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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
6章 判明

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第30話 希望の光


「これでユウナも、自分の魔法と向き合えるようになったね」


「……そうかもしれない」



魔法を使えるようになったときから、周りの魔導士と違うこの力は、異物のように感じていた。

どれだけ練習しても、周りと同じようにはならない。自分だけが異端者みたいで、どこか居場所がないような――


でも、まあ、シャーマンの正しい力の使い方ではないけど。



これでやっと、本当の意味で前に進める。


安心したせいか、体の力が抜けて、その場に座り込んだ。

途端に膝の上に乗ってくる白猫の背を撫でる。



「……おまえは、気楽でいいよな」



ソラはのんきに喉を鳴らしていて、その振動が手のひらに伝わる。その温かさに、ふっと肩の力が抜けた。


あとは、何か聞きたいこと……あ。



「魔力欠乏症になるとき、自覚症状なしで倒れているんだけど……それって神の力を使っている影響?」


「いや、単純に、ユウナの集中力がすごくて体調不良に気づいていないだけ」



「そんな理由かよ。ちょっと情けないな……」



回復魔導士の那智に言ったら引かれるな。黙っておこう。



「じゃあ、新たな門出を祝って、ユウナに宿題出そうかな」


「いきなりだな……」



何を言われるのだろう。

表情を変えないせいで、この子の考えは読めない。



「その特殊な魔法で、何ができて何ができないのか、理解しないといけない。なので、これからはもっと多くの絵本や写真を見て、それを再現できるか試してみること。これが宿題」



超自然的な存在と、俺の魔力の相性を調べる必要があるってことか。骨が折れそうだ。


でも、どこかわくわくしている自分がいた。


今までずっと、何ができて何ができないのか曖昧なまま、ただ不安と向き合ってきた。でも今なら、もっと自分の力を信じられそうだ。



「それと、魔法を使うときにごちゃごちゃ考えすぎ。製造工程を思い浮かべなくても、ユウナなら完全再現できる。金塊がほしいと思えば、不純物のない純粋な金が作れるよ」



言霊を教えてもらったときに、霜月先生にも同じようなこと言われたな。


ということは、魔法を発動する速度が上げられるってことか?

唯一の弱点と言っていいそれが改善できるのか?


曇っていた空が晴れたような気分だった。

唇の端が思わず緩んだ。長年の悩みが晴れていく。


……こんな感覚、いつぶりだろう。



「……やっと、やっと俺にも希望が見えた」



思わずつぶやいた言葉が、部屋の静けさに溶けていく。



「よかったね」



ソラのその声に、小さく笑みを返した。



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