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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
4章 調査開始

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第11話 破壊禁止の結界


このままでは『誰かが結界の外から飛び込んで救出する』という、無茶な作戦が実行されてしまう。


何か……協力できることはないか?



自分が記憶している、あるいは実現したことのあるもので最適なものを探してみる。


学生時代や組合員のときですら、結界を破壊する術を教わらなかったぞ。おそらく理由は、“結界を破壊してはいけない”という定義があるから。


痛くなるほど頭を上げても、てっぺんが見えない鉄塔。どこの高さに子どもがいるのかわからないが、長引くほど危険だ。


そもそも、魔法で作った結界に魔法が使えないというのもおかしな話じゃないか。どこか構造に隙があるはずだ。



原岡も加わった五人がぎゃんぎゃんと喧嘩している横を通り、結界があるあたりに立った。

確かにそこに“なにか”があるのに、手で触れても感触がない。


どうやらこの結界、ぶつかったときの衝撃を和らげるように作られているらしい。

魔法を退ける効果があるだけで、人間に危害を加える結界ではないから。


もし触れたときに硬さを感じるのなら、転んでぶつかっただけで怪我をしてしまうだろう。



数回深呼吸を繰り返し、目を閉じる。


何かしら魔法を使おうとすると、波紋が広がってその部分を守ろうとしてくる。だが触れている指に対しては何もしてこない。


意思のある壁と言ったところか。

対象が限定的な金の炎みたいだ。


あの炎みたいに、攻撃性のない魔法を使ったらどうなるのだろう?


試してみることにした。


足元に階段を一段出してみる。そのまま二段、三段、と組み上げてみたが、六段目で消えてしまった。


ちっ、だめか。



「はー……この、消えちまえ」



その瞬間――結界に触れていた指先にふわりとした感触が伝わった。まるで、結界がその言葉を理解したかのように……。


――え?


結界の表面に、細いヒビが走る音がしたかと思えば、次の瞬間には頭上からガラスのような何かが降ってきた。

……と思ったのに、それは体をすり抜け、まるで幻のように砕け散っていく。


小気味よい音を立てながら破片が飛び散るが、魔法以外に牙を剥く意思はないらしい。その破片で俺に切り傷ができることはなかった。


……言葉が通じた?

まさか、そんなはず……。


反射的に息を呑んだ。


いや、今は考えるな。優先すべきは、子どもだ。



「原岡!」


「……っ!? ぅえ!? お、おう!」



言い争いをしていた原岡は、突然の呼びかけに飛び上がるように反応した。

風属性魔法を使える彼の体の周囲に風が巻き起こり、上空に飛んでいった。


それを見届けたあと、何が起こったのだろう?と腕を組んで頭を傾ける。


「消えろ」って言ったからその通りになったとか?

そんな、バカな話が――いや、ありえない、はずだよな?



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