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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
第7章 自意識

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第19話 一筋の光


「あまり推測で話すのは好きではないけど――」



ルネの声が耳に届き、意識がふっと浮上する。絶望に沈みかけていた心が、わずかに引き戻された。



「シャーマンの力を受け継ぎ、この国特有の魔法の使い方をしている者が、新たな方法を生み出すことができたなら、魔術の解除に繋がるかもしれない」



――それって、つまり……。



「シャーマン?」



静かに聞いていた鳳さんが質問する。


ルネは座卓の上でまんじゅうみたいに丸くなり、鳳さんの方を見た。



「この国とは別の地に、霊媒師のような力を持つ、シャーマンと呼ばれる者がいる」



こちらに再び向き直り、くちばしを開いた。



「母親がシャーマンで、その力を継いだ者――つまり、きみだけが特殊な魔法を使える。ユウナ、きみがやるんだ」



あの霜月先生が二十年以上も研究し、見つけられなかった答えを――俺が?

無理に決まっている。


そう思った瞬間、指先を小突かれた。



「この魔法に関しては、想像力とかそういう次元の問題ではないと思う。今まで見たぼくの知識にもないんだ、ごめんね」



しょげる小さな頭を撫でる。


――頼りにされているのに、弱気になってどうする。



やるしかない。


やるしかないんだ。



「……やってやろうじゃないか」



あの手を、あの声を、守れるかもしれない。


やっと希望が見えてきた気がする。そう思った瞬間、血の巡りが早くなり、目に映る景色が明るくなったようだった。



「話の腰を折るようで……」



鳳さんが申し訳なさそうに口を開き、ルネは何者かと尋ねてきた。精霊だと教えたところ、腑に落ちたように深く頷く。



「魔法獣にしては自分の意見を持っているなと思っていたのですが、まさか精霊とは……」


「精霊をご存じでしたか」



「すでに亡くなられましたが、知人が契約していましたね」


「なるほど……」



そうだったのか。


まあ、なんにせよ、あと三年以内に『二十歳まで生きられる』魔術を解除し、この負の連鎖を終わらせなければならない。

魔法陣がここにあったら持ち帰ったのに。


……いや、待てよ。



「ルネ、鳳さんの記憶から、この魔法陣の形を描き出せないか?」


「できるけど……ぼくがそれを具現化した瞬間、この屋敷にいる者全員に、その魔術がかかる。つまり、寿命が二十歳までに制限されるよ」



「な、なに……?」



思わず声が上ずった。



「……それはまずいね」


「そうだよね」



ルネは申し訳なさそうに翼をすぼめた。



「それじゃ、ほかの方法を考えないと……」



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