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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
6章 判明

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第29話 力の変換


「ぼくが集めた情報によると、ユウナはシャーマンの能力の使い方ではなく、属性魔法と同じ使い方をしているのがその原因だった」


「……つまり、普通の魔導士が自然の力を変換して魔法を使うみたいに、俺は神様の力を変換しているってこと……?」



「そうなるね。自然そのものを創造した者たちの力を、魔法として使っているのがユウナの力の正体だよ」



「そんなことしてる人間初めて見るから驚いてる」と、カラスは言う。


……まあ、俺が一番驚いているけど。

しかし……。



「……神様の力を盗んでいたのか……」



自分で言っておきながら、喉がひゅっと鳴った。


とんでもないことをしているんじゃないか?


冷たい汗が背中を伝うのを感じた。



自分がしてきたことは、そんな大それたものだったのか。


ルネの足元におとなしく座っていたソラが、首を傾げた。



「……それって、怒られないの?」



ソラの言葉に、胸がちくりと痛んだ。その痛みが、じわじわと胃のあたりに広がっていく。


普通なら、怒りを買って当然だ。いや……最悪、その力で――。


キリキリと痛む胃の部分を押さえた。



「……でも、もし許してくれているとしても……俺は、知らずに人のものを盗んでいたのと同じじゃないか」



ちらと、羽をついばむルネを見る。俺の意図に気づいたのか、こちらに向き直った。



「一応、意思疎通できる神にだけ話してみたけど、とくに気にしていないようだった。どちらかというと、初めての経験だからか、みんな楽しんでいるみたい」



さすが神様、懐が深いな……。



「だから気にせず、そのままでいいよ」



そう言ってくれるとありがたい。心が軽くなるのを感じる。


まあ、それもあるけど。


母親が能力の使い方を伝授してくれていたら、そのまま一般のシャーマンと同じ力になっていたのか。

この国に来て、属性魔法の仕組みを学んだせい……と言えば聞こえは悪いが、特殊な使い方で馴染んでしまったのだから、これはもう、どうすることもできない。



ルネが言っていたことを思い返すと、一つの疑問が浮かんできた。



「なあ、ルネ……自然そのものを創った者の力を使っているってことなら……自然の力を操るのと一緒じゃないのか?」



力の出処が違うだけで、属性魔法だって使えるはずでは?


カラスは首を横に振る。



「まったく違う。自然の力を使うのが属性魔法で、ユウナは神や精霊の力を使う。ユウナの魔力と相性が合わないから、自然の力を使えないだけ。魔法の威力も、内容も一般魔導士の比じゃない」



……そうなんだ。でも、それが本当なら……少しでも、この力に意味があると思ってもいいのだろうか?


肥大化の薬を投入されたうなぎや鹿に、ほかの人の攻撃が食らわず、俺の魔法が効いたのもそれのおかげかもしれない。



「……じゃあ、俺の魔法って、どのくらい強いんだ?」


「たとえば……一般の魔導士が火球を放つなら、せいぜい家が貫通するくらい。でもユウナがやれば、家の周りも消し飛ぶだろうね」



「……は?」



あまりの差に、言葉が出なかった。思わず、自分の手をじっと見つめる。


今まで何気なく使っていた魔法が、そんな威力を秘めていたなんて――


こんな力、持っていていいのか?

いや、今まで通りにやればいい。神様だって許してくれたのだから。



「よかったね。ずっと魔法のことで悩んでいたし」



白猫の言葉に頷きを返す。



「ああ。胸の突っかかりがやっと取れた気がする」



体の力が抜け、思わず息を吐き出した。


でも、そのあとからじわりと込み上げてくるのは――申し訳なさ。ずっと見えない誰かの力を借りていたんだ。



「……一応、感謝はしておこうかな。見ていたら、だけど」



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