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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
第7章 自意識

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第21話 宿題の追加


それにしても、ルネは本当にすごい。上位精霊を説得しに行けるってことは、同等あるいはそれ以上の位のはず。


俺はふと気になって口を開いた。



「ルネの真名というか、精霊としての本当の名前は? そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」



……もしかして、“精霊王ルネリウス・なんちゃら三世”とか?

いや、こんな変な名前だったら嫌だな。


ルネはふいっと首をひねった。



「当ててみてって言ったでしょ」



いいじゃないか、減るものでもあるまいし。

……減るのか?


脳内の反論は、当然ながら無視された。



とりあえず、魔術の解除は先になったが、まだ延命できる可能性が出てきたのでこの話は一旦置いておこう。



……あの子に精霊の話をするべきだろうか?


契約そのものより、知らない存在と向き合うことの方が、きっとずっと怖い。

無理に話して怯えさせ、契約が成立しなかったら?


それだけは避けなければ。



でも、できるだけ早く伝えたい。とにかく、時期を見て話そう。

焦ってしくじったら元も子もない。


お嬢ちゃんがちゃんと受け入れられるように、今のうちから伝え方を考えておかないとな。



「彼女に違和感なく契約させるにはどうしたらいいか……」


「魔法獣の召喚を、夏休みの宿題として追加しましょうか? これなら、優香さんも抵抗なく召喚してくれるでしょう」



「いいんですか? 魔法獣の召喚はたしか、二年生になってからでしたよね」


「ええ。ですが危険なものでもありませんし、今回は急を要しますから。優香さんがその宿題をする前に、精霊を説得する必要がありますがね……」



ルネが『がんばる』と頷き、さっそく精霊界に帰っていった。



さすが高校の理事長。

これなら問題なく、自然に精霊を呼び出すことができる。

精霊を召喚するときは、魔法獣を呼ぶ流れと同じだそうだから。


明日にでも春日井先生に連絡すると言ってくれた。



学生のみんな、宿題増やしてごめん。

でも、どうか許してくれ。



沈んでいたものが、静かに浮かび上がってくるようだった。


今日、無駄足にならなくてよかった。お嬢ちゃんが助かる可能性があるなら、どんな手でも尽くそう。



強く握っていた拳がじんわりと汗ばんでいた。


協力してくれた鳳さんに深く頭を下げ、感謝の意を伝える。



「ご協力いただきありがとうございます」


「すべてがうまく進んでいくことを願っています」



鳳さんの静かな微笑みが、背中をそっと押してくれるようだった。



「……がんばります」



その言葉が、自分でも驚くほど力強く響いた。まるで、俺自身に言い聞かせるように。



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