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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
6章 判明

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第31話 慰めの代償


ルネの言う通り、物体を作るのはなんとかなりそうだけど、ひとつ気になることがある。



「前に……見たことのないものを魔法で再現したことがあるけど、それはなんでできたんだ?」



オオツチ町の旅館で、実験と称して魔法で直線の虹を作り出したことがある。まるで、絵具を塗り重ねたような不自然な線だった。



「想像が難しくないようなものは作れているみたいだね。心と魔力が一致したら、なんでもできる。うなぎ掻きとか槍を飛ばしたりできるのも、それが理由」



あれってそういうことだったのか。

薄ら疑問には思っていたけど、指を振ったら飛んでいくし、まあいいかと思っていた。


先ほどの移動魔法がうまくいかなかったのは、“歩いた方が早い”という思い込みのため、魔力がそれを汲んで発動しなかったから。



考えを整理するように、顎に手を添えて首を傾げる。


しかし……現代の魔法は魔術と違い、願いや祈りを必要としないと聞いたが、結局気持ちの問題になるのか。魔法の元は魔術だというから、多少なりともその影響があるのだろう。


……それなら、俺が魔法を使うたびに『本当にこれでいいのか』と不安になっていたのも、反映されていたのかもな。



「そうだよ」



こら。勝手に頭の中を覗いてくれるな。


なんにせよ、物体はともかく、現象を魔法で起こす練習をしていけたら、技術は向上できる。これで少しは自信もつくだろう。



「ルネって物知りだね。知らないことはないの?」


「一度見たものの過去や思考、物体の構造がわかる能力だからね。ぼくが見たものであれば、情報として提示してあげられる。でも、見たことがない人物のことはわからない。今回のユウナの能力のことは、今まで例がなかったから、向こうの次元で調査しないとわからなかった」



なるほどね。

……ルネが疑問に思ってくれたおかげで、俺の能力についての謎が解けた。


この子には召喚したときから、ずっと助けられてばかりだ。ルネに『いてくれてよかった』と思われるくらいには、強くならないと。


白い頭から下りたルネは、ぱたぱたと羽を動かして、伸びをするような仕草を見せた。



「へー。じゃあ、隠しごととかルネにできないねえ」


「あい。個人情報になるから、それらをひけらかして脅迫の材料にはしないけど」



よかった。性格のいい子で。


……あれ?


ちょっと待て……()()()()()()()()()ってことは……



一人でしてるところとか見られたってこと?



頭が一気に沸騰しそうになった。頭のてっぺんまで熱くなって、視界が赤く染まりそうだった。


え、ええと……あの妄想も?


あの、かなりやばめのやつも……?



「うわあああああ!!」



嘘でしょ!?


全部見られた!?


俺の……っ、ええ!?


いや、ひけらかしたりしないって言っていたから大丈夫だよね!?



思わず声を上げた俺に、ソラが目を丸くしていた。対照的に、カラスの目は細められる。



「それは……せめて、ぼくがいないときにしてね」


「それって?」



「ああああ! はい!! わかりました!」



ソラの耳をつまんで、これ以上聞くなとばかりに押さえ込んだ。


よかった。性格のいい子で……。

本当に、よかった……。



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