第一話:厳しい現実
第一話は暗めな私からの視点ですが、どうぞお楽しみ下さいっ!?
一通り姫としての習い事や作法を習った私は主人様が用意した馬車に乗せられて護衛達に四方を囲まれながら出発した。
都から離れた丘に止めてもらい私は窓から故郷を眺めた。
もう二度とこの地を踏む事は無いと思うから目に焼き付けて置きたかった。
だけど僅かな時間で私は馬車に戻されて再び馬車は走り出した。
私を乗せた馬車は早い足取りで魔界の領土へと近づいた。
噂によると魔界は冥界のように暗闇に包まれ草木や海も無くただ延々と続く荒野しかないと聞いていたので私はそんな荒れ果てた地で見た事もない男と結婚して一生を過ごさなければならないのかと思うと悲しくなった。
何で私が魔界に行かなければならないんだろう・・・・・・・・
・・・・・何故、私なんだろう。
何もしてないのに・・・・・・・・
ただ平和に暮らしていただけなのに・・・・・・・
しかし、どんなに嘆いても変える事は出来ない突き付けられた現実。
その現実を一階級の天使である私は命令を黙って受け入れるしか出来ない。
だけど私が一人だけ犠牲になれば条約が守られ大勢の天使達が戦火に怯えず平和に暮らせるのならと無理矢理に自分の気持ちを押さえ付ける。
私が一人だけ犠牲になれば良いんだ。
それで皆が平和に暮らせるのならそれで良い。
それで良いのだ。
自分自身に言い聞かせた。
本当に暗くてすいません!二話からは明るくするので待っていて下さい!?