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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
第7章 自意識

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第14話 運命の着信


家に着いたのと同時に、玄関にいたソラを抱っこする。


あー、この手触り、癒し力高すぎる。



力が強かったのか「ぎゃー」と言いながら肩に移動された。

そのまま台所に行って椅子に寄りかかると、白猫は器用に降りてきて定位置である膝の上に座り直す。



帰り際に、梅ちゃんに渡された封筒の中身を確認した。


お嬢ちゃん、仕事するの初めてなのに……接客がんばってくれたから、いっぱい渡しておこう。



「こ、こんなにいただけません!」



お嬢ちゃんが両手をぶんぶん振りながら、勢いよく封筒を突き返してきた。


……そんな腫れ物のように扱わなくても。



「広告費も含まれているから」



先ほど言ったこと、忘れてはいまい。

しまったという顔をしたがもう遅い。


広告に使えそうな今日の出来事を思い出し、その一場面を魔法で切り出して、紙に印刷。橘屋の名前を入れて完成だ。


結構綺麗な場面じゃないか?



完成した広告紙をお嬢ちゃんに得意げに見せると、いきなり眉をひそめて文句を言われた。



「ユウナさんの顔、ひまわりで隠れてるじゃないですか」


「ああ、わざとだよ。お嬢ちゃんが主役だからね」



空から降るひまわりを背景に、二人が魔法を使っている場面。俺の顔面がすっぽりひまわりで隠れていて、もはや“ひまわり人間”になっている。


でも目立ちたくないし、ちょうどいいと思ったのに……それは却下されてしまい仕方なく顔にかかったひまわりを消した。

すると満足そうに口元をゆるめて機嫌がよくなった。よくわからんがこれでいいらしい。


できた広告はさっそく実家に飛ばした。



あ、そうだ。


懐に手を伸ばし、歌劇の団員にもらった入場券を二枚とも渡す。


南美川なみかわくんは、あれは振られたのだろうか……まあ、友だちとでもと言っておくか。



「お嬢ちゃんが昼休憩行ってるときに、歌劇の団員にもらったんだ。友だちと行ってきたらいいよ」


「……じゃあユウナさん、一緒に行きましょう」



少しだけ視線を逸らしながら、小さく言った。


なんだよ、その言い方……ずるいな。そんな顔見せられたら、断れるわけないだろ。



「まあ、いいけど……」



けど、六回は見たぞ。おもしろかったからいいけどさ。


うれしそうに自室に戻る背中を見送ったあと、ソラが膝の上でにやにやしている気配がした。

「ふへへ」と珍妙な笑い声を上げながら、しっぽを揺らしている。



「ユウナの結婚も秒読みかな」


「けっ……」



思わず声が裏返った。


待てまて、猫ちゃん。そんなわけないだろと返そうとして、口が開かなかった。

ソラのしっぽが揺れるたびに、なんだかむずがゆい。心臓がドクドクと鳴って、うるさい。



「おやおや? 否定しないってことは、嫌ではないのだね」


「ちょっ……ソラさん!?」



くそ、今日は浴びるほど酒飲んでやる!


ソラを下ろして寝室に閉じこもろうとした瞬間、廊下に置いてある黒電話が鳴った。



「はい、利他です」


小鳥遊たかなしだ。ユウナ、喜べ。いい知らせを持ってきてやったぞ』



玲さんの話すその内容に、胸が踊った。



「――本当ですか!」



受話器を強く握りしめる。


ついに――八意やごころ魔術高等学校理事長、鳳健之助との会合が可能になったのだ。



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