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魔導士は白猫を飼っている  作者: 汐田 伊織
6章 判明

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第28話 能力の正体


……嘘だろ。



まるで地面が崩れたかのような感覚だった。口元を押さえた指が冷えていく。

心臓の鼓動が耳を打つ。


……なんなんだよ、俺は。

母と同じ能力ですらないのか?



衝撃で足の力が抜け、体がふらついた。


それを見かねたルネが困った様子で「ただ」と、くちばしを動かすので耳を傾ける。



「ユウナの母親は、“シャーマン”と呼ばれている能力者である可能性がある。こちらの国では霊媒師と呼んでいるかな」


「……シャーマン?」



思わず聞き返した。


あの……霊を身体に降ろしてその力を借りる、あれか……?

母親がそんな力を使っていたなんて――でも、あの人が……?


俺の古い記憶の“母親”の姿と、あまりにかけ離れている気がして、信じがたかった。


もし、この場に母親の写真があって、過去の記憶を遡れるルネに見せたら、正確な能力がわかったのに。

幼い頃に病死しているから、そんなものは持っていない。


白猫の頭に乗っているカラスは、続きを話した。



「シャーマンの場合、超自然的な存在を自身の身体に入り込ませて、その存在の能力を使う。失敗したら精神がそのまま乗っとられたりするけど、直接干渉するからか、属性魔法より強い」



「少し特殊な修行が必要だけど」と、ルネが付け加える。


俺が魔法の使い方を学んだのは、こちらの国に来てからだ。母親からは何も教わっていないから、霊的なものを体に入れたことがない。

それに、そんなことをしなくても魔法は使えているし、一体全体、何が、どうなっているんだ。



「それで、ユウナのお母さんとユウナはどう違うの?」



そう。それを一番知りたい。



「ユウナの場合、超自然的な存在を身体に入れず、その存在の能力をまるで――()()()()()()()使()()()()()


「えっ。盗み取るってどういうこと?」



「シャーマンは、神や精霊から許可があって初めて、自分の身体にその存在を入れることができる。そして能力を発動する、という流れ」



なるほど……。



「でもユウナは、そんな許可を得ずに、()()()()()()()()()()()にすることで、能力を発動している」



要するに……本来の媒体である“身体”の代わりを、“魔力”にやらせているってことか。それも無断で。



「一人の人間が、神や精霊にそのような無礼を働けることが理解できなくて、なぜユウナだけこんなことができるのかと思って、しばらく別の次元で調べてみた」



ああ、だからルネ、今まで忙しくてこっちに来なかったのか。


……というか、無礼って。いや、たしかに無礼だ。泥棒みたいなものだし。


知らないうちに人の家に上がり込んで、勝手に物を持ち出していたようなものだ。


まさか、それが俺の力の正体だったなんて。



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