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第十六話:世話が焼ける相棒

度重なり更新が沈滞してすいません↓↓↓↓

「飛天の馬鹿」屋敷に帰ると私は出来る限り怒った顔で飛天様を睨んだ。


「あれじゃ、恥ずかしくて夜会に出れないじゃん」


「別にもう行かないんだから良いだろ?この屋敷で夜会を開く訳でもない」


私の睨みを軽く見ながら軍服を脱ぐ天様。


「そんなに夜会に出たかったのか?」物珍しそうに見る飛天様。


「あんなゴタゴタした場所に行きたがる気が知れん」女なら誰だって一度くらいは、綺麗なドレスを着て化粧をして素敵な紳士と踊りたい者なの!!


「せっかくペイモン様が選んでくれたドレスに化粧もしてくれたのに、出れないなんて・・・・・・」俯いて消沈した声で答えると


「・・・・分かった。今回は俺が悪かった。次の夜会はちゃんと連れて行ってやる」ため息を吐きながら飛天様は了承してくれた。


「本当?」信用が出来ないから再度、聞く。


「安心しろ。女との約束は守る」眉を細めたが、直ぐに返答した。


「その変は信用できますから安心できますよ。奥様」ヨルムさんが飛天様の軍服を持ちながら答えた。


「主人様を含めて悪魔は、契約を厳守します」


「えぇ。悪魔も客商売だから信用第一なのよ」後から来たペイモン様も頷いた。


悪魔は、召還された者と契約を交わす。


契約を交わした悪魔は契約内容を厳守し遂行する。だから、飛天様も約束は守る・・・・・・・・・らしい。


「そんなに主人を信用できないのですか?奥方様」フェンさんが少し怒った口調で私を睨んできた。


「そ、そんな・・・・・・・・・」今までに見た事のない瞳で睨まれ涙目になる私。


「まぁ、そう怒るな。フェン」飛天様が優しくフェンさんの頭を撫でた。


「今回は俺に否があるんだから」


「しかし、主人様は奥方様の為に苦労しているではありませんか」


「そんな主人様の気も知らないで奥方様は我侭を言い過ぎです」


「奥方様は知っているのですか?主人様がどれだけ忍耐生活を送って・・・・・・・・・・・・・もがもが!!」


最後まで言う前にゼオンさんがフェンさんの口を抑えた。


「ジャンヌさん。このアホ犬の言った事は気にしないで下さい!!」


「でも・・・・・・・」ちらりと飛天様を見る。


「ゼオンの言う通りだ。気にするな」ぽんぽんと私の頭を叩いて私の手を掴んで部屋に向かう。


「お休みなさいませ。主人様、奥様」


ヨルムさん達は手を振りながら見送った。


だけど、何故か引き攣っていた。







「・・・・この馬鹿っ。何で止めるんだよ!!」


二人が屋敷の奥へと消えたのを見てゼオンが手を離すとフェンリルは吼えた。


「旦那が望んでないのに言うのか?」


腕を組みフェンリルを見下ろすゼオン。


「主人様は奥様を大切に思っているからこそ、我慢しているのですよ」


「まぁ、仮にも夜叉の棟梁だから生半可な精神力じゃないと思うけど我慢にも限界があるわ」


ペイモンが鎮痛な表情をして物語った。


「女に優しいのは感心するけど、自分の身体を気遣いながらしてもらいたいわ」


「だからと言って、主人様の意に合わぬ事をして良い訳ではないですよ」ヨルムが反論すると


「じゃあ何か?このまま主人が身体を壊してぶっ倒れるのを待っていろと言うのか?」フェンリルが声を更に荒げる。


「そうは言ってません」負けじとヨルムも睨み返す。


双方が不穏な雰囲気になってきた時であった。


「・・・騒がしいぞ」声の方を見ると身体を窮屈そうにダハーカが立っていた。


何時もの間抜けな表情ではなく見る者を圧倒する目付きと人語を喋る姿は竜ではなく龍だった。


「さっきから聞いていれば餓鬼みたいに口喧嘩しやがって」


「あいつにはあいつの考えがあるんだよ。それに嬢ちゃんだって気付く」


威厳があり見つめる瞳孔の鋭さに圧倒される。


「お前らの気持ちは組んでやるが、今は見ていろ」


ダハーカの言葉に皆は黙りそれぞれの部屋に戻って行った。


「・・・・はぁ、人騒がせな夫婦だ。これじゃ先が思い遣られるぜ」


ため息を吐きながらダハーカは来た狭い道を苦しそうに戻って行った。


「しかし、あんな事を言ったがの朴念仁が何か考えてるなんてないよな?」


改めて自分の言葉に後悔するダハーカ。


「あの天使の嬢ちゃん、恋愛に長けてる訳じゃなさそうだし、あの朴念仁が嫌がる女を抱く訳ないし・・・・・・・・・」


「このまま行くと、フェンがキレるしなー。どうしたものか?」年寄りのようにため息を吐く。


「・・・・何を辛気臭いため息を吐いてんだ?」


振り返ると不機嫌そうな夜叉王丸が立っていた。


「何だ?起きてたのか?飛天」


「・・・・・・・あぁ。少し人間界に行くから付き合え」


有無を言わさぬ態度に長年連れ添った相棒にダハーカは感じ取った。


「嬢ちゃんに手を出したのか?」


「・・・・・・・・」無言の相棒にダハーカは


「・・・・・マジで出したのか」


「・・・・・キスした」


「キス?唇を合わすだけのか?」


「そうだ。悪いか?あんな瞳で見られたら理性が吹き飛ぶつうの!!」


一気にまくし立てた夜叉王丸。


「誰も悪いなんて言ってないだろ?そう怒るな」


「察するに呆然とする嬢ちゃんに罪悪感を感じて頭を冷やしに行くんだろ」


「分かってるならさっさと行くぞ」


不機嫌に言いながら足を進める相棒にダハーカは、ため息を吐きながら後を追った。


『世話が焼ける相棒だ』心の中で苦笑しながら一人と一匹は人間界に向かった。

出来るだけ早く更新するように努力します!!

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