倒れるだろ?」笑っていたのを瞬時に止め真剣な表情で尋ねるダハーカ。
「まぁ、な」
「お前の言う通り、このまま行くと倒れそうだ」
「ジャンヌには罪悪感があるが、致し方ない」沈痛な表情の夜叉王丸。
「やれやれ、何千人何万人と屍の山々を築き上げた男が、たかが天使の小娘一人に罪悪感を感じるなんて聞いたことないぜ」
「ふん、別に良いだろ?それより風呂に入る。早く上がれ」
唐突に熱燗とお猪口を置いて服を脱ぐ夜叉王丸。
「本当に気紛れだな」呆れた口調で言いながら風呂から上がり服を着始めるダハーカ。
「風呂から上がったら、早々に魔界に帰るぞ」
部屋を出ようとしたダハーカに呼び掛ける夜叉王丸。
「えー!!これから純和風な大和撫子を探しに行こうと思ってたのに!!」相棒の勝手さに愚痴を零す。
「大和撫子なんて古風な言葉を出しやがって」
「あの清純とした雰囲気に物静かな性格、まさに深窓の令嬢!!そんな娘を俺は探しているんだ!?」胸を張り叫ぶダハーカ。
「最近の女は活発だから簡単には見つからないぜ?」
「望む所だ!宝は苦労してこそ手に入れる物!?」
「ふーん。じゃあ、適当に頑張れ」付き合え切れないと夜叉王丸は湯に浸かった。
「後で悔しがるなよっ」爬虫類のように長い舌を出してダハーカは部屋を出て行った。
「・・・・・・以上が昨晩の出来事です」
安楽椅子に座りながら長煙管を弄ぶペイモン様に私は正座をして昨日の事を話した。
「ふーん。私達が貴方達の事を心配していた時に、熱いキスをしてたんだ」
低い声で私を見下ろすペイモン様の声に身震いする。
「い、いや、飛天が、無理矢理にですね、キスしたので・・・・・・・・・」
「・・・無理矢理ねぇ」うわぁー、まったく信じてくれてないよ。
「それで、無理矢理キスした罪悪感を感じて、人界に行ったと?」
「私は、そう思います」
「・・・・・・・・」何か思案するペイモン様。
何で私が、こんな尋問されなきゃならないの?元は言えば、飛天様が人間界になんか行かなければこんな面倒な事にはならなかったのに!?
「ジャンヌちゃん」
もう!いつも面倒事を起こすのに他人に押し付けて自分は逃げるんだから!?
「ジャンヌちゃん?」
自分勝手で気紛れで、変に子供染みて、優しくて・・・・・・・・・・・
「ジャンヌちゃん!」
はっ!!
「私の話、聞いてた?」不機嫌そうに足を組むペイモン様。
「は、え、え、と、えと、えと」
「はぁ、飛天のキスが上手かったからって余韻に何時まで浸ってるの?」
「え?上手いって?唇を合わせただけですけど?」
「は?舌とか入れられなかったの?」
「ぶっ!!し、ししししししししし、舌を入れられなかった?!そ、そんな、行為してませんよ!!」私は声を荒げて答えた。
「・・・・・・くすっ、うふふふふふふ」すると、ペイモン様は笑い出した。
「ペ、ペイモン様?」
「ごめんごめん。何でもないのよ。そう、唇を合わせただけの口付けね」
「あの男が口付けを合わせるだけのキスだけで我慢するなんて」くすくす笑い続けるペイモン様。
「???」私には何が何だか理解出来ない。
「あの、一体なにが?」ペイモン様に尋ねようとした時に
「奥様、主人様の友人が奥様にお会いしたいと言っておりますが?」
ドア越しにヨルムさんの声がした。
「飛天の友達が私に?」
何で私なんかに?
「主人様が戻るまで奥様と話したいと言っておりますが?」
なるほど、言われて納得できる。
「・・・分かりました。お会いすると伝えて下さい」
「畏まりました。おい、入れ」
あれ?ヨルムさんがタメ口を言ったような・・・・・・・・
「失礼するよ」
中に入って来たのは、漆黒の髪を靡かせ、上品さが溢れる漆黒の服に身を包んだ超超超ちょょょょょう美青年!!
きゃあー!!格好よ過ぎる!!
「奥様、この男は、主人様の友人で」
「ヘル・ディスタンスと言います。初めまして、男爵夫人」
恭しく片膝を着き私の手の甲に口付けを落とした。
きゃあ!きゃあ!きゃあ!仕草の一つ一つが絵になって格好良い!!
私の夫の飛天様とは天と地の差があるよ!!(天=ヘル・ディスタンス、地=夜叉王丸)
「は、初め、まして。ジャンヌと言います」惚けていたが、直ぐに挨拶をする。
「良い名前ですね。貴方様にぴったりの名前だ」
「相変わらず紳士ね」ペイモン様が目を細めながら言った。
「奥様、ヘルはサタン様が天使の頃に人間の娘との間に出来たハーフです」
「ハーフ?」
「はい。サタン様が皇帝でしたら、王位継承の一番でした」
って事は、元第一王子で皇帝になれたかも知れなかって事!?
「まぁ、今は当ても無く旅をしてるんだけどね」
「飛天とは日本で出会って聞けば、兄弟って分かって意気投合したんだ」淡々と説明するヘルさん。
「何故、来たんだ?」ヨルムさんが尋ねた。
「風の噂で飛天が妻を娶ったと聞いて見に来た」
「まぁ、肝心の飛天が留守なのは残念だけど、綺麗な奥さんと話せたから良いかな」
うわー、年下特有の爽やか笑顔だ!?
飛天様みたいに意地悪な笑みじゃない。あーあ、飛天様じゃなくてヘルさんが旦那様なら良かったのに
「久しぶりだな。ヘル」ヘルさんの背後に何時の間にか飛天様が立っていた。
「おぉ、久し振りだな。おっさん」気軽そうに笑うヘルさん。
「百年振りか?」
「いや、正確には九十年と十一ヶ月振りだ」
「相変わらず全てに置いて細かい男だ。そんなんじゃ何時か倒れるぞ?」
「おっさんこそ、可哀想な奥さんを想って禁欲生活をしてるけど大丈夫なの?」
禁欲生活?この傲慢で毎朝低血圧で破滅的に目付きの悪い見た目が完全な悪魔の飛天様が?
全然、創造が出来ない。まったく持って創造が出来ない。
「まぁ、予想以上に身体に負担が掛かっているから正直に言えば、やばい」
「何がそんなにやばいの?飛天」
さっぱり分からない私は飛天様に尋ねた。
「「「「・・・・・・・」」」」
飛天様、ヨルムさん、ペイモン様、ヘルさんの視線が集中した。
え?え?な、なに?
「はぁ、ジャンヌちゃんって鈍感よね?」呆れて嘆息するペイモン様。
「まったくです。これでは主人様があまりに哀れでなりません」ヨルムさんまで嘆息した。
「こりゃ、先が思いやられるな?おっさん」
「まぁ、仕方ないさ」ヘルさんと飛天様も呆れ果てていた。
何が何なの?
私一人が混乱しているのに皆は納得したようだ。
うぅぅ、何か仲間外れされた気分。
どうでした?オリキャラの感想待ってます!?




